「情報革命(information revolution)」という言葉が生まれ、30年を超える。情報革命が起こった社会は、工業社会から情報社会に移行すると予言され、現実のものとなった。それは情報技術(Information technology = IT) の開発により加速し、私たちは好きな時に、好きな場所から、瞬時に情報を発信・更新する自由を手にしている。しかしながら、information revolution に私たちが期待したのは労働時間の減少による、人間を大切にする社会の到来であった。幸か不幸か、私たちは自らが発信した情報とその更新を自己実現だと思い込んでしまう幻想社会を創り出した。その情報やヴァラエティに富んだ情報端末機器は私たち民衆を虜(とりこ)にしているが、それは人間そのものの大切さを希薄にする「ライフスタイル変動(formation revolution)」であったのかもしれない。

被曝エリアの児童の40%以上に甲状腺異常が確認された。それは他人事ではなく、いづれ近隣都府県に波及することは容易に察知できる。先月、700キロのプルトニウムを含む10トンのMOX燃料が英・仏軍による警備体制下で日本に向けて輸送された。これは運転中の高浜原発第3号機(福井県)で使用される。断層とプルトニウムの組合せに向き合うならば、核物質の拡散を阻止したいと思う防衛意識が芽生えるのが自然だ。今も多くの国々が日本製食品の輸入禁止措置を取っている。他国が輸入禁止している食物を食べても良いのだろうか、という懐疑の精神が働き食材のトレイサビリティーに無関心ではいられないはずだ。にもかかわらず、私たち民衆の関心はスポーツ中継とバラエティ番組に集中させられ、売る側・与える側にいる科学者と技術者とメディアは欠関心・無関心を貫いている。今後は、人間が何よりも大切だといういうライフスタイルを顕現する 「intelligence evaluation(智恵の評価)」にシフトしたい。


こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日に。

感謝