お子を連れて国会を傍聴しようとした方がいた。残念ながら日本の国会内には託児所がなく、傍聴を諦めたという話を聞いた。日本の議会関係者も訪問する合衆国の上院と下院には、それぞれオンサイトの託児所があり議員・職員が有料で利用している。必要とあらば、議員会館などの部屋が授乳室として割り当てられる。アメリカンスタイルを追慕してきたもかかわらず、この点に関しては未開だ。傍聴者、国会議員とその秘書、職員、報道関係者などが利用可能なオンサイトの託児所設置が望まれる。

若手の国会議員が育児休暇を取ることが話題となっている。もちろん、彼ら国会議員は労働基準法の適用外だが、労働基準法で規定されている産前6週・産後8週の産休は認められるべきだと思う。参議院は2000年に橋本聖子議員の出産をきっかけに規則を改め、欠席を認める理由に「出産」を加えた。衆議院も2001年に導入。

議員は選挙によって民意を託された方々である。その彼らの欠席によって私たちの民意が歪(ゆが)られはしないのか。ここがイッシュ(争点)となって始めて、民主的な議論ができる。それは決められた手続きに従って議会が運営されているかどうか、という本質的な問題。例えば、産休・育休規定を設けずとも、議員代行・代理投票(表決権の委任)・ペアリングなどの制度を導入することで本質的な問題の解決が可能となる。ペアリングはイギリスとスウェーデンの議会にあるが、審議を公平に行うために議員が病欠で採決に参加できないときは、与野党間で話し合い同じ数だけ採決に参加しない制度。各議員が、反対の意見を持つ議員とあらかじめペアを組んで、片方が欠席する時には、他方も欠席するなどのルールを敷き、欠席による投票結果の誤差を修正することで民意を大切にする知恵といえる。

「国会議員の育児休暇」は民主的な議会運営をいかに補完するかということが本質的問題であり、権利の問題のみに矮小しない方が良いだろう。「男性の育児参加が進んでいない現状を変えたい」気持ちは理解できるが、選挙によって選ばれた自分は、育児休暇を取りながら、いかに託された民意を議会に反映させることができるのかを考えてもらいたいと思った。そう願っている。

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自民党若手議員が育児休暇の取得を検討
(NHK 12月22日 4時25分)
国会議員 育児休暇 自民党の若手議員が妻とともに子育てに取り組みたいとして、来年、子どもが生まれたあと、1か月から2か月程度、育児のための休暇を取ることを検討していることが分かりました。衆議院事務局は「男性議員が育児のため、一定期間続けて、国会を欠席した例は聞いたことがない」と話しています。
 この若手議員は、衆議院京都3区選出の自民党の宮崎謙介衆議院議員で、ことし2月、同じ自民党の金子恵美衆議院議員と結婚し、来年2月中旬に初めての子どもが生まれる予定です。
 宮崎議員は妻とともに子育てに取り組みたいとして、子どもが生まれたあと、1か月から2か月程度、育児のための休暇を取ることを検討しています。
 衆議院の規則では、出産の場合には自分で期間を決めて欠席できることになっていますが、育児休暇の定めはなく、宮崎議員は当面、本会議が開かれる日ごとに、議長に欠席届を提出して休暇を取りたいとしています。  衆議院事務局は、「男性議員が育児のために一定期間続けて、国会を欠席した例は聞いたことがない」と話しています。
 宮崎議員は子育て中のほかの自民党議員とともに、来月、勉強会を発足させ、育児のため一定の期間、国会を欠席できるよう、衆議院規則の改正を求めていく方針です
 宮崎議員は、「地元の有権者に怒られるのではないかとか、育児休暇の取得がマイナスに働くのではないかといった不安もあるが、国会議員が率先して取得することで、男性の育児参加が進んでいない現状を変えていきたい」と話しています。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151222/k10010348961000.html
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