efb21761.jpgおはようございます。
今日も太陽が輝いています。

あぁ、ありがたい。

では、今朝のお話を…

一昨年、昇天された小倉昌男氏(元ヤマト運輸会長)には、『福祉を変える経営 障がい者の月給1万円からの脱出』という著作がある。

ここには彼が行なった障がい者の起業支援としての経営指導の具体例が述べられている。その一つが「スワン・ベーカリー」というパン屋さんのチェーン。この「スワン・ベーカリー」で働く障がい者を取材したのが、『はばたけスワンベーカリー』という本。

日本では歴史的に障がいをもつ人のための福祉行政はこれまで実効的な措置がとられていなかった。元々、障がい者の自立支援策はほとんどなかったが、今から30年以上前に「これではいけない」と障がい者の親たちが行政に働きかけ、やっと「共同作業所」という障がい者たちが仕事をするための施設が行政によって作られた。

しかしながら、施設認可の基準が厳しく、施設設置は財源を握る行政官僚の独断場で、その事業内容は上から命令的にトップダウンされるのみであった。

結果、善意の福祉行政員たちが運営してはいるのだが、採算性を考慮しない、極めて単純な作業を障がい者に強いるだけの施設に留まってしまった。

ゴール(目的)は、障がい者たちの経済的自立であったにもかかわらず、みんなを「社会参加」させるという名目が先行してしまい、必要な利益を確保できず、そこで働く人に支払われる賃金はひと月、一万円であった。

加えて、その「社会参加」なるものは、施設に障がい者を入れ、生産性のない単純労働をさせるだけの閉鎖空間を新設しただけであった。

それを知った小倉昌男氏は、これでは障がい者に働く喜びも経済自立に十分なお金ももたらすことはできないと判断し、独自に障がいを持つ人が十分な利益を上げることができるように全国をまわって経営指導していくようになった。

この経営指導の一環でできた会社が「スワンベーカリー」。

『はばたけスワンベーカリー』の著者・牧野 節子 さんは、この本でその会社で働く障がい者たちから生の声を聴いている。

パンをこねる仕事、そのできあがったパンをお店で並べたり、コーヒーをお客さまに入れたり、レジを打ったり、宅配したり、みんなが「生きがい」「やりがい」を持って、輝いて働いていることが伝わってくる。

給料も、官僚福祉行政の産物の共同作業所の月一万とは違い、「スワンベーカリー」では10万円以上手にすることも可能。1万という給料は、労働価値を実質的に認めていないネガティブ(絶望的)なメッセージを共同作業所は発している。一方で、10万という給料を出せる「スワンベーカリー」は働く人が夢・希望・あこがれを持てるような仕組みを提供している。

みんなが社会にアクセスしているという感触を持ち、魅力的な商品を出すことに主眼が置かれている。みんながおいしいパンを作れるように、材料から冷凍までの加工の段階で別の会社が工夫して関わり、それを現場で商品として出す際にみんながその材料に仕上げをする。こうして魅力的な商品を作っているという意識がみんなに芽生えている。

ハンディキャップを持つ方々が経済的に自立できる社会をゴール(目的)にすることで、依存していた人がそこから脱し、「生き延びる(survive)」ではなく、「生きる(live)」ことをゴール(目標)にできるような社会が形成されようとしている。

本書は、働いている方たちの、「スワンベーカリーで働くのは楽しい」という声を取り上げ、純粋に楽しく働くことの大切さを伝えてくれる。

なぜ、「スワンベーカリー」では働く人たちがみなハッピーなのか?

わたしたち自らがお店に足を運ぶことで見極めていただきたい。
⇒参照 http://www.swanbakery.jp/

20年前の1998年6月、スワンベーカリー銀座店が第1号店としてオープンし、現在直営店3店、チェーン店20店が各地に展開している。働いている障がい者の数は、直営店29名、チェーン店170名。

スワンベーカリーの命名は、みにくいアヒルの子と思っていたら実は「白鳥=スワン」だったというデンマークの童話作家アンデルセンの作品がヒントになっている。

よき週末をお過ごしください。

感謝