73e68c9c.jpg おはようございます☆
 この朝陽の輝きは、格別だ。
 実に温かい。

 さて、今朝はマネーについて。

 北海道と縁の深い人に石川啄木がいる。彼はある日、オスカー・ワイルドの『芸術と道徳』という極めて豪華な本を3円50銭で購入した。しかしながら、生活苦の中にいた彼は、この本を、古本屋に1円30銭で売ってしまう。そして、「ボクは、2円20銭も損をしてしまった」と嘆き悔やんだ。価値が主観的であることを十二分に伝えてくれるエピソードだ。

 マネ−とは、諸々の「価値」が形をとった一つにすぎない。さあ、価値とはなんだろう?価値とは、啄木のケースが明快に示しているように、人の頭の中にある概念にすぎない。この概念は、価格という尺度を通じてだけ客観性を持つことができる。

 わたしが持っている「あるもの」を、将来、別の人が受取るとき、自分が考える価値で受取ってくれると確信が持てるなら、その「あるもの」はマネ−になりうるのではないだろうか。

 昨今話題になった「時価総額」もマネーと言える。でもそれは残念ながら、利益・差益を狙う「投機」になってしまった。このブログ『流れのままに』では昨年の7月28日の『以其道得之(その道を以って)』で警鐘を鳴らしていた。頭の中に描いた概念の違いが、自然、結果の違いとなった。啄木の豪華本のように、嘆き後悔する人々が現れ始めている。

 見極めることの大切さを実感している。

 感謝