afa360f2.jpgおはようございます。
静かな日曜の朝です。
いい感じです…。

今朝は「あこがれ」のお話を。

鉄棒が盛んな幼稚園では、年長児の逆上がりや空中逆上がりを見ていて、年少児までもが逆上がりをこなしてしまう。人がやっていることを見て、自分がやっているように思って脳に刺激を受け、あたかも自分が行ったかのように脳の回路が完成していくのだそうだ。

わたしたちの脳の中には、無意識的に他人に共感してしまうシステムが、始めから組み込まれているらしい。それは脳にあるミラーニューロンの働きではないかという。

発見者は、イタリア北部の古い町、パルマにあるパルマ大学人間生理学研究所のジアコーモ・リッツォラッティ博士。1991年、この研究スタッフがサルの大脳活動を研究していた時のこと。休憩時間にスタッフがアイスクリームを食べ始めたところ、サルに取り付けてあった計器がガリガリと鳴りだした。スタッフが慌てて調べてみると、自分が食べた時に活動する部位が活動していた。この鏡のように反応する脳の部位(ニューロン群=サルの運動前野premotor cortex F5領域)を博士は「ミラーニューロン(The Mirror Neurons)」と名づけた。自分は実際に行為に及んでいないのに、他の猿の動作を見ただけで、同じ動作をしているかのように活動する部位が脳の中に存在することがわかった。どうやらこの部位と同じものが、人間にもあるようだ。

それは模倣のニューロンとも呼ばれ、イメージトレーニングを行なう時にも働く。正式に指導していないにも拘らず、見事な逆上がりが出来る年少児のケースは、まさにこのミラーニューロンのなせる技と考えると理解しやすい。強烈な刺激を受けたニューロンは、何度も刺激を受け続けている内にシナプスを形成し、インパルスの回路が創られ、あたかも自ら行なった時と同様の回路が完成したと考えられる。環境の大切さが説かれる所以である。

子どもたちの脳の中にある極めてピュアな鏡に、わたしたち大人の行為が映っている。そこでさまざまな情報(知識)と相まってわたしたち大人の像はかれら子どもたちなりの像として映しだされる。

日本では昔から「子は親の背中を見て育つ」とか「人の振り見て、わが振り直せ」といわれ続けているのだから、ミラーニューロンの存在を直感していたに違いない。もし、これが科学的に解明されるなら、「総合学習」「ゆとり教育」「心の教育」など政策とも理念ともつかないものを議論することも、チャータースクールやオルタナティブスクールを運営しようとするのも、結構なことだが、わたしたち大人の思い上がった勝手な妄想(※注)だということがはっきりする。

ミラーニューロンは興味を持って見るかどうかでその効果が変わる。サッカー少年なら、世界のトッププロのプレーを見て、「自分もああなりたい」と強くあこがれることで、ミラーニューロンは激しく活動する。

ジアコーモ・リッツォラッティ博士は『わたしたちが人の身振り手振りを理解できるのは、他人と同じ状況に、自分の身を置くことが出来るからです。自分にも出来ることだから、人のやることも理解できるのです。人間は、ほかの人の心の動き方を読み取ることが出来ますが、この能力は、生まれつき持っているミラーニューロンを子どもの頃から使うことで発達するのです』と説明している。

 「あこがれ」持ちましょう♪

 今日も素的な日曜日を創りましょう☆  笑顔


※注 「妄想」とは心理学用語で、事実でないことを想像して、
   事実だと難く信じる判断・確信をいう。