「公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」であることは知っておく意義がありそうだ。財務省近畿財務局は話題の森友学園側との2015年9月の交渉記録を廃棄したが、その理由を「軽微な文書(保存期間1年未満)」だからと釈明した。しかし、本件土地譲渡問題は会計検査の対象になっているのだから、財務省行政文書管理規則の15「予算及び決算に関する事項の⑵歳入及び歳出の決算報告書並びに国の債務に関する計算書の作製その他の決算に関する重要な経緯」の◆峅餬弩〆艮,膨鷭佶瑤倭付した計算書及び証拠書類」(26頁)にある通り、保存期間は5年であろう。残念ながら、本国会で「行政文書の保存期間」を争点にした討議が行われることはなかった。その原因は、文書廃棄を正当化する財務省の佐川宣寿理財局長を法律例をあげて反駁する国会議員がいなかったということ。国会議員は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の人的資源なのですから。よろしくお願いします!

しかしながら、朝堂院大覚氏のようにドーワ案件は書類を残さないことになっているという方もいらっしゃる。(詳しくは下のyoutubeでごらんください!)
公文書等の管理に関する法律 (平成二十一年七月一日法律第六十六号)
(目的)
第一条  この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。
第二章 行政文書の管理
    第一節 文書の作成

第四条  行政機関の職員は、第一条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について、文書を作成しなければならない。
一  法令の制定又は改廃及びその経緯
二  前号に定めるもののほか、閣議、関係行政機関の長で構成される会議又は省議(これらに準ずるものを含む。)の決定又は了解及びその経緯
三  複数の行政機関による申合せ又は他の行政機関若しくは地方公共団体に対して示す基準の設定及びその経緯
四  個人又は法人の権利義務の得喪及びその経緯
五  職員の人事に関する事項

行政文書の管理に関するガイドライン
平成23年4月 1日
内閣総理大臣決定
附 則(平成27年3月13日内閣総理大臣決定)
この決定は、平成27年4月1日から施行する。
(中略)
<保存期間基準>
法第4条において、「当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう」文書を作成しなければならないとされており、同条に基づき作成された行政文書について、適切な保存期間を設定する必要がある。このため、ガイドライン別表第1においては、法第4条の趣旨を踏まえ施行令別表に掲げられた行政文書の類型について、その業務の区分及び文書の具体例並びにこれに対応する保存期間を示している。例えば、「行政手続法第2条第3号の許認可等をするための決裁文書その他許認可等に至る過程が記録された文書」とは、許認可等の決定に至る過程を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、対応する業務の区分である「許認可等に関する重要な経緯」を記録した文書を指し、この保存期間について「許認可等の効力が消滅する日に係る特定日以後5年」としている。(19〜20頁)

交渉記録の保存期間 財務省「1年未満」、専門家は「5年」
(毎日 2017年3月20日)
 「記録は残っていません」。大阪市の学校法人「森友学園」が大阪府豊中市の国有地を安価で取得した問題で、土地を管理する財務省近畿財務局が学園側との2015年9月の交渉記録を廃棄していた。同省は保存期間「1年未満」の軽微な文書だと説明するが、土地譲渡問題は会計検査の対象にもなっている。公文書管理の専門家は「保存期間は最低でも5年のはずだ」と主張している。【青島顕】
 面談記録の存在は、先月24日の衆院予算委員会で明るみに出た。宮本岳志氏(共産)が独自調査の結果だとして、15年9月4日午前10時から正午にかけて近畿財務局9階で同局が森友学園側と売買価格の交渉をしたのではないかと質問した。
 これに対して、財務省の佐川宣寿理財局長は「そうした交渉記録については残っていない」と答弁した。佐川氏は、財務省行政文書管理規則に基づいて保存期間が「1年未満」と判断し、16年6月の売買契約締結で文書の保存期間が満了し、廃棄したと主張した。
 同省行政文書管理規則は国の行政文書管理ガイドラインに従って、保存期間を文書ごとに例示して表で示している。担当部課はこの表に従って、文書を作成する際に保存期間を1年、3年、5年、10年、30年の中から決めている。
 表には保存期間「1年未満」はなく、備考欄に「本表が適用されない行政文書については、文書管理者(課長など)は、本表の規定を参酌(参考に)し、当該文書管理者が所掌する事務及び事業の性質、内容等に応じた保存期間基準を定めるものとする」と書いてある。
 佐川局長の説明通りなら、森友学園側と面談した近畿財務局の担当課が、表に該当する文書ではないと判断して、「1年未満」と決めたということになる。
 一方、第三者で構成する政府の公文書管理委員を務める三宅弘弁護士は、財務省側の説明を批判する。
 行政文書ガイドラインやそれに基づく財務省行政文書管理規則は「歳入及び歳出の決算報告書並びにその作製の基礎となった意思決定及び(中略)過程が記録された文書」を保存期間5年とし、「会計検査院に提出又は送付した計算書及び証拠書類」を挙げている。
 三宅弁護士は「面談記録は土地売買契約の過程の記録であり、この『証拠書類』に該当する。保存期間は最低5年とされるべきだ。廃棄は行政文書ガイドラインと財務省行政文書管理規則違反だ」と指摘している。
 公文書管理法では、行政機関が文書を作成するとファイル管理簿と呼ばれるリストに載せる。廃棄する際は内閣府公文書管理課にリストを示して同意を得る必要がある。しかし保存期間1年未満の文書は、例外的に管理簿に載せる必要がなく、担当部課の判断で捨てることができる。

PKO日報も「軽微な文書」
 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊部隊の作成している「日報」も、保存期間1年未満の軽微な文書だとされていた。この文書を巡っては防衛省が「廃棄したので存在しない」と説明したが、統合幕僚監部のほか、陸自内にも電子データとして保管されていたことが明らかになった。
 昨年7月11、12日の日報には「戦闘」との表現があり、現地の実態を知るうえで重要な資料だと思われる。また陸自の内部資料「国際活動教育隊の教訓業務の流れ」によると、「PKO等教訓レポート」「派遣部隊の日報等」は「主要教訓資料源」と位置付けられている。
 なぜ日報が「軽微な文書」となるのか。陸自文書管理規則と、その細目を表で示した「陸自標準文書保存期間基準」を調べた。22ページにわたる保存期間基準の表は、具体的な文書ごとの保存期間を例示している。
 表では、30年は「陸自隊史」や「陸自隊報」が該当する。1年には「防衛力の在り方検討」や、「特殊作戦に関する文書」の「部隊運用」といったものも含まれる。例示されたほとんどの文書が保存期間満了後は「廃棄」されることになっている。
 表には「1年未満」の記述がなく、欄外の「備考」にこう書かれていた。「上記以外で、随時発生し、短期に目的を終えるもの及び1年以上の保存を要しないものの保存期間は、1年未満とすることができる」。これが「保存期間1年未満」の文書の根拠規定のようだ。
 一方で表には「国際協力に関する文書」という欄があり、「国際平和協力(PKO)業務」の保存期間は3年と規定する。
 小谷賢・日本大教授(インテリジェンス研究)は「『日報』の扱いが軽く見られていることに驚いた。日報に相当するものといえば戦前の『戦闘詳報』で、軍機(軍事機密)だった。日本軍の行動を跡づけて研究するときに必要なもので、たとえばミッドウェー海戦で日本軍がどう行動したかは、戦闘詳報を見ないと分からない」と話す。