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雪の降る夜に、松林では、
あちこちから聞きなれない音が聞こえてきた。
ビシィ、バシィーンと空気を叩くような音だ。


雪の重圧に耐えかねた枝が折れる音だった。
水分を多量に含んだ雨雪は重い。
粘度の高い雨雪の上に、さらに雪が降りつもる。
相当な重さがかり、太い枝でさえ一氣に折れる。

一方、細い曲がる枝は、雪が降り積むほどにしなる。
そして、するりと雪をふり落として、
ふたたび、スムースにもとへもどる。
これを春まで、幾度となく繰り返す。

感謝