新古典派(Neoclassical)経済学者のマーシャル(1842〜1924)は、ケインズ(1883〜1946)が尊敬した恩師であった。彼は、1885年2月24日のケンブリッジ大学政治経済学教授就任講演「経済学の現状(The present position of economics)」の締めくくりに、周囲の社会的な苦難に取り組むために冷静な頭脳をもって、しかし暖かい心情をもって、進んで力を差し出す人物をより多数、ケンブリッジがこの世に送り出すよう尽力することが自分の大望であると伝えた。
It will be my most cherished ambition, my highest endeavour to do what with my poor ability and my limited strength I may, to increase the numbers of those, whom Cambridge, the great mother of strong men, sends out into the world with cool heads but warm hearts, willing to give some at least of their best powers to grappling with the social suffering around them; resolved not to rest content till they have done what in them lies to discover how far it is possible to open up to all the material means of a refined and noble life.
(The present position of economics : an inaugural lecture given in the Senate House at Cambridge, 24 February, 1885 / by Alfred Marshall. London : Macmillan and Co., 1885, p.57)
私がもっとも深く心に期しておりますことは、またそのためにもっとも大きな努力を払いたいと思っておりますことは、すぐれた人々の母でありますケンブリッジで学ぶ人々の間から、ますます多くの人々が、私たちの周りの社会的な苦難を打開するために、私たちの持ちます最良の力の少なくとも一部を喜んで提供し、さらにまた、洗練された高貴な生活に必要な物的手段をすべての人が利用できるようにすることがどこまで可能であるかを見出すために、私たちに出来ますことをなし終えるまでは安んずることをしないと決意して、冷静な頭脳をもって、しかし暖かい心情をもって、学窓を出て行きますように、私の才能は貧しく、力も限られてはおりますが、私にできるかぎりのことをしたいという願いに外なりません。
(「経済学の現状」『経済論文集』アルフレッド・マーシャル [著] ; 永沢越郎訳. 東京 : 岩波ブックサービスセンター (製作), 1991.12.10, p.31)


閑話休題(それはさておき)

福島県 子どもの放射能 尿検査せず 秘密裏に「困難」結論?
(東京新聞 2012年10月25日)
 福島原発事故を受けた県民健康管理調査で、子どもの内部被ばくを把握できる尿検査が行われていない。専門家でつくる公開の検討委員会でも検査の是非がほとんど議論されてこなかった。ところが今月に入り事前の「秘密会」の開催が公となり、尿検査をめぐる議論の不透明さも判明。検査を求めてきた保護者らは不信を募らせている。(中山洋子、林啓太)【こちらは記事の前文です】http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012102502000152.htmlより転載
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やまなかけんじさんのフォトアルバムより引用

with cool heads but warm hearts(冷静な頭脳をもって、しかし暖かい心情をもって)、社会的な苦難に取り組むために、進んで力を差し出すひとでありたい。

大きな笑顔の良き週末を

感謝