日本の司法制度の中で「六法全書」(六法)は重要な位置を占めている。しかし、合衆国にはこのように便利なものはない。その代わりに、膨大な数の「判例集」がある。判例として残されているから、その裁判でどのような事実認定がなされ、どのような法律問題が議論されたのかを検討することがでる。しかしながら、厄介なのは六法のように座右に一冊置いておくと必要な情報が調べられるわけではないということ。判例集には、official reports(法律に基づいて刊行されている公式判例集)とunofficial reports(私企業が刊行する非公式判例集)がある。両方とも同じ判決書を基にしているので、その権威に違いはない。例えば、連邦下級審や一部の州の裁判には公式判例集がないので、非公式判例集であるWest社発行のNational Reporter System(全米判例体系)という連邦と州の両方を網羅する資料が中心的存在となっている。
 今は昔のように手作業で関連判例を探す必要はなくなり、判例要旨を問題ごとに分類したAmerican Digest(アメリカン・ダイジェスト)とShepard’s Citation(シェパーズ・サイテーション)の2つが主な補助システムとして活用されている。これらのシステムは、私たちが判例を探すスピードの向上と時間の節約に貢献している。その他には、LexisやWestLawといった有料データベース、FindLawのような無料データベースもあるし、裁判所やロー・スクールなどのサイトには無料で判例情報が提供されているものもある。だから、時代と共に検索機能が進化して、便利になったことは明らかだ。

 このように法律に関わる人々の利便性が増した合衆国ではあるが、刑事訴訟手続きにより有罪となった受刑者を取り巻く背景に暗雲が立ち込め始めているようだ。興味深い記事があったので転載させていただくことにした。
米多国籍企業をたっぷり潤す現代の奴隷制度
240万人の受刑者をもっと増やせ、そして低賃金でこき使わせろ!
(JB Press 2014.11.17(月) 堀田 佳男)
塀の中に入ると奴隷と同じ――。
 奴隷という言葉には少しばかり誇張が含まれるが、米国で犯罪に手を染めて実刑判決を受けると、出所するまで奴隷と呼んで差し支えない賃金で刑務作業を強いられる。

時給25セント、サボタージュも許されない労働力
 賃金は経験によって差違があるが、平均時給賃金は25セント(約28円)。
 服役中に「稼げるだけでいい」との考えもあるが、近年問題視されているのは、世界的に名前が知れ渡る多国籍企業が低額の賃金に目をつけ、受刑者を労働力として利用する動きが加速していることだ。しかも受刑者数は過去10年で加速度的に増えている。
 米国の刑務所(連邦、州立、民間)に収監されている受刑者数は現在約240万人。1972年が約30万人で、90年には100万人。過去20年以上で2倍以上に増加した。
 いくつかの問題を順番に記していきたい。まずなぜ米国でここまで受刑者が増えたかである。日本で現在、刑務作業をしている受刑者は約6万2000人。米国の人口を日本の約3倍と計算しても240万人は格段に多い。
 犯罪件数も日本よりも格段に多いが、犯罪率に目を向けると米国では過去10年、州によっては横ばいか減少傾向にある。それではなぜ受刑者が減らないのか。大きな理由が2つある。
 1つは麻薬犯罪に厳罰が下るようになったことだ。麻薬の売買に関与していなくとも、所持・使用だけで実刑判決が出てしまう。米国の240万受刑者の51%は麻薬関連の犯罪で収監されたと言われている。
 しかも麻薬関連の犯罪の量刑は容赦がない。州にもよるが、5グラムの覚醒剤を所持していた場合、仮釈放なしの実刑5年という刑期が下る。
 2つ目は麻薬関連犯罪以外にも、司法制度の厳罰化が進んだことが大きい。米国における刑罰の項目は4500にも及ぶ。米国人の間でよく語られる冗談に、「1日外出していると、知らないうちに3つの軽罪を犯している」と言われる。
 例えば実際にこういう話がある。
 ある少女が森でヤマネコに襲われそうになっていたキツツキを助けた。後日、11歳の少女は535ドル(約6万1500円)の罰金を科された。というのも、「連邦渡り鳥保護法」に違反したというのだ。父娘は呆然としたという。

恩赦なし150年の実刑判決も
 別の事件もある。中西部オハイオ州で先週、小学生の息子を2年間も強姦し続けていた53歳の男が起訴された。小学校の教諭をしている母親も起訴されている。特に、手を下した父親に対する罪状は強姦罪や暴行罪を含めて54もあった。
 判決はまだ先だが、54罪のそれぞれに量刑が言い渡されるため、もしかすると父親は実質的に終身刑ということになるかもしれない。
 残忍な殺人事件の犯人などには、恩赦なしの実刑150年という量刑が下されたりもする。米国では極刑がない州もあり、国家が命を絶つ代わりに塀の中で死ぬまで労働してくださいとの判断を下す。
 そこには日本のような更正という意識がほとんど見られない。日本では検察が、軽罪であれば不起訴に処することも多い。有罪判決が出ても、初犯であれば執行猶予がつくことが多く、いきなり実刑というのは「犯罪者のエリート」と言われたりもする。
 一方、米国では極悪の犯罪者を社会に戻さないという意識が強い。危険人物とのレッテルが捺された犯罪者は、社会復帰しても社会の脅威になるため、釈放させないということである。出所時に足首にGPSをつけさせて、行動を監視する人物はまだかしかもしれない。
 米国の刑罰が厳しいのは、実は有権者の希望でもあった。増え続ける犯罪に歯止めをかけるため、刑を重くしてほしいとの声が政治家を動かしたのだ。それが刑事訴訟法に反映され、より重い量刑へ流れた。
 話を戻したい。米国では近年、増え続ける受刑者を労働力として頼る動きが加速している。しかも誰もが知る多国籍企業が、塀の中の労働力を使っているのだ。
 米ジャーナリスト、ビッキー・ベラエス氏によると、100社以上の多国籍企業が刑務所と契約を結んで製品を作らせているという。同氏が挙げる企業リストの中にはIBM、ボーイング、モトローラ、マイクロソフト、コンパックなどといった優良企業が並んでいる。
 刑務作業で作られる製品は、日本では家具や靴、バッグなどが一般的だが、米国では米軍が使用するヘルメットや防弾チョッキ、弾丸装着ベルト、テントなどはすべて刑務製品である。

最新の航空機部品、コンピューター製品、医療機器まで
 それだけではない。最近は航空機部品やコンピューター関連部品、医療機器まで製造されている。少なくとも37州で、刑務所が多国籍企業と契約を交わし、最低25セントの低賃金労働を利用しているのだ。
 受刑者の経験や製品によっては時給2ドルまで上がるが、それでも中国の労働者よりも低賃金に抑えられる企業側の利点がある。
 多国籍企業が受刑者に頼る理由は、企業側にとって好条件がいくつも揃っているからにほかならない。もちろん低賃金が最大の魅力だが、受刑者には職を辞する権利がない。
 「お勤め」を拒否すれば独房が待つ。さらに賃上げ要求やストライキもない。有給休暇もないばかりか、遅刻や早退もない。そのうえ、失業保険や福利厚生の手当ても必要ない。
 使う側からすればこれ以上の働き手は期待できないほどだ。しかも仕事ぶりは四六時中チェックされている。
 この労働力を見過ごす企業はないだろう。
 大企業と刑務所の結託を「獄産複合体」と呼ぶこともある。企業によってはロビーイングに多額の資金を割き、連邦議員と州議会議員に働きかけて「獄産複合体」の維持に力を注いでいるとも言われる。
 体制を維持するためには受刑者数の確保が必要だが、今のところ困るようには見えない。むしろ受刑者数が増えすぎて、連邦・州立刑務所に収まりきらず、民間刑務所が増設されているほどだ。
 240万人という数字は新潟県の人口とほぼ同じで、それだけの労働力を確保できれば、国外に工場を建てる必要性は減るかもしれない。米司法当局が多国籍企業と結託して、塀の中の労働力を確保するために意図的に検挙率を上げていると論ずる人もいるが、確認は取れていない。
 一方で、一部の市民団体からは受刑者が大企業に使われたままとの声が上がっている。「奴隷扱いされている」との批判だ。だが、受刑者の声が連邦議会やホワイトハウスに届くことは残念ながらほとんどない。

 これが米国の塀の中の現実である。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42211


ひと言で言うと、合衆国は日に日に変梃りんな国になっている。


閑話休題(そおれはさておき)


乗せられての円安誘導により、円は1ドル118円にまでその価値を下げている。内閣府が17日発表した2014年7─9月期国民所得統計1次速報によると、 実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.4%、 年率換算マイナス1.6%となり、4─6月期に続きマイナス成長を記録。この結果は10%への消費増税延期判断の好材料となった。海外のメディアはクールにこのレポートを評価していて、BBCのように「Japan's economy makes surprise fall into recession(日本経済は意外にも景氣後退に落ち込む」と記すところが多勢を占めた。18日、首相は消費税率10%への引き上げを17年4月まで1年半延期し、21日(金曜日)に衆院解散・総選挙に踏み切る考えを表明した。

2012年以来12年ぶりの衆院選は、12月2日公示・14日投開票の日程で行われる。

来たる未来に、古くて新しい日本の成就が人々の喜びを見いだせるよう願って止みません。

大きな笑顔で邪氣を払ってまりましょう。

感謝
日本