1258293e.JPG風が心地よい。

昨年の今頃、こんな嬉しいことがあった。
一年ぶりに、『夢屋横丁』という輸入雑貨店に行き、
服を二着買った。

前年と同じように、
そこの娘さんはとても親切に対応してくれた。

『 新しい服が入荷する度に、
   ああ、お客さまにお似合いだわ、
    いついらっしゃるのかしらとずっと
     お待ちしていたんですよ 』
 
その話しっぷりが妙に真実味を帯びていた。
さあ、会計の段になって財布を取り出そうとしたとき、
 
『 領収証をおつくりしますね。
   お名前は「サイトウさま」で … 』

と、春風に舞う桜の葉のように、尋ねた。

『キ、キ、キィミィは、どうしてわたしの名前を…』

『お客さまにお会いしたときから、
  ずぅ〜っとこの次お会いできる日を待っていたから…』

そして、彼女とわたしは前年の話の続きを、
つい2〜3分前の話の続きをするかのように続けたのであった。
この二十代中ごろの娘の屈託のない会話と笑顔が素的だった。
だから、一輪のバラの花を、上品な薄黄色の花をプレゼントした。

『 ヤッタァー!ワァァー、うれしいぃ! 』

満面の笑み、そして迸るような若さが、
人であることの喜びを感じさせてくれる。

 感謝