流れのままに

流れのままに おのが道をゆけ ひたすらに ひたむきに

二〇一五年卯月

おはようございます。
いかがお過ごしでしょうか。

暖かく心地よい日々が続いております。

さて、今朝は小クイズを。下記のデヴァイス(装置)は何でしょうか。

御分かりでしたか。「IRANEHK 関東広域圏向け地上波カットフィルター」(7965円)。
詳しくは、記事をご覧ください。
関東広域圏向け地上波カットフィルター51NKeqftw-L__SL1024_
受信料“拒否”可能に? 「NHKだけ映らないアンテナ」の波紋
(日刊ゲンダイ 2015年4月8日)
 これで受信料を払わなくて済む!? NHKのみがテレビに映らなくなる「アンテナ装置」が波紋を広げている。考案したのは筑波大システム情報工学科の視覚メディア研究室。卒業研究として学生らが開発した。
 指導したのは同研究室の掛谷英紀准教授。2013年に、NHKの国会中継がネット上にアップされた後、削除される騒動があったが、これが開発のきっかけになったという。
 「NHKがそういうことをするのに、不公平を感じたんです。それなら、NHKと契約をしない自由があってもいい。今回の装置は、公共放送を改めて見直す問題提起になればと思っています
 「アンテナ装置」はすでにベンチャー企業が商品化。「関東広域圏向け地上波カットフィルター」として昨年7月から、アマゾンや一部の店舗で販売されている。電気工事の業者を通じて設置すれば、ほぼ100%に近い形で、NHK放送をカットできるという。
 受信料をめぐっては、NHKは近年、滞納者に対し、財産を差し押さえるなど厳しい対応を取ってきた。NHKが映らないテレビは特許上、作ることができず、国民はほぼ“強制的”に受信料を支払わざるを得なかった。
 掛谷准教授は、すでに受信料不払いで争いを続ける弁護団に「アンテナ装置」を提供している。NHKが入らないアンテナを裁判所がどうとらえるのか。場合によっては、NHKの存在そのものの在り方が問われる可能性もありそうだ。受信料を支払いたくないホテルも、この装置に興味を示しており、影響は大きい。
 籾井勝人会長の私用ハイヤー代問題や、報道番組「クローズアップ現代」のヤラセ疑惑で、NHKにあきれ返っている人は多い。皆が「アンテナ装置」で“決起”すれば、その体質も少しは変わりそうだ。 http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/158752


閑話休題(それはさておき)


受信契約書の筆跡が「男性や妻の筆跡と異なる」ならば、だれが男性の名を記入したのであろうか。私文書偽造の控訴時効(5年)により公訴権は消滅している。よって、刑事事件に発展することはないが、この契約書作成手法が常態化しているのならそうはならないだろう。15日の松戸簡裁の判決のポイントは、テレビを所有していても、正式な契約書がなければ支払い請求には理由がないということ。これは、テレビを所有しているだけで支払い義務が発生するとするNHK側の捉え方を否定するにも等しい判断。さて、自分の署名が記されたNHKとの契約書を探してみましょうか。
NHK受信契約締結認めず 松戸簡裁、支払い請求棄却
(産経 2015.4.15 21:25更新)
 NHKが千葉県松戸市の男性に対し、受信料約18万円の支払いを求めた訴訟の判決で、松戸簡裁(江上宗晴裁判官)は15日、受信契約締結時の具体的事情について立証がないなどと指摘し「男性が受信契約を締結したものとは認められない」として請求を棄却した。
 訴訟は、2003年3月にNHKの担当者が男性宅を訪問した際に作成されたとする受信契約の有効性が最大の争点。男性側は「押印もなく、承諾なしに書かれたものだ」と反論していた。
 判決で江上裁判官は、契約書の署名について「男性や妻の筆跡と異なる」などと指摘。さらに、担当者らが記入を代行したとするNHKの主張には証拠がないとし、「その後に約6年間も訪問集金に訪れていないのは不自然。契約に基づく受信料の支払い請求は理由がない」と判断した。
 NHKは「判決内容をよく読んで対応を検討したい」としている。http://www.sankei.com/entertainments/news/150415/ent1504150012-n1.html


これまでの集金テクノロジーを陳腐化する発明(「IRANEHK 地上波カットフィルター」)と松戸簡裁判決による新たな価値の創造(「契約書がなければ支払い請求には理由がない」)により、確実に、They are in an extinction. However, such the extinction is part of evolution of Japanese society.(体制下のNHKは絶滅していくが、それは日本の進化の一部となる)。

大きな笑顔の佳き週末を

感謝

格納容器内に核燃料の熱による湯気 映像初公開
(NHK 4月13日 17時55分)
格納庫内150413
 東京電力福島第一原子力発電所で、原子炉を覆う格納容器内部の調査のために投入されたロボットが撮影した映像が初めて公開されました。映像には、猛烈な放射線の中で、溶け落ちた核燃料の熱による湯気が立ちこめている様子が映っていて、格納容器内部の過酷な環境を改めて示しています。
 福島第一原発では、1号機の格納容器の損傷の状況を調べるため、今月10日に遠隔操作のロボットが初めて内部に投入されましたが、10数メートル進んだところで動かせなくなりました
 このロボットが動かせなくなるまでの午前11時20分ごろから、およそ3時間の間に撮影した映像について、東京電力は13日、一部を公開しました。
 公開された映像は、およそ2分40秒の長さで、画面全体に湯気が立ちこめています。これは、溶け落ちた核燃料が出す熱で、格納容器の底にたまった水が蒸発しているものと見られます。
 画面の右下には、ロボットがいる場所の温度や放射線量が表示され、内部の温度は20度程度ですが、放射線量は1時間当たり最大でおよそ10シーベルトと、場所によっては人が40分とどまると死亡する過酷な環境となっています。 一方、ロボットが走行している場所の周辺には、直径数センチ程度の細かい部品やがれきのようなものが落ちていますが、周辺の壁や構造物には大きな損傷は見られません。
 ロボットによって格納容器の内部の様子が映像で捉えられたのは初めてで、東京電力などは、この映像を詳しく分析して、溶け落ちた核燃料をどう取り出すかなど、今後の廃炉に役立てたいとしています。
 一方、この映像を撮影したロボットについて、東京電力などは12日夜回収を断念し、13日午前、遠隔操作用のケーブルを切断するとともに、13日予定していたもう1台のロボットを使った2回目の調査を延期しました。
 また、今回一部のポイントが撮影できなかったことによる今後の廃炉作業への影響については、今後検討するとしています。
ロボットが停止した状況は
 今回の調査で、ロボットは格納容器の内側に円周状に設けられた網目状の足場の上を反時計回りに半周し、途中19か所のポイントで周囲の状況を撮影したり、放射線量などのデータをとる計画でした。
 ところが、14番目のポイントから15番目に移動するルート上に障害物が見つかったため、急きょ別のルートを通ったところ、突然ロボットが動かなくなったということです。
 詳しい原因はまだ分かっていませんが、ここはルート全体の中で最も狭い場所だったということで、東京電力などでは、足場の段差と配管の間にロボットがひっかかった可能性があるとみています。
40人余りが交代で作業
 今回の格納容器の調査は、原子炉建屋内の別の場所からロボットを遠隔操作して行われましたが、現場の放射線量が高いことから40人余りが交代で作業に当たりました。
 このうち、格納容器にロボットを投入する作業は被ばく量が最も大きいため、23人が5つの班に分かれて30分交代で行ったほか、ロボットの操作も13人が2つの班に分かれて3時間交代で行いました。
 今回の作業による被ばく量は、最も多い人で1.73ミリシーベルトに上っていますが、東京電力では、最大の被ばく量として事前に想定していた2.5ミリシーベルトを下回ったとしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150413/k10010047011000.html

ロボットは損傷を受けて動けなくなったばかりではなく、それを回収する技術さえも持ち合わせていないことが分かった。「information」(2015年4月11日)に記したとおり、「溶け落ちた核燃料がどこにあるか」を知るためのロボットによる撮影であった。にもかかわらず、「周辺の壁や構造物には大きな損傷は見られません」では、メルトダウンなのかメルトスルーなのか分からない。

分かることは、事故から4年を経ても、溶けた燃料がどこにあるか分からないということ。
最大の関心事は、溶けた核燃料が存在する場所。この点に無関心を装ってはいけません。

参考:流れのままに「information」(2015年4月11日)


閑話休題(それはさておき)

福井地裁、高浜原発再稼働禁止の仮処分 新規制基準「安全確保せず」
(ロイター 2015年 04月 14日 17:27 JST)
[福井市 14日 ロイター] - 関西電力高浜原発3・4号(福井県高浜町)をめぐり、福井県や関西の住民9人が再稼働の差し止めを求めた仮処分申請で、福井地裁(樋口英明裁判長)は14日、住民側の請求を認め、両機を「運転してはならない」と関電に命じた。また、原子力規制委員会が策定した新規制基準に適合しても「安全性は確保できない」と断じた。
 住民側代理人の弁護士によると、同仮処分は直ちに効力が生じるため、再稼働は当分の間、できなくなる。裁判所が仮処分で原発の運転禁止を命じる決定を出すのは日本国内で初めて
<基準地震動、信頼性ない>
 高浜3、4号は今年2月、原子力規制委員会から新規性基準に「適合している」と合格判定を受けた。しかし、福井地裁は仮処分の決定文要旨で、「新規制基準は緩やかすぎて、これに適合しても安全性は確保できない」と断定した。
 原発の安全審査における最大のポイントとなる基準地震動(地震の揺れの想定)について、地裁は、2005年から過去10年間で想定を超える揺れが4原発で5回あったことに触れながら、「基準地震動は信頼性を失っている」と指摘した。
 その上で、高浜で想定する700ガル未満の地震の場合でも、「冷却機能喪失による炉心損傷に至る危険が認められる」とした。
 今回の仮処分申請の代理人で、脱原発弁護団全国連絡会の共同代表を務める河合弘之弁護士は仮処分決定後の記者会見で、「司法が原発再稼働を止めた今日は日本の脱原発を前進させる歴史的な一歩」と強調した。
<関電は不服申し立てへ>
 関電は同日、高浜3・4号の運転禁止を命じる福井地裁の決定に対して、「速やかに不服申し立ての手続きを行う」とのコメントを発表した。
 仮処分の決定に不服があれば、訴えられた側は同地裁に改めて審理を求める「保全異議」を出すことができる。再審理の結果、関電の申し立てが認められれば今回の仮処分の効力が消え、再稼動の可能性が復活する。
 河合弁護士は、保全異議があった場合の審理の期間について「半年から1年くらいだろう」との見通しを述べた。今回裁判長を務めた樋口氏は4月1日付で名古屋家裁に異動しており、別の裁判官が審理を担当するとみられる。(浜田健太郎) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N50A520150414

参考:平成26年(ヨ)第31号 高浜原発3、4号機運転差止仮処分命令申立事件

日本には「伊達判決」と呼ばれるものがある。1957年7月8日に特別調達庁東京調達局が強制測量をした際に、基地拡張に反対するデモ隊の一部が、合衆国軍基地の立ち入り禁止の境界柵を壊し、基地内に数メートル立ち入った。これにより、デモ隊のうち7名が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法違反で起訴された。1959年3月30日、東京地方裁判所(裁判長判事・伊達秋雄)は「日本政府がアメリカ軍の駐留を許容したのは、指揮権の有無、出動義務の有無に関わらず、日本国憲法第9条2項前段によって禁止される戦力の保持にあたり、違憲である。したがって、刑事特別法の罰則は日本国憲法第31条(デュー・プロセス・オブ・ロー規定)に違反する不合理なものである」と判定し、全員無罪の判決を下した(東京地判昭和34.3.30 下級裁判所刑事裁判例集1・3・776)ことで注目された)。これに対し、検察側は直ちに最高裁判所へ跳躍(とびこし)上告により、伊達判決は葬られた。このケースでは、第一審判決に対し、控訴を経ずに最高裁判所に申し立てを行った。その根拠は刑事訴訟法第406条にあり、刑事訴訟規則第254条及び第255条に定められている。第一審判決において、法律、命令・規則もしくは処分が憲法違反であるとした判決、及び地方公共団体の条例又は規則が法律に違反するとした判決に対して行うことができる。事件は、地方検察庁から直接、最高検察庁への移管となる。

降格人事で名古屋家裁へ異動した樋口裁判官は胆識(勇氣)ある人物だ。自治体・財界・メディアは現政権の再稼働政策に味方しているようにみえる。私たち日本の民衆の受け止め方は揺らいでいる。原発再稼働はやむを得ないと捉え始めている。そんな中、樋口判決は原発再稼働に待ったをかけてくれた。この判決を伊達判決のように葬ってしまうかどうかは、私たち一人ひとりの思いと行動に左右される。


日々悪化する福島原発の状況を危惧しながら。

大きな笑顔で邪氣を払って参りましょう  感謝

「核燃料が溶け落ち、建屋の地下にあたる格納容器の底に達している」ことをメルトダウンと記さなかったのには理由があるのだろう。メルトダウンは炉心溶融とも呼ばれる冷却系統の故障により炉心の温度が異常に上昇し、核燃料が融解すること。溶融した核燃料が圧力容器の底に溜まった状態をメルトダウンとし、高温により圧力容器の底が溶かされて核燃料が容器の底を突きぬけることをメルトスルー(溶融貫通)と呼び分けている。メルトスルーなのか?
原発格納容器内にロボット きょうから初調査
(NHK 4月10日 5時36分)
ヘビ型ロボット1504100535_01_03 東京電力福島第一原子力発電所では、溶け落ちた核燃料がどこにあるかや、内部の損傷の状況がよく分かっていないことが廃炉に向けた大きな課題となっています。こうしたなか、原子炉を取り囲む格納容器の中にロボットを入れ、猛烈な放射線が飛び交う内部の状況を調べる初めての調査が、10日から始まります。
 福島第一原発の事故では3つの原子炉で核燃料が溶け落ちましたが、猛烈な放射線量に阻まれ、核燃料がどこにあるかや、原子炉や格納容器の内部がどのように損傷しているかはいまだに分かっていません
 これに対して今回の調査では、長さ60センチの「ヘビ型」をしたロボットを1号機の格納容器の中に入れ、遠隔操作で障害物をよけながら壁沿いの通路を進ませて、放射線量や温度を測定するほか、搭載したカメラで内部の様子を撮影して損傷の状況を調べる計画です。
 ロボットを使って格納容器の中を直接調べるのは今回が初めてで、ロボットは10日に続いて13日にも投入される計画です。
 1号機では、コンピューターによるシミュレーションや素粒子を使って原子炉建屋を透視する調査で、ほぼすべての核燃料が溶け落ち、建屋の地下にあたる格納容器の底に達しているとみられています。
 東京電力は、「格納容器の損傷状況を把握し、核燃料の取り出しに向けた手がかりを得たい。ロボットで得られるデータを今後の廃炉作業に最大限活用したい」と話しています。
ロボットにも過酷な高線量
 核燃料が溶け落ちた福島第一原発の1号機から3号機の建屋内は、場所によっては僅かな時間で致死量に達するほどの高い放射線量となっているため、汚染状況の調査や除染、それに損傷した格納容器の調査はロボットに頼らざるをえません。
 このうち2号機では、去年3月、汚染の状況を調べるため原子炉建屋の最上階にロボットが投入され、汚染した床のコンクリートをドリルで削ってサンプルを採取しました。
 建屋内を除染するためのロボットの開発も進んでいて、ドライアイスの粒を床や壁に噴射して表面を汚染ごと削り取るロボットも投入されました。
 原子炉の外側にある格納容器の調査にもロボットが使われています。おととし11月には、1号機の格納容器から汚染水が漏れている様子が初めて確認されました。
 しかし限界もあります。建屋の内部は狭い場所や段差が多いうえ、散乱しているがれきなどによって身動きが取れなくなり、ロボットが回収できなくなってしまうのです。
 強烈な放射線も課題です。内視鏡カメラで撮影した2号機の格納容器の内部の映像では、放射線によるノイズが白い斑点となって画面全体を覆っています。核燃料に近づくと、たとえロボットであっても、猛烈な放射線によって誤作動を起こしたり映像が乱れたりするおそれがあるのです。
 今回のロボットも、誤作動を避けるためコンピューターの回路をできるかぎり使わないなどの工夫がされていますが、それでも2日間の調査が限界だということです。
 国と東京電力は、今回の1号機の調査に続き、2号機の格納容器内部の調査も計画していますが、溶け落ちた核燃料の周辺はロボットさえも簡単には近づけない過酷な状況となっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150410/k10010043471000.html


閑話休題(それはさておき)


以下は、東京新聞のみが報道したニュース。
被ばく死 最悪1.8万人 原発攻撃被害 84年に極秘研究
(東京新聞 2015年4月8日 朝刊)
原発攻撃被害20150408国内の原発が戦争やテロなどで攻撃を受けた場合の被害予測を、外務省が一九八四(昭和五十九)年、極秘に研究していたことが分かった。原子炉格納容器が破壊され、大量の放射性物質が漏れ出した場合、最悪のシナリオとして急性被ばくで一万八千人が亡くなり、原発の約八十六キロ圏が居住不能になると試算していた。研究では東京電力福島第一原発事故と同じ全電源喪失も想定していたが、反原発運動が広がることを懸念し公表されなかった。 
 八一年にイスラエル軍がイラクの原子力施設を空爆したことを受け、外務省国際連合局軍縮課が外郭団体の日本国際問題研究所(東京)に研究委託。成果は「原子炉施設に対する攻撃の影響に関する一考察」と題した六十三ページの報告書にまとめられ、本紙が情報公開を通じてコピーを入手した。
 報告書は出力百万キロワット級の原発が攻撃されたと仮定。原発の場所は特定せず、(1)送電線や発電所内の非常用発電機がすべて破壊され、すべての電源を失う(2)原子炉格納容器が爆撃され、電気系統と冷却機能を失う(3)格納容器内部の原子炉が直接破壊され、高濃度な放射性物質を含む核燃料棒などが飛散する−の三つのシナリオで検証した。
 このうち、具体的な被害が示されたのは(2)の格納容器破壊のみ。当時、米国立研究所が米原子力規制委員会(NRC)に提出した最新の研究論文を参考に、日本の原発周辺人口を考慮して試算した。
 それによると、緊急避難しない場合、放射性物質が都市部など人口密集地に飛来する最悪のケースでは一万八千人が急性被ばくで死亡。ただ、被害は風向きや天候で大きく変わるとして、平均では三千六百人の死亡になると試算した。五時間以内に避難した場合は最悪八千二百人、平均八百三十人が亡くなるという。急性死亡が現れる範囲について、報告書は「十五〜二十五キロを超えることはない」と記述している。
 長期的影響としては、放射性物質セシウムなどで土壌汚染が深刻化すると指摘。農業や居住など土地利用が制限される地域は原発から最大で八六・九キロ、平均で三〇・六キロにまで及ぶとしている。
 最も被害が大きい(3)の原子炉破壊については「さらに過酷な事態になる恐れは大きいが、詳しい分析は容易ではない」と紹介。福島原発事故と同じ(1)の全電源喪失では、実際に起きた水素爆発の可能性に触れ「被害が拡大する危険性がある」と指摘しており、報告書が公表されていれば、事故の未然防止や住民避難に役立った可能性がある。
 八〇年代は、七〇年代の二度にわたる石油危機を受け、国は原発建設を積極的に推進。国内の原発十六基が運転を始めた。軍事攻撃が想定とはいえ、原子炉に重大な損害が生じれば深刻な被害が及ぶとのシナリオは世論の不安を呼び、国の原子力政策に水を差す可能性があった。報告書にも「反原発運動などへの影響」などと、神経をとがらせていたことをうかがわせる記述がある。
 原子力資料情報室の伴英幸・共同代表は報告書の存在を「知らなかった」とした上で「反対運動を理由にした非公開ならとても納得できない。テロの脅威が高まる中、原発のリスクを国民にもっと知らせるべきだ」と話している。
◆公表する理由がない
 外務省軍備管理軍縮課の話 報告書は保存されているが、作成部数や配布先など詳しい経緯は分からない。今後、公表の予定はない。積極的に公表する理由がない。
◆原発攻撃被害報告書 「福島」に生かされず
 軍事攻撃による原発の放射能被害を予測していた外務省の報告書。水素爆発した福島第一原発事故は地震と津波が引き金とはいえ、報告書が指摘していた「全電源喪失」の危機がシナリオ通りに再現された。三十年も前から原発の潜在的な危険性を知りながら、反原発運動の広がりを恐れて公表を控えた外務省。原発推進を掲げた当時の国策の下で、都合の悪い情報をひた隠しにする官僚の隠蔽(いんぺい)体質が浮かび上がる。 (斎藤雄介)
 「限定配布の部内資料(『取扱注意』なるも実質的に部外秘)」「外務省の公式見解でないことを念のため申し添える」…。高度な秘密性を裏付けるように、報告書には当時の国際連合局軍縮課長が書いた「ことわりがき」が添えてある。
 当時、同局の審議官だった元外交官の遠藤哲也氏(80)は本紙の取材に「記憶が確かではない」としながらも「ショッキングな内容なので(非公表に)せざるを得なかったでしょうね」と話した。同氏によると、一般的に部内資料は省外への持ち出しが禁止されており、報告書が官邸や原子力委員会などに配布されていなかった可能性が高い。
 作成された二年後の一九八六(昭和六十一)年には旧ソ連・チェルノブイリ原発事故が起きたが、その時ですら報告書の公表はなく、原発の安全対策に生かされることはなかった。
 当時は米ソが核兵器の開発を競う冷戦時代。科学技術史が専門の吉岡斉・九州大教授(61)は原発の軍事攻撃を想定した報告書が公表されれば「国民の間で核兵器と原発が一体的に連想されることを心配したのではないか」と推測する。
 「国家と秘密 隠される公文書」(集英社新書)の共著者で、歴史学者の久保亨・信州大教授(62)も「原子力は、軍事に転用できる技術の最たるもの」と指摘する。久保教授が懸念するのは昨年十二月に施行された特定秘密保護法。安全保障やテロ対策などを理由に原発に関する情報が一段と制限され「闇から闇へ葬られかねない」と懸念を示している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015040802000140.html

セマンティツクス(意味論)での「情報(information)」には、何かを知らせるという目的が備わっている。被害予測を知らせることは、広義の国防でもあるのだが・・・。


大きな笑顔の佳き土曜日を

SunSunのあさひを浴びながら  感謝

参考:Decommissioning Chief Speaks Out

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