流れのままに

流れのままに おのが道をゆけ ひたすらに ひたむきに

二〇一七年霜月

2007年7月30日、合衆国議会は「日本政府によって日本軍のために、いまだかつてないほどの残酷さと規模であった20世紀最大の人身売買の1つである」とし、「性奴隷(sexual slavery)にされた慰安婦(comfort women)とされる女性達への公式な謝罪、歴史的責任、あらゆる異論に対する明確な論破及び将来の世代にわたっての教育をすることを日本政府に要求する」とした合衆国下院121号決議(United States House of Representatives proposed House Resolution 121)を採択した。この採択は、在米韓国人によって合衆国各地に慰安婦謝罪決議案採択のための汎対策委員会が設立され、大日本帝国軍慰安婦謝罪要求決議が可決されるよう韓国系アメリカ人による合衆国下院議員へのロビー活動の成果でもあった。

サンフランシスコ市議会は今月14日、大日本帝国軍の従軍慰安婦を象徴する像や碑と維持費の寄贈を受け入れる決議案を11人の市議の全会一致で可決した。日本政府の合衆国下院121号決議を不決議へ導くロビー活動の失敗のツケと言える。未だ、このロビー活動失敗の原因究明と責任は問われてはいない。

智慧を以て、日韓または多国間に宿されたこの人権問題を解決へと導きたい。さもなければ、この地球上で私たち日本人と日本はいつまでも恥ずかしい思いをしなければならない。元「慰安婦」に対する補償(償い事業)及び女性の名誉と尊厳に関わる今日的な問題の解決を目的とした「女性のためのアジア平和国民基金」という名の償い金支給事業があった。この組織はフィリピン・韓国・台湾の285人に約5億8,000万円を支給し、2007年3月に解散した。この償いを、私たち日本の歴史の一部として知っておきたい。加えて、今日の価値観では、売春婦は「性奴隷(sexual slavery)」というカテゴリーに存在する。だから、『「従軍慰安婦」なるものは存在せず、ただ戦場で「春を売る女性とそれを仕切る業者」が軍の弱みにつけ込んで利益率のいい仕事をしていたと言うだけのことである』とか、軍に寄生した慰安所は軍属の慰安所でなかったという事実を主張しても、「悪いことをしたのでしょう」と一蹴される時代となったことも覚えておきたい。日本はこの問題を解決する意思があり、未来を担う国際社会の一員として積極的に活動する旨を表明したい。その意味で、平成26年9月の第69回国連総会における安倍総理大臣の一般討論演説の以下の部分を再評価し、啓蒙したい。
(前略)20世紀には,ひとたび紛争が起きると,女性の名誉と尊厳が,深く傷つけられた歴史がありました。
 女性に生まれたというだけで,医療ケア,教育といった基本的サービスを受けることができない,ゆえに自立の機会に浴せないという忌まわしい状況が,世界のあちこちに,なお存在します。
 日本は,世界中のそうした女性たちに寄り沿う国でありたい。心に大きな傷を受けた女性たちの自立を,世界中で応援し,支えていきたいと考えています。
 21世紀こそ,女性に対する人権侵害のない世界にしていく。日本は,紛争下での性的暴力をなくすため,国際社会の先頭に立ってリードしていきます。
 日本がザイナブ・バングーラ「紛争下の性的暴力担当事務総長特別代表事務所」との連携を強化したゆえんがここにあることは,いまさら多言を要しません。(後略)

大阪市、サンフランシスコとの姉妹都市解消へ 慰安婦像の寄贈めぐり
大阪市の吉村洋文市長が「日本政府の見解と違う」と抗議。
(The Huffington Post Japan 2017年11月24日 08時48分 JST | 更新 2017年11月24日 08時49分 JST)
サンフランシスコ 歴史的ミステエイク
サンフランシスコ市のセントメリーズ公園に設置された慰安婦像

大阪市長、姉妹都市解消を表明 慰安婦像の寄贈めぐり
 米サンフランシスコ市のエドウィン・リー市長は22日、民間団体が現地に建てた慰安婦像の寄贈を受け入れる決議案に署名した。これにより、像は同市の所有となり、寄贈の受け入れに反対してきた大阪市の吉村洋文市長は23日、60年にわたる両市の姉妹都市関係を解消する方針を表明した。
 像は慰安婦を表す女性3人が手をつないだ形で、高さ3メートル。地元の中国系米国人らの民間団体が9月にチャイナタウンに建てた。
 しかし、碑文に「性奴隷にされた何十万人の女性」「大多数は囚(とら)われの身のまま命を落とした」とあることから、吉村市長が「日本政府の見解と違う」と抗議。寄贈を受けた場合は「姉妹都市を解消する」と表明していた。
 これに対してサンフランシスコ市議会は今月14日、像と維持費の寄贈を受け入れる決議案を全会一致で可決。リー市長が24日までに拒否権を行使しなければ決議案が成立するため、吉村市長は書簡を送り、拒否権の行使を求めていた。リー市長は決議案に署名することで、支持する姿勢を明確にしたと言える。
 吉村市長は23日、「リー市長の行動により姉妹都市の信頼関係は消滅した。姉妹都市解消に向けた内部手続きを行い、12月中には手続きを完了させたい」とのコメントを出した。
 大阪市とサンフランシスコ市は「似た規模の港町」として1957年に姉妹都市提携を結び、今年10月に提携60周年を迎えていた。(宮地ゆう=サンフランシスコ、吉川喬)(朝日新聞デジタル 2017年11月23日 18時39分)


米サンフランシスコ市議会、慰安婦碑設置を全会一致で支持=中国系市議らが提案―中国メディア
(Record china 配信日時:2015年9月23日(水) 17時3分)
ニュージャージー州の慰安婦の碑20150923-05421708
22日、米サンフランシスコ市議会は市営公園に旧日本軍の従軍慰安婦を象徴する像や碑の設置を支持する決議を11人の市議の全会一致で採択した。写真は米ニュージャージー州の慰安婦の碑。
 
 2015年9月23日、中国新聞社によると、米サンフランシスコ市議会は22日、市営公園に旧日本軍の従軍慰安婦を象徴する像や碑の設置を支持する決議を11人の市議の全会一致で採択した。
 決議案は米国華商総会やサンフランシスコ中国統一促進会など華僑団体の提言を受けた中国系のエリック・マー(馬兆光)市議らが今年7月、共同で提案した。
 マー市議は「記念碑が設置されれば、われわれはこの悲劇を永遠に記憶することが可能になる。中国系団体に加え、韓国系や日系団体の支持も受け、12万ドル(約1400万円)が集まった」と述べた。設置の時期や場所は未定。(翻訳・編集/柳川)

吉村市長の「リー市長の行動により姉妹都市の信頼関係は消滅した。姉妹都市解消に向けた内部手続きを行い、12月中には手続きを完了させたい」とのコメントは、大阪市が悪のサイドに立っているかのイメージを増生する危険な発言である。慎重な言動を指南したい。自ら発したコメントの構造と機能(導き出される事象)を知ってもらいたい。


大きな笑顔の佳き日曜日を

参考:
流れのままに 「NYに慰安婦問題の謝罪求める看板設置」(2012年10月07日)
「日本における人身取引対策の現状と課題」国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 485(JUN.21.2005)

(追記)
Japan protests San Francisco's 'sex slave' statue decision
By mari yamaguchi, associated press
(TOKYO — Nov 24, 2017, 8:15 AM ET)
 Japan expressed strong regret Friday over San Francisco's decision to give city property status to a statue commemorating Asian women who worked in military brothels for Japanese troops during World War II, with Osaka declaring it will terminate its 60-year sister-city ties.
 The signing of legislation making the memorial public property "destroyed trust," Osaka Mayor Hirofumi Yoshimura said. "We will scrap our sister-city relationship with San Francisco." He said Osaka will no longer contribute public money to privately organized cultural exchanges between the two cities.
 The statue was erected by California's Korean, Chinese and Filipino communities.
 Chief Cabinet Secretary Yoshihide Suga said San Francisco's decision challenges Japan's position and was "extremely regrettable." He said similar statues that have been built in various countries interfere with a 2015 agreement between Japan and South Korea to resolve the historical dispute.
 Historians say tens of thousands of women around Asia were sent to work in Japanese military brothels, often through coercion and deception. Japan apologized in 1993 but the issue has remained an open rift with its neighbors, particularly South Korea which has strong memories of Japan's brutal colonization from 1910 to 1945.
 After a gradual pullback from the apology, Japan's government now denies that the women, called "comfort women" in Japanese, were forced into sexual slavery, citing a lack of official documentary proof, and says the statue wrongfully blames Japan.
 In the 2015 deal, Japan and South Korea agreed that Tokyo would pay 1 billion yen ($9 million) to support the surviving South Korean victims, and both sides pledged to avoid actions that would antagonize the other.
 Suga also criticized the South Korean parliament's passage on Friday of legislation designating Aug. 14 as a day to commemorate the suffering of the Korean "comfort women," saying it violated the spirit of the 2015 agreement and that Japan has lodged a protest. The date is when a victim, the late Kim Hak-soon, became the first to publicly speak out about her ordeal in 1991. She was followed by hundreds of others.
 The agreement calls for efforts by both sides to build a "future-oriented" relationship.


月面で撮影したはずなのだが、アポロ17号の宇宙飛行士のVisor(保護ヘルメット)に軽装の人間が写っている。『月面』という名のスタジオで撮影したのは、見え見え。アポロ17号は、アメリカ合衆国のアポロ計画における最後の飛行。1972年12月7日にフロリダ州ケープ・カナベラルのケネディ宇宙センターから打ち上げられた。2017年現在、史上6度目にして最後の有人月面着陸を行い、また地球周回低軌道を越えて人類が宇宙を飛行した最後の例とされている。→ https://history.nasa.gov/alsj/a17/AS17-141-21608HR.jpg


閑話休題(それはさておき)


白鵬関と日馬富士関の意識は、横綱は「天下一」や「日下開山」と呼ばれる人物を目指すものであるという教養には届かない。その昔、相撲会所に出入りしていた長兵衛という八百屋(通称「八百長」)が、ある相撲の年寄と碁(ご)を打つ際に、いつも1勝1敗になるように手加減していた。ここから勝負事で、真剣に争っているように見せながら、前もって示し合わせたとおりに勝負をつけることを「八百長(試合)」と言うようになった。被害者の平幕・貴ノ岩関は、モンゴル八百長連合に加入しなかったのでリンチに遭ったということは見え見え。白鵬関と日馬富士関は祖国モンゴルで福祉活動もしている英雄なのだが・・・。
「殴られ 片方の耳聞こえが悪い」貴ノ岩の近況明らかに
(TBS News 2017.11.23 )
 横綱・日馬富士の暴行事件で、被害者の平幕・貴ノ岩が「40〜50回は殴られた。片方の耳が今も聞こえが悪い」と元小結・旭鷲山に話していたことがわかりました。
 これは、来日中の元小結・旭鷲山が自身のフェイスブックで明らかにしたものです。この中で旭鷲山は貴ノ岩から23日午後6時に電話があったとし、貴ノ岩が「いきなり日馬富士が、灰皿とカラオケのリモコンなど手元にあったモノで殴ってきた。40〜50回は殴られた」と話していたことを明らかにしました。さらに、貴ノ岩は「事件後に部屋へ戻ったら頭が痛くなり、片方の耳が何も聞こえなくなった。今も聞こえが悪い」とも話していたということです。
 日本相撲協会の危機管理委員会は貴ノ岩から話を聞きたい考えですが、貴ノ岩の師匠、貴乃花親方が協力を拒否していて、日程調整が進んでいません。一方で、危機管理委員会は23日、鶴竜と照ノ富士から聞き取りを行ったことが関係者の話でわかりました。
 また、事件を捜査する警察は、横綱・白鵬への事情聴取を今月28日にも行う方向で検討していることが関係者への取材で分かりました。警察は、さらに当時の状況について確認を進める方針です。

元旭鷲山氏、日馬富士暴行事件で白鵬と電話していた…「兄貴、かわいがりなんですよ」
(スポーツ報知 2017年11月23日9時44分)
 大相撲のモンゴル出身初の関取の元小結旭鷲山氏(44)が23日放送の日本テレビ系「スッキリ」(月〜金曜・前8時)にスタジオ生出演し、大相撲の横綱・日馬富士(33)=伊勢ヶ浜=が幕内・貴ノ岩(27)=貴乃花=を殴打した暴行事件についてコメントした。
 事件は10月25日の夜に鳥取市内の飲食店で発生した。旭鷲山氏は、酒席に同席した横綱・白鵬(32)=宮城野=に電話し、白鵬から「兄貴、かわいがりなんですよ」と説明を受けたことを明かした。
 さらに同席した複数の力士からも事情を聴いたという旭鷲山氏は白鵬が言った「かわいがり」を「当たり前のことだと思った。普通なんで、ボクらの時代はスコップでバンバン殴られた」などと明かした。

日馬富士関取は、貴ノ岩関への殴打を認めている。事実は横綱が暴力事件を起こしたということ。これは引退勧告の必要十分条件を満たしている。元横綱・朝青龍関が自ら起こした暴力事件を理由に、2010年2月に横綱審議委員長から引退勧告を受けたのは記憶に新しい。

その他にも問題はある。白鵬関や日馬富士関は勝手に他の部屋に出稽古をする。本場所が始まる直前の練習の時である。その部屋の成長株力士と相撲稽古をして、横綱の強さを見せ付け、怪我させたり、苦手意識を植え込んでいく。相撲の醍醐味は、どの流派の相撲部屋の相撲が秀でているかを味わうこと。人を育てる哲学のある相撲部屋の親方が人材育成の道を究めるには、他の部屋への出稽古をご法度にする必要がある。他の部屋の力士に対して「かわいがり」(焼きを入れる)という発想そのものが相撲と両立しない。そのような力士を育てた相撲部屋と親方たちは自らを省みて、場所直前の出稽古や同胞のみの飲み会や他部屋の力士への口出しは相撲に必要がないことを自覚して、相撲道に邁進してもらいたい。問題の本質は教育にあり。


大きな笑顔の佳き週末を。  感謝

(参照)
流れのままに 「楽しみましょう♪」(2009年10月01日)
流れのままに 「Backbone(背骨)」(2010年02月21日)
流れのままに 「裸一貫」(2011年02月08日)

(追記)
貴乃花親方「日馬富士は引退する必要なかった。何かの陰謀で」…電話受けた友人が「ビビット」で明かす
(スポーツ報知 2017年12月1日 10時10分)
貴乃花親方@20171130 30日に東京・両国国技館で開かれた日本相撲協会定例の理事会に出席した貴乃花親方(元横綱、45)から、理事会後に電話を受けたという友人の50代男性が1日放送のTBS系「ビビット」(月〜金曜・前8時)にVTR出演し、貴乃花の理事会後の話を伝えた。
 理事会後に番組の取材を受けていた男性に貴乃花から電話があり、10分ほどの会話があったという。男性は「親方もかなり興奮されていました」と言い、親方は「理事会は誰か1人の人が主導で、自分の意見を聞き入れてもらえない」「たくさんの、知らない人もいて、しゃべる機会も与えてもらえない」と話していたという。
 男性によると、貴乃花親方は横綱・日馬富士の引退については「日馬富士は引退する必要はなかった」とし「何かの陰謀で辞めざるを得なかった。圧力があったのでは」という旨のことを話したという。また「日馬富士を処分するなら、自分の処分も覚悟していた」というが「何の処分も言い渡されることはなかった」という。(後略)


昭和天皇は、大東亜戦争を止められなかったことに責任を持ち、先の大戦後の日本の民衆の生活を案じられたがゆえに、全国を巡幸され、慰霊の旅を続けられた。それは、今上陛下にも継承されより一層実施されてきた。
両陛下、鹿児島の離島ご訪問 苦労話に耳を傾け噴火被害をおねぎらい(産経新聞2017年11月16日22時49分)
天皇皇后両陛下@屋久島1711160057
 天皇、皇后両陛下は16日、鹿児島県の屋久島を訪問、口永良部島(くちのえらぶじま)の噴火被災者を見舞った後、沖永良部島(おきのえらぶじま)に入られた。2泊3日の日程で、与論島を含めた離島3島を巡られる。
 天皇陛下は譲位の意向を示した昨年8月のお言葉で、遠隔の地や島々への旅を「象徴的行為として、大切なもの」と表現しており、島々への思いを再確認される旅となる。
 両陛下は同日、屋久島の屋久島町総合センターで、平成27年5月の爆発的噴火により一時、離島を強いられた口永良部島の被災者5人とご懇談。懇談会場前には口永良部島民の半数に当たる約50人が朝のフェリーで駆けつけ、「噴火に負けず頑張っています」との横断幕を掲げて出迎えた。車を降りて歩み寄った両陛下は「無事で良かった」と一人一人に声を掛けられた。
 噴火当時、島民らはフェリーのほか、県や海保のヘリで屋久島などに逃れ、死者は一人も出なかった。
 ご懇談では、島東部・湯向(ゆむぎ)地区の漁師、畠喜人(よしと)さん(60)が自分の漁船で避難したことを聞き、天皇陛下は「本当に大変でしたね」とご慰労。
 荒木耕治・屋久島町長からは全員の避難を夕方までに終えたとの説明があり、陛下は「普段の訓練が非常に大事だということを感じたでしょうね」と述べられた。家屋の被害を尋ねた皇后さまに、消防団副分団長の貴船(きぶね)森さん(45)が土石流で埋もれた家屋もあったことを伝えると、「人が犠牲にならなくて良かったですね」と気遣われた。
 皇后さまが避難中に子牛1頭を失ったという山田ヨリ子さん(74)を「残念でした」と慰められる場面もあり、山田さんは懇談後に「うれしかった。仕事をしながら思い出すと思う」と話していた。
 両陛下は側近から計4度促され、ようやく席を立たれた。ご懇談時間は予定を大幅に過ぎ、約25分間に及んだ。陛下は最後に全員に向かい、「これからの良い生活が確保されるとよろしいですね」と語り掛けられた。皇后さまも「気をつけてお帰りください」とねぎらい、退出された。
 両陛下は17日、与論島で沖合に浮かぶ「百合ケ浜」を見学、地元の舞踊を鑑賞される。18日は沖永良部島の小学校で黒砂糖作りを視察後、帰京される。


閑話休題(それはさておき)


「象徴」としての天皇の地位は、70年前に施行された日本国憲法に基づく。しかしながら、その実質的な内容は憲法の条文だけで説明が尽くされるものではない。先の大戦後、昭和天皇は上記の映像にみられるように全国各地へ巡幸を行った。それは1946年2月19日から足かけ8年半に及んだ。GHQは、神格性を排除して民主的な姿となった天皇像を民衆に宣伝するためとして認めていた。一方、天皇や側近は巡幸を通じて先の大戦前と変わらぬ『儀礼君主・社交君主』として象徴天皇を規定する考え方を強めてい行った。GHQの民政局(GS)の中には、天皇一行を迎える地方官民の熱狂的ともいえる歓迎姿勢を目の当たりにし、新たな形で皇室による民衆支配が形成されようとしていると危惧する声もあった。GHQが宮中改革を叫んだ所以。

昭和天皇の崩御後、法律家の佐藤功氏は「ジュリスト」で「新天皇は何をよりどころにして象徴的機能を果たすことができるだろうか」と語っていた。30年近くが過ぎ、今上陛下の志向する「象徴天皇」は自明の理である。
真摯な姿を敬愛 国民と共有感
(日本経済新聞 和歌山章彦 2017/11/11付朝刊)
 昭和天皇の崩御後の法学雑誌「ジュリスト」で芦部信喜氏、佐藤功氏ら憲法学の泰斗が「象徴天皇制の今後の課題」を巡り対談した。
 佐藤氏は、「新天皇は何をよりどころにして象徴的機能を果たすことができるだろうか」と発言。多くの国民が、激動の昭和を天皇とともに歩み、苦楽を共にしてきた。が、「新しい天皇にはそのような共有感があるだろうか。それに代わるものを何に求められるだろうか」と問いかけた。
 昨年8月に宮内庁が公表した天皇陛下のビデオメッセージにその答が集約されている。
 陛下は、加齢や手術による衰えなどご自身の「弱さ」に言及。障害者慰問の根幹にある「弱く生きる自由」を肯定された。一方、戦没者追悼の旅などの「象徴的行為」を果たさず、ただ在位することのありがたさ(神聖性)を否定。国民と天皇は、明治憲法の垂直的な関係ではなく、相互の「信頼と敬愛」を媒介に結ばれる、水平的な関係にあることを強調された。
 佐藤氏の問いに答えるなら、天皇の真摯な公務の積み重ねに、多くの国民が信頼と敬愛を寄せているという「共有感」に象徴の本質がある、と言えないだろうか。
 ただ、こうした天皇像は不安定だ、と懸念する声もある。天皇陛下の退位に関する有識者会議では、「天皇に能力主義を持ち込むもの」との指摘も出た。象徴天皇制を支えるのは制度自体ではなく生身の人間だ。陛下が築かれたある意味でハードルの高い象徴像に、人が適応できない場合も想定せよ、との問題意識だろう。
 海外の慰霊の旅では、日本人戦没者だけでなく米兵や徴用された朝鮮半島出身者、現地の犠牲者にも弔意を示された。が、建前論でいえば主権者たる国民の代表が本来担うべき仕事ともいえる。天皇の公的行為の範囲をどう考えるのか。開かれた議論が必要だ。

昭和天皇が「象徴天皇」なるものを受け入れることになったご決意の根本は、ここに見ることができそうだ。
大東亜戦争終結に関する詔書(現代語訳・日経新聞)
 私は世界の大勢と大日本帝国の現状を深く考え、非常の処置で時局を収拾しようと思い、ここにあなたたち臣民に告げる。
 私は大日本帝国政府に、米国、英国、中華民国、ソ連に対し、その共同宣言(ポツダム宣言)を受諾することを通告させた。
 そもそも、大日本帝国臣民がやすらかな生活を送れることをめざし、世界の国々と栄える楽しみを共にすることは、天皇家歴代の祖先が残した手本であり、私がうやうやしく奉じてきたことで、先に米国、英国2国に宣戦した理由もまた、実に帝国の自存と東アジアの安定を望んだことであって、他国の主権を排除して、領土を侵略するようなことは、いうまでもなく私の志したことではない。
 しかし、戦争はすでに4年におよび、私の陸海軍将兵の勇戦、私の様々な官吏たちの精励、私の1億の民たちの奉公、それぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦局は必ずしも好転せず、世界の大勢も我々に不利な状況となった。
 それだけではなく、敵は新たに残虐な爆弾を使用して、むやみに罪なき人々を殺傷し、その惨害がどこまで及ぶのか計り知れないものになった。それでもなお戦争を継続すれば、ついにわが民族の滅亡を招くだけではなく、人類の文明をも破壊することになるだろう。このようなことになっては、何をもって万民を守り、歴代祖先の霊に謝罪することができよう。これが私が帝国政府に共同宣言を受諾するよう命じた理由である。
 私は帝国政府とともに、一貫して東アジアの解放に協力した同盟国に対し遺憾の意を表せざるをえない。帝国の臣民として戦死し、各職分に殉じ、悲運にも命を落とした者やその遺族に思いをいたせば、全身が張り裂けんばかりである。また、戦傷を負い、災禍を受け、職を失った者の生活を私は深く案じている。
 今後、帝国が受ける苦難は並大抵のものではない。あなたたち臣民の降伏を受け入れがたいという心を私はよくわかっている。しかし、私は時の運命を受け入れ、耐えがたいことを耐え、辛抱しがたいことを辛抱し、それにより永遠の世のため平和の道を開こうと思う。

 私はここに国体(国家体制)を守ることができ、忠義心厚く善良なあなたたち臣民の真心を信頼し、常にあなたたち臣民とともにある。感情の激するまま新たな事態を引き起こし、あるいは同胞同士でおとしめ合い、たがいに時局を混乱させ、そのため正しい道を誤り、世界の信義を失うことは、私がもっともいましめたいことである。
 まさに国中が一丸となって、これを子孫に伝え、神州日本の不滅を固く信じ、責任は重く、それを果たす道は遠いことを思い、総力を将来の建設に傾け、人の行うべき正しき道を誠実に行い、心に定めたことを固く守り通し、国体の真の価値をあらわして、世界の進歩に遅れないよう心してほしい。あなたたち臣民は十分に私の考えを心にとめて行動しなさい。

「時の運命を受け入れ、耐えがたいことを耐え、辛抱しがたいことを辛抱し、それにより永遠の世のため平和の道を開こうと思う」というご決断の結果の一部が、象徴天皇であり、日本の国土にある合衆国軍基地である。
日本全土の米軍基地化
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/5551より引用

合衆国のエスタブリッシュメントが成長するなら、日本を属州としてポジショニングすることから卒業できるに違いない。しかしながら、未だ国務省や国防省を中心とした72年に亘る対日政策を総括して見直すことができないでいる。しかし教養あるアメリカ人の中からトランプ大統領のように、明治以降に日本を敵とし、無力化して、征服した合衆国の歴史とその合衆国を支配してきた勢力の正体に氣づいた人々が表舞台に出てきた。Good Newsである。

フリードリヒ・エンゲルス(Friedrich Engels:1820〜1895)が1845年に『イギリスにおける労働者階級の状態』(Condition of the Working Class in England in 1844) を出版してから、170年を過ぎたのだが資本主義という経済メカニズムの矛盾を解消するにはいっていない。今の日本にある格差と貧困は資本主義の産物であり、それをいかに社会政策でもって解消・改善していくのかが社会主義であると言っても良いだろう。格差と貧困を資本主義の矛盾と批判できる見識を以て、それを克服しようとする勇氣(意識)が開花するならば、経世済民を求める思惟(しい)とムーブメント(行動)に発展する。私たち日本の民衆は、この意識を持った政治家たちを育てたい。


本格的な 寒さに向かう時節、ご自愛願います。
大きな笑顔の佳き週末を。 感謝

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