f834c66f.jpg2003年3月の衆議院法務委員会の要求により、過去10年間にわたる約1600名の死亡被収容者の死亡帳が公表され、保護房拘禁に関連した死亡事案や十分な医療措置がとられていない疑いのある事件が多数あることが伝えられたのは記憶に新しい。革手錠と保護房を使用した人権侵害が全国に広がっていた。

受刑者たちが刑務所・拘置所等の処遇について不服申立を行うためには、外部との面会や信書のやりとりがとても重要で、先進他国では常識として電話の利用も認められている。日本では現在、受刑者や死刑確定者などの刑確定者は、未決のときには面会と信書のやりとりができた友人・知人との関係を絶たれ、家族と弁護士以外とは原則として面会も通信もできなくなってしまう。このような施設の閉鎖性が、人権侵害の実情が容易に外部に知られない大きな要因となっているという。

また弁護士と受刑者との面会にも時間制限や刑務官の立会がつき、通信は検閲されている。これが不服申立についての事件の相談も不可能である所以。

ある刑務所の『未決収容者生活心得』の「外部交通」には次のようにある。

(以下、引用開始)

【 信 書 】
(1)信書の発受に際しての心得
ア》信書はすべて検閲されます。発信は封をしないで提出してください。
イ》発信する場合の住所は、「郵便番号○○○−○○○○ ○○市○○町
  ○○XX番地の○」と書き、刑務所名は表示する必要はありません。
ウ》発信文は必ず自分で書き、他の収容者に頼まないようにしてください。
  もし字の書けない人は、職員が代筆しますから申し出てください。
エ》郵便や電報は、原則として日本語で書いてください。
  もし、日本語以外で書いてあるときは、翻訳のため発送が遅れることがあり
  ます。なお翻訳に要した手数料は、原則としてあなたが負担することに
  なっています。
オ》法令により、通信を禁じられている人の郵便や電報は、
  その禁止が解かれるまで預かっておきます。

(2)検閲
検閲の結果、信書の内容が次のようなものであるときは、書き直しを求めたり抹消又は削除したり、発受信を不許可にしたりすることがあります。また、内容が法令に触れると認められるときは、関係官庁に通報することがあります。
ア》暗号の使用、その他の理由で判読できないもの。
イ》逃走及び罪証の隠滅を図るもの。
ウ》その発受によって、刑罰法令に触れる結果を生ずる恐れがあるもの。
エ》その発受によって、所内の規律秩序を害する結果を生ずる恐れがあるもの。
オ》脅迫にわたる記述や、明らかな虚偽の記述があるため、
  相手方を者して不安にさせたり、困惑させるおそれがあるもの。
カ》相手方を著しく侮辱する記述があるもの。
キ》所内の事項について、明らかな虚偽の記述があるもの。
ク》発信者の氏名を通称やアダ名で書いたものであるとき。

(3)信書の発受に際しての手続及び制限
ア》郵便切手などを使用して発信する場合は、
  手持ちの「郵券袋」と一緒に提出して、職員の認印を受けてください。
イ》発信の際に、現金・写真などの金品を同封して郵送したいときは、
  定められた領置金品宅下げ手続きをとってください。
  ただし、原則として、収容者相互間で切手、封かん等の郵送は所内の規律
  維持を害する恐れがあるためできません。
ウ》受信の中に同封された金品は、すべて領置されますが、腐食の恐れがある
  など、保管に耐えられないものなどは廃棄の手続きをとってください。
エ》同封発信は、原則として同一住所の者、それ以外は緊急性があり、
  かつ住所不明で直接に発信できない場合に許可されます。
オ》発信には次の制限がありますが、特に必要があるときはあらかじめ願い
  出れば、事情によって許可されることがあります。
 (ア) 発信は日本語で書いてください。
 (イ) 発信の受付は平日の午前中で、休日は受け付けません。
 (ウ) 発信は原則として1日2通以内です。
 (エ) 封書による発信は、1通の使用便箋が7枚以内です。
    ただし、どうしても7枚を超える場合は願い出てください。
 (オ) 文字を便箋の裏面や欄外に書いたり、極端に小さな文字で記載したり、
    1行間に2行以上書いたりしてはいけません。
 (カ) 封筒や便せんにカットなど絵を描くことは認めますが、一面に書いたり、
    絵中に暗号と思われる文字がある場合は発信できません。

(4)電報の取扱い
ア》電報の受付は、原則として平日の午後3時までに申し込んでください。
  休日は受け付けませんが、特に急を用する場合は認められることがあり
  ますから、職員に申し出てください。
イ》電報発信は、指定の電報発信用紙に記入して提出してください。

(5)公務所からの来信についての取扱い
  裁判所など公務所からの来信は、職員が被閲後交付します。

(6)その他
ア》書留、内容証明などの取扱いを希望する時は、職員に申し出てください。
イ》受信は原則として居室で10通まで所持できますが、これを超える場合は、
  領置又は廃棄の手続きをしてください。
  また、所持期間は公布された日から10日間です。
ウ》発信に必要な封筒、便せん、はがき、切手などは、すべて自分のものを
  使うことになっていますが、それが出来ないときは、職員に申し出てください。
エ》来信について、その内容を同室者に見せたり、
  読み聞かせたりしてはいけません。
オ》来信は、指印を押して受け取るようになっています。

(以上、引用終わり)

受刑者たちの不服申立のため、刑務官の立会のない面会や検閲のない信書の発受など受刑者の外部交通権の保障が認められる日が待たれる。

 恵みの雨の日曜日@静かな朝の旭ヶ丘にて  感謝