30年以上の歴史に幕…ロンドン漱石記念館
(日テレNEWS24 2016年9月25日 07:43)
ロンドン漱石記念館 イギリスに留学していた文豪・夏目漱石の資料が展示されている「ロンドン漱石記念館」が今月末、30年以上の歴史に幕を閉じる。
 「ロンドン漱石記念館」は、1900年から2年間にわたりロンドンに留学していた、漱石の名前が記された当時の国勢調査のコピーなど貴重な資料が展示されている。漱石の研究家・恒松郁生崇城大学教授が私費を投じて1984年に開館したが、毎年の赤字で、漱石没後100年となる今年を区切りに28日で閉館するという。
 来館者「ロンドンの留学時の歴史が詳しく書いてあるので勉強になる。(閉館と聞いて)残念ですね」
 恒松教授の妻・芳子さん(56)「よく30年続いたなと。これも夏目漱石の知名度と根強い人気のおかげ」
 過去には、皇太子さまや海部俊樹元首相らも訪れた記念館の資料は、今後、一般向けに展示される博物館などで活用される見通しだという。

 恒松さんは現在、熊本市にある崇城(そうじょう)大学の教授をしているため、ロンドンで記念館を運営しているのは妻の芳子さん。資料や漱石の人生について、館長の恒松さんや芳子さんからお話が伺えるのが、ここを訪れる醍醐味であった。開館までの経緯等については、恒松さんの『こちらロンドン漱石記念館』(中公文庫)を紐解くに限る。
 また彼は画集『The Colour of London』(1907年)によって成功した画家・随筆家の牧野義雄(1870年1月26日〜1956年10月18日)の研究者にして発見者である。牧野は漱石と同時期に留学していた。1921年に訪英した昭和天皇(当時皇太子)に謁見。第二次世界大戦激化のため帰国した。英国時代に懇意となった重光葵の援助を受け、重光家と共に日光に疎開。そのご縁で油絵や鉛筆画が湯河原の重光葵記念館にも展示されている。

 ブルー・プラーク (blue plaque) は、英国国内に設置されている銘板。著名な人物がかつて住んだ家、もしくは歴史的な出来事があった場所に、建物の歴史的なつながりを伝えるために設置され、建物の外壁に掛けられている。その人物を褒め称えることが目的ではないようだ。大きさは直径48センチメートル(19インチ)。漱石はブルー・プラークを得た最初の日本人である(写真)。
ロンドン漱石記念館
開館時間(最終日):11:00〜17:00 (最終入場は16:30)
入館料:大人£4 / 学生£3(要学生証提示)
住所:80B The Chase, London SW4 0NG

参考:ロンドン漱石記念館