外国人(夷人)を実力行使で排斥しようというムーブメントに起源を持つ明治維新により生まれた明治政府は、明治改元に当たる1868年10月23日(明治元年旧9月8日)に成立。そして、その政府の責任で始めた戦争は1945年8月6日と8月9日の原子力爆弾投下により敗戦に追い込まれた。しかし敗戦を自ら決定できなかった政府は、戦争終結の責任を昭和天皇に丸投げ。これにより維新により生まれた政府は責任を取れずに約77年で幕を閉じた。先の大戦後70年の今年、宮内庁より玉音放送の原盤・音声がネットで公開。その無責任な政府の体質の起源は明治維新にありということでしょうか。

英国を代表する知性であった歴史家のA・J・P・テイラー(1906〜1990)はその著作「The War Lords」(H. Hamilton・1976)【藤崎利和訳『ウォー・ロード〜戦争の指導者たち』(新評論・ 1989年)】の最終第6章で、日本に関して「War Lords Anonymous」と題し、特定の人物が戦争主導の決定権と責任を持つことがなかった明治日本の無責任体制を喝破した。彼は本書の最後を次の言葉で締めくくっている。

But the Japanese learnt the lesson of the Second Warld War more than anyone else has done. Japan is the only great powerer which has steadfastly reffused to make or no possess nuclear weapons. In this the Japanese set an example to us all.(しかし、日本人は先の大戦の教訓を他の民族よりも学びました。日本は核兵器を造り所有することを断固として拒否した唯一の大国です。このように、日本人は世界の人々の模範となりました)

大歴史家のテイラーによりその役割を示唆された日本ではあったが、いつの間にか原爆製造能力を持つ原子力発電所を持ってしまった。この夏、日本の大氣には過去にないほどの水蒸氣が停滞し、熱帯化している。その因果関係にトリチウムを見出すことは困難かもしれない。しかしながら、危険を予感したら一目散に逃げるのが安全策。

私たちは、予感によって未来を制御してきた。
予感は己が体感を今感じること。
今の在り様が、未来を創る。

長崎の日に     感謝