先ほど、素的な作品を観ました。

“Augusta Rush”(邦題『奇跡のシンフォニー』)。

ワシントン広場とセントラル・パークが舞台。
10年暮らした町なので、懐かしかった。

主人公のエヴァンくんが、音楽の才能をいかにして開花させるのか。彼の母ライラ、そして父ルイスの親子3人が織り成す物語なのだが、よくできたプロットである。



エヴァンくんがジュリアード音楽院で受けた待遇は、特別のものではない。例えば、1980年、8歳の時、演奏を録音したカセットテープをこの学院のドロシー・ディレイ教授に送り、入学オーディションに招かれ、その後ヴァイオリンの才能を開花させた日本人がいる。五嶋みどり女史(1971年10月生)である。

1980年代後半、彼女と同じ矯正歯科医に通っていた。ドクター・ボイランのオフィスには歯形を並べた棚があり、わたしMasanoriの歯形の隣には、彼女Midoriの歯型があった。彼女は高校生になっていたと思うが、当時は、極めて美しい日本語の話し手であった。現在は国連平和大使としても活躍なさっている。



物語のエンディングでは、セントラル・パークが舞台となっている。この公園は、明治神宮内苑と同じく人工的なもので、人工林が意図的に自然林化されたものである。

ロンドンのハイドパークやパリのブローニュの森と同等のものをニューヨーカーが望んだ結果、1853年にニューヨーク州政府によりここが公園用地指定された。当時ここに暮らしていたアフリカ系・アイルランド系市民1,600人が立ち退いている。そして、1857年の設計コンテストで「緑の芝生計画」が選ばれた。現在も造営中でまだ完成していない。

ちなみに、明治神宮内苑は、1921(大正10)年の「明治神宮御境内 林苑計画」に基づき造営されている。植生遷移(サクセッション)のコンセプトの下、多様な樹種を多層に植栽し、100年後に広葉樹を中心とした極相林(クライマックス)にし、永遠の森を科学的に形成しようという試みである。10年後に計画通り完成するようだ。

原題のAugusta Rushには、8月の出逢いの情動(パッション)の意味が込められている。

この社会で生きるわたしたちにとって大切なことが二つある。

ひとつは、人さまに迷惑をかけないこと。

もうひとつは、自分の名誉を傷つけないこと。


静かな深夜に。

感謝


※)
監督:カーステン・シェリダン
製作:リチャード・バートン・ルイス
製作総指揮:ロバート・グリーンハット、ラルフ・カンプ、ルイーズ・グッドシル、マイキー・リー、ライオネル・ウィグラム
原案:ポール・カストロ、ニック・キャッスル
脚本:ニック・キャッスル、ジェームズ・V・ハート
撮影:ジョン・マシソン
編集:ウィリアム・スタインカンプ
音楽:マーク・マンシーナ
上映時間:114分
公開:2007年11月21日@合衆国