流れのままに

流れのままに おのが道をゆけ ひたすらに ひたむきに

二〇一〇年霜月

この人生には色々なことがある。

時には勇猛果敢に難題に立ち向かう必要がある。
心血を注ぎ、命をかけることもあるに違いない。

でも、それは日常の無事を願えばこそのありかたで、
その願いなくしては、ただの無謀であり、蛮勇でしかない。

中国臨済宗の開祖・臨済義玄(806〜867)の言葉を弟子の慧燃(えねん)が記録した書物に『臨済録』がある。

このなかに「無事是貴人(ぶじこれきじん)」(お元氣ですね)と毎日使う挨拶語が「無事是れ貴人、但(た)だ造作することなかれ、祇(た)だ是(こ)れ平常なり」にでてくる。

「無事」とは、あれこれと思案をめぐらさないこと。消極的に何もしないのではなくて、積極的に「造作(ぞうさ)」をしない。難しく考えてしまい、疑心暗鬼に陥ることは意外と多いものだが、そんなことはしない。

「貴人」とは、外に向かってではなく自分のなかにあるもう一人の自分の真実を求める人のこと。あるがままの本来の姿に徹した人。

喫茶去


閑話休題(ソレハサテオキ)。

中国唐末に、趙州(じょうしゅう)禅師(778〜897)は120歳で昇天なさるが興味深い話が残されている。

ある日、趙州禅師のもとに若い雲水(修行僧)がやって来て、勢いこんで「仏とは何か」と質問をした。趙州禅師の答えは、ただ一言、

「喫茶去(きっさこ)」

であった。

「去」は助字で、前にくる動詞の意味を強めている。よって、「喫茶去」は「いいから先ず、お茶でも飲みなさい」という意味になる。

求道する若い雲水にとって、仏とは何かを追求することは必要なことなのだが、その「仏」ということに囚(とら)われ過ぎるなら、執着の心が起き、見えるものも見えなくなってしまう。

だからこそ禅師はそこで、「喫茶去」と若い雲水の執着の心をさとされた。

この趙州禅師は若い雲水の頃、南泉禅師のところに弟子入りを望んでいた。ある日、彼が道を歩いていると、向こうからその南泉禅師がやって来た。そこで、質問をした。

「如何是道(いかなるか、これみち)」

と。悟りの道へはどのように行ったらいいのですか、と。


「平常心是道(びょうじょうしんこれどう」

と返ってきた。

なんだかんだ言うよりも、「平常心」、自分の心を見てごらんということ。遠く手の届かないところに悟りの真髄はないのですよ。人は望むものは何でも、遠い自分の手の届かない見えないところにあると思うものだが、一番身近な自分の心の中にあるのだよとさとされた。

「平常心」を無風の静かで穏やかに澄んだ湖面のような心境と思いがち。しかし、そうならなくてはいけないと思い、あがいている心も「平常心」。落ち着け・落ち着け、見栄を張らない、素直に謙虚になるぞ、など諸々の「何々しなくては…」と悩む心も「平常心」。日々、生きているからこそ、あれやこれや姿を変える、そのあるがままの心が「平常心」。

今の「自分の心」=「平常心」。

茶飯事(さはんじ)にこだわることなく、
伸び伸びと人生を味わい一所懸命生きたいものだ。

道は四六時中、踏まれても怒らないし、
踏む人も踏んでいることを忘れている。


「平常心是道(びょうじょうしんこれどう」


朝陽を浴びながら。

笑顔のよき土曜日を

感謝

ナレッジマネジメントの要諦は、暗黙知の伝承は形式知だけでは伝わらないということ。

暗黙知:言葉や数字以外の情報
形式知:言葉や数式などで伝わる情報

料理人の世界では今も、「技は習うものではなく、盗んで覚えるもの」と言われている。オヤジ(師匠)から口頭で教えてもらっても、それは「オヤジの技」を伝え聞いたに過ぎない。自分自身で試行錯誤するから、自分のものになり、自分の技が完成する。

他人の経験は自分の経験にはならない。
だから、他人の経験は学ぶものではない。

経験は学ぶものではなく、自分自身が体験・獲得(体得)するもの。

閑話休題(ソレハサテオキ)。

日本には合衆国のCSPANのような自国や他国の議会・委員会の様子を丸ごと24時間放送し続けているテレビ局はないが、衆参両委員会で何がどのように討議されているかをサイトで知ることができる。

衆議院の委員会ニュース(http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_rchome.htm)と参議院の30日以内に行なわれた委員会会議録( http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/kaigiselect.html)を観て分かるのは、形式知により風を吹かせることで国家経営の必要条件は満たしているが、暗黙知により舵取りをシッカリすることで国家事業の十分条件が満たされていないことだろう。

11月28日は沖縄県知事選挙の投票日。

またこの日から来月1日まで、朝鮮半島西の海(黄海)で合衆国の原子力航空母艦「ジョージワシントン(GW)」が参加する米韓合同軍事演習が行なわれることになっている。在韓合衆国軍によると、この合同軍事演習には航空母艦GW(乗員6,000名)を始め、9600トン級のミサイル巡洋艦「カウペンス」や、9750トン級の駆逐艦「シャイロー」などが参加するほか、韓国軍からは4500トン級の韓国型駆逐艦2隻や哨戒艦、護衛艦などが参加するという。原子力(核)潜水艦をこの演習に参加させないのは良識の片鱗がうかがえる。合衆国軍は、24日午後にこの演習日程を中国に伝えた。今後、米韓連合司令部は北朝鮮にこの演習日程を伝えるであろう。日本やロシアには伝えるのだろうか。

普天間基地の今後のあり方を左右する要因ともなりそうだ。

風に吹かれているだけでは目的は見えてこない。
風に方位を持たせるものが目的であり、
上手に舵取りするから目的に向かうことができる。

日本国民と国会議員は、吹く風に身を任せなければならない壊れた舵ではないはずだが…。


さあ、今日も笑顔で輝いて参りましょう♪

よき週末を。

感謝
みかん

若い頃に一度、ジミー・カーター氏に一対一でお会いしたことがある。とても親切で温厚な人柄に加え、海軍軍人らしくピンと筋が通ったバックボーン(氣骨)を感じさせる方である。

彼は現在も積極的に行動し発言なさっている。最近の発言をふたつ見てみましょう。

オバマ大統領への激しい批判、「背景に人種差別」 カーター元大統領
(2009年09月16日 19:30 発信地:ワシントンD.C./米)

【9月16日 AFP】米国のジミー・カーター(Jimmy Carter)元大統領(84)は15日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に対する最近の怒りに満ちた批判の背景には、人種差別があると語った。

 カーター元大統領は、米NBCテレビに出演し、「バラク・オバマ大統領に対して強く示されている敵意の大部分は、オバマ氏が黒人、つまりアフリカ系米国人であるという事実に基づいたものだ」と語った。

 カーター氏は、「わたしは(米国)南部に暮らしており、南部が大きく変化するのをみてきた。しかし、差別の傾向はいまだに残っている」と指摘。「南部だけでなく、米国全土の白人の多くが、アフリカ系米国人にはこの偉大な米国を率いる資格が無いと信じている。だからこそ、この差別が表面にまで吹き出してきたのだろう」と語り、「これは憎むべき状況であり、わたしは深い悲しみと懸念を感じる」と述べた。

 前週には、下院で演説中のオバマ大統領に対し、共和党のジョー・ウィルソン(Joe Wilson)下院議員が「うそつき」とやじを飛ばす騒動があった。また、ワシントンD.C.(Washington D.C.)では、オバマ政権の政策に抗議して、数千人が抗議デモを行った。

 民主党議員や政治コラムニストらも、やじを飛ばしたり、銃で示威行動を行ったり、説教師が信者らにオバマ氏の死を祈るよう先導するといった最近の傾向を指摘し、危険なことだと警告している。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/politics/2642524/4601176

もうひとつは、昨日のワシントン・ポスト紙への投稿記事。彼は北朝鮮が合衆国との直接対話を求めて、今回の動機が明白でない軍事行動に出たのではないかと観ている。最悪の選択は合衆国の攻撃を受けるという恐怖から軍事行動をとることだとしている。(翻訳省略。悪しからず。)

Listen to North Korea
By Jimmy Carter
Nov. 24, 2010

This op-ed by former U.S. President Jimmy Carter was published, Nov. 24, 2010, by The Washington Post.

No one can completely understand the motivations of the North Koreans, but it is entirely possible that their recent revelation of their uranium enrichment centrifuges and Pyongyang's shelling of a South Korean island Tuesday are designed to remind the world that they deserve respect in negotiations that will shape their future. Ultimately, the choice for the United States may be between diplomatic niceties and avoiding a catastrophic confrontation.
Dealing effectively with North Korea has long challenged the United States. We know that the state religion of this secretive society is "juche," which means self-reliance and avoidance of domination by others. The North's technological capabilities under conditions of severe sanctions and national poverty are surprising. Efforts to display its military capability through the shelling of Yeongpyeong and weapons tests provoke anger and a desire for retaliation. Meanwhile, our close diplomatic and military ties with South Korea make us compliant with its leaders' policies.
The North has threatened armed conflict before. Nearly eight years ago, I wrote on this page about how in June 1994 President Kim Il Sung expelled International Atomic Energy Agency (IAEA) inspectors and proclaimed that spent fuel rods could be reprocessed into plutonium. Kim threatened to destroy Seoul if increasingly severe sanctions were imposed on his nation.
Desiring to resolve the crisis through direct talks with the United States, Kim invited me to Pyongyang to discuss the outstanding issues. With approval from President Bill Clinton, I went, and reported the positive results of these one-on-one discussions to the White House. Direct negotiations ensued in Geneva between a U.S. special envoy and a North Korean delegation, resulting in an "agreed framework" that stopped North Korea's fuel-cell reprocessing and restored IAEA inspection for eight years.
With evidence that Pyongyang was acquiring enriched uranium in violation of the agreed framework, President George W. Bush - who had already declared North Korea part of an "axis of evil" and a potential target - made discussions with North Korea contingent on its complete rejection of a nuclear explosives program and terminated monthly shipments of fuel oil. Subsequently, North Korea expelled nuclear inspectors and resumed reprocessing its fuel rods. It has acquired enough plutonium for perhaps seven nuclear weapons.
Sporadic negotiations over the next few years among North Korea, the United States, South Korea, Japan, China and Russia (the six parties) produced, in September 2005, an agreement that reaffirmed the basic premises of the 1994 accord. Its text included denuclearization of the Korean Peninsula, a pledge of non-aggression by the United States and steps to evolve a permanent peace agreement to replace the U.S.-North Korean-Chinese cease-fire that has been in effect since July 1953. Unfortunately, no substantive progress has been made since 2005, and the overall situation has been clouded by North Korea's development and testing of nuclear devices and medium- and long-range missiles, and military encounters with South Korea.
North Korea insists on direct talks with the United States. Leaders in Pyongyang consider South Korea's armed forces to be controlled from Washington and maintain that South Korea was not party to the 1953 cease-fire. Since the Clinton administration, our country has negotiated through the six-party approach, largely avoiding substantive bilateral discussions, which would have excluded South Korea.
This past July I was invited to return to Pyongyang to secure the release of an American, Aijalon Gomes, with the proviso that my visit would last long enough for substantive talks with top North Korean officials. They spelled out in detail their desire to develop a denuclearized Korean Peninsula and a permanent cease-fire, based on the 1994 agreements and the terms adopted by the six powers in September 2005. With no authority to mediate any disputes, I relayed this message to the State Department and White House. Chinese leaders indicated support of this bilateral discussion.
North Korean officials have given the same message to other recent American visitors and have permitted access by nuclear experts to an advanced facility for purifying uranium. The same officials had made it clear to me that this array of centrifuges would be "on the table" for discussions with the United States, although uranium purification - a very slow process - was not covered in the 1994 agreements.
Pyongyang has sent a consistent message that during direct talks with the United States, it is ready to conclude an agreement to end its nuclear programs, put them all under IAEA inspection and conclude a permanent peace treaty to replace the "temporary" cease-fire of 1953. We should consider responding to this offer. The unfortunate alternative is for North Koreans to take whatever actions they consider necessary to defend themselves from what they claim to fear most: a military attack supported by the United States, along with efforts to change the political regime.
The writer was the 39th president of the United States.
http://www.cartercenter.org/news/editorials_speeches/jc-listen-to-north-korea.html

カーター・センター(http://www.cartercenter.org/index.html)は優良サイトです。おススメします。

若いオバマ氏が人氣と選挙を氣にする余り王道を見失うことがないことを願っている。カーター氏のように王道を身につけていただきたい。

チト、氣になることがある。合衆国は冷戦に勝利したことで、地域研究(エリア・スタディー)の重要性を見失ってしまっている。一見同じ行動でも、適用地域(空間)や人々の行動様式(文化・時間)により意味が違ってくる。

合衆国ばかりではなく、わが日本にも当てはまる。もしかすると、外務省には北朝鮮専門の研究班が存在しないかもしれない。民間でもなさそうだ。チト、お寒い感じがする。

覇道ではなく、王道を歩むためにも地域研究(エリア・スタディー)は大切です。

さあ、今日も元氣を湧かして参りましょう。

朝日を浴びながら

感謝
同じようでも三人三様

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