昨日、引用したコリン・ルーサー・パウエル&トニー・コルツ共著『リーダーを目指す人の心得』(井口耕二訳・飛鳥新社・2012年)には、リーダーに求められる“自戒13カ条”がある。以下はその内容。なお、本書の原題は「IT WORKED FOR ME(私には、うまくいった)」である。

1.なにごとも思うほどに悪くない、翌朝には状況は改善しているはずだ。
2.まず怒れ、そのうえで怒りを乗り越えろ。
3.自分の人格と意見を混同してはならない。さもないと意見が却下されたときに、自分も地に落ちてしまう。
4.やればできる。
5.選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべき。
6.優れた決断を問題で曇らせてはいけない。
7.他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。
8.小さなことをチェックすべし。
9.功績は分け合う。
10.冷静であれ。親切であれ。
11.ビジョンを持て。一歩先を要求しろ。
12.恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。
13.楽観的であり続ければ力が倍増する。
リーダーを目指す人の心得2
 ライターのトニー・コルツ氏は、トム・クランシー氏と共著でフレッド・フランクス将軍、チャック・ホーナー将軍、カール・スタイナー将軍、アンソニー・ジニ将軍の回顧録を著す。

 世界の要人との秘密裏の連携や敵対する勢力に対峙する軍事オペレーションが淡々と記された本書で、パウエル氏は国連で「イラクに大量破壊兵器あり」との確証に基づかない演説をさせられたことを自らの経歴上の“汚点”として素直に認め、どうしてそうした事態になったのかも冷静に分析する。それはイラクに大量破壊があるという仮説を立証するデータのみに注目し、それがCIAの報告だからと(「シリアの毒ガス爆撃」という嘘に乗ってしまったトランプ大統領のように)データーの検証を怠ったことにある。戦争を欲する組織の自己保存に利用されたと語るが、多くの命を奪ったあの戦争の責任者の一人としての責任感に乏しい。原因は彼が楽観的であり、妙な力を倍増させているからだろう。タイトルで「For Me(私には)」と言っているのは、リーダーシップに画一的な正解があるわけではないということを示唆するのだろうが、彼が世渡り上手の強(したた)かなリーダーであることは間違いなさそうだ。

参照:孫正義 x コリン・パウエル対談講演、リーダーシップ論特別講義「Leadership: Taking Charge」(2014年6月18日) コリン・パウエル氏が、孫正義氏との対談に乗ったのはお金の為でしょうが、節操がありません。対談相手になることの意味を知る情報に距離を置かれたのかもしれません。退役陸軍大将にしては、intelligenceなさすぎかも。楽観的な人は考えることや行動することに根拠(情報)を必要とし客観(外側)から見極めるものですが、彼には「13.楽観的であり続けれる」ことができなかったようです。
パウエル氏:何度も聞かれたことありますが、特定の人の名前は言いません。4人の大統領に仕えましたが、何かいうと他の人がくもってしまいます。一番親しかったのはレーガン大統領です。
 当時、日本がペブルビーチを買いまくっているという話が話題になりました。日本の景気がよかった時ですね。議会でも問題になり大統領にそれを伝えると、レーガン大統領は「米国がいい土地だと思ってくれてるんだね」と言いました。日本が米国を買いあさっているのではなく、米国を投資先に思ってくれてるというのはいいことじゃないか、と言いました。これは思ってもみなかった反応です。どんなリーダーであれ、リーダーは常に目的意識、大義をもたねばなりません。

レーガン大統領は楽天家で、考えませんから、情報に右往左往することもありませんでした。これを「目的意識、大義」と見てしまうのは、ピンぼけな意見です。この対談講演は「IT WORKED FOR HIM(彼には、うまくいった)」。
President_Reagan_1981
Ronald Wilson Reagan
1911年2月6日 - 2004年6月5日
アメリカ合衆国第40代大統領
1981年1月20日 – 1989年1月20日


大きな春笑みの週末を。  感謝

流れのままに