毎年60万人もの人が訪れる花園神社の酉の市は、明治時代に始まった。大鳥神社の祭神である日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷征伐の戦勝祈願をし、帰還の時にお礼参りをしたことに因む。だから、日本武尊の命日である11月の酉の日に行われるようになった。

酉の市には開運熊手守、福財布、破魔矢(あたり矢)が授与される。新宿の街の発展に伴って参拝する人が増えた。浅草お酉さまと並んび山の手随一の賑わいを誇っている。先週の土曜日(22日)にIT氏が写真を贈ってくれたので「流れのままに」掲載し、この神社に祭られている倉稲魂命(花園神社)・日本武尊(大鳥神社)・受持神(雷電神社)の3柱の神さま方に礼拝したい。

熊手を縁起物としているのは、日本武尊が勝ち戦を祝い、お礼参りをされた鷲神社(おとりさま)の松に武具の熊手を立て掛けたことに由来する。熊手を買う時の醍醐味は、熊手商と「買った(勝った)」、「まけた(負けた)」と氣っ風良く笑顔でやり取りを楽しむところにある。商談成立後には、まけてくれた分は店側に「ご祝儀」として渡す。すると、威勢の良い手締めが打たれる。なんと粋な買い方ではありませんか。日本語の脳でものを考え、言動するとはこういうことだと思う。めでたし、めでたし。


大きな笑顔の佳き一日を  感謝
花園神社IMG_1680
花園神社IMG_1681
二の酉 2014.11.22@IT氏撮影
大鳥神社開運御守141125
IT氏からの贈物・大鳥神社開運御守@まさのりSun撮影

(追記)
熊手は、高浜虚子が「病む人に買うてもどりし熊手かな」と読んだように、健康・お金・幸福をかき集めるという縁起のよい飾り物。しかしながら武具としての熊手は、水上では舟や浮遊物などを引き寄せる舟道具。戦場では敵を馬から引き落とし、盾や塀を引き倒し、あるいは高所に登る際に用いられる。また、相手を取りおさえる際の捕り物道具としての使い道もある。(以上)