dd635cb4.jpgみなさん、こんにちは。
ご無沙汰しておりました。
お陰さまで、元氣に日々楽しく過ごさせていただいております。
しばらく、ブログをお休みしていて、ご心配おかけしましたがご安心ください。

さて、同音異字のお話から。

「被爆」 ⇒ 原水爆の爆撃を受けること。
「被曝」 ⇒ 放射能にさらされること。(「原発事故で被曝する」など)

英国のガーディアン紙によると、「被曝」に関した違法調査が問題になっている。セラフィールド核燃料再処理工場の不審死した従業員から、遺族の許可なく臓器を取り出しプルトニウム・レベルを違法に調査していた。1960年代から90年代初期にかけての30年近くにわたり、65人の死亡した労働者などから臓器や組織片の摘出が行なわれていた。4月18日に通商産業大臣(Alistair Darling)が公表し調査を行なっている。
(参照:http://www.guardian.co.uk/nuclear/article/0,,2123429,00.html
http://www.guardian.co.uk/nuclear/article/0,,2060026,00.html#article_continue )

臓器や組織の分析記録はBNFL(再処理工場を運転する旧イギリス核燃料公社・現BNG)が持っているが、サンプル自体は分析によって破壊され、廃棄されたので今は残っていないらしいが、BNFLは65人のセラフィールド労働者の臓器摘出と放射能検査がだれの指示で何の目的とどの権威のもとで行なわれたかを公表していない。

放射線は人体に急性被害と慢性被害をもたらす。急性被害は瞬時に大量の放射線を浴びることでおき、放射線は貫通し体内には残らない。急性被害をうけた方は、内部被曝もしているが、数時間か数日で死亡してしまう。直接は被爆していないにもかかわらず、原爆投下後の広島に家族や親戚を探しに行った方々は亡くなっていった。

敗戦後、広島に駐屯して被爆後の街の瓦礫除去作業などに従事した日本軍の兵士たちは故郷に帰るが、30分の農作業もできない、倦怠感で立っていられない、働けない、という状態になってしまった。この慢性被害は被害者家族によって『ぶらぶら病』と命名された。当初はノイローゼとよく間違えられた。現在、原発事故後にも『ぶらぶら病』被害が出ることも分かっている。

この実態を知るために自ら原発労働者となり、3つの原発で働いた経験をまとめた堀江邦夫氏の『原発ジプシー』と、原発被曝により癌におかされたり、いろいろな病気に苦しんでいる方々に賢明なインタビューを続け、被曝労働者の実態を明らかにした樋口健二氏の『闇に消される原発被曝者』は紐解くに値する。

放射線の慢性被害は学際的研究がなされ体系的に解明される課題。しかしながら、その芽は摘み取られがちで手つかずの研究分野といってもよい。日本国憲法第23条には、「学問の自由は、これを保障する」とある。国家権力は法の下、この壮大なテーマを研究しようという人々を認め、守り抜くことで23条に灯りを燈すことが出来る。

夏、真っ盛りの札幌にて    感謝