今日は、11月22日で『いい夫婦の日』。
みなさん、優しく仲良くやっていらっしゃいますね。
天皇陛下の大御心(おおみこころ)が、大御宝(おおみたから)である私たち日本の民衆に日本列島(おおみからだ)が何たるかを知(治)らしめてくださる。
閑話休題(ソレハサテオキ)
東京地裁は21日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で19日に逮捕された日産自動車会長のカルロス・ゴーン氏(Carlos Ghosn:1954年3月生)と同社代表取締役・グレッグ・ケリー氏(Greg Kelly:1956年7月生)の勾留を認める決定をした。期間は30日まで。逮捕後に収容された東京・小菅の東京拘置所で引き続き勾留される。裁判所が延長を認めれば最長12月10日まで勾留可能。東京地検特捜部(前身はGHQ創設の「隠匿退蔵物資事件捜査部」)は、それまでに起訴の可否を判断する。
NATOの危険性を感じたドイツとフランスによる欧州軍の創設(=ドイツの核武装)、そして三菱モータース と三菱電機のチャイナ進出などを見ていくと、今後予見できるエマニュエル・マクロン大統領(Emmanuel Jean- Michel Frederic Macron:1977年12月生)の行動は日産と三菱モータースをフランスに所有させることだと見えてくる。加えて、三菱モータースの技術が「中国共産党の軍隊」といわれる中国人民解放軍へ流出する可能性も高まるだろう。これが合衆国の虎の尾を踏んだと思われる。出自が定かではないカルロス・ゴーン氏は、マクロン氏の罪を負って荒野に放たれたスケープゴート(scapegoat:贖罪(しょくざい)の山羊)の役割を果たした。「日産」(日本産業)の企業価値(Net Present Value)をフランスのルノーに持って行かれる直前で、日本と利害が一致する合衆国が救いの手を差し伸べたのかもしれない。
そうそう、ロシアとの親和関係も合衆国の国益にそぐわなかったようです。
(追記)
以下、https://www.fnn.jp/posts/00406028CXより転載。
ゴーン氏の弁護人を務めるのは、大鶴基成弁護士(1955年3月生)。フランス大使館の人選ミスだろう。彼は東京地方検察庁次席検事の時に、小沢一郎氏の陸山会事件で独善的な悪意ある指揮を執った人物。部下の田代政弘氏(1967年1月生)らと共謀し、虚偽の捜査報告書を検審に提出し、小沢氏の起訴相当議決をさせた。検察庁が原告そして被告側に検察庁OBが弁護人として付くという構図は過去にも見受けられる。
有価証券報告書の虚偽記載(金融商品取引法違反)は、投資家の判断に影響する悪質な犯罪。経営者に関する重要事実だから、上場企業に1億円以上の役員報酬の個別開示を義務付けている。1990年代末に倒産寸前の日産を立て直し、株主(投資家)に貢献した彼に欧米基準の報酬が支払われて何が問題なのだろうか。もはや日産は民族系ではなく、外資系なのだ。誰が、彼の高額役員報酬の隠匿を主導したかが争点となるだろう。今後ゴーン氏は強靭な弁護団を編成して、日本国の法律に限定することなく、各国の法律の枠組みを使って守勢に立つこともあるだろう。
ゴーン氏は日産の社長だった2009年2月から、国内工場などで働く8,000人以上の非正規労働者の大量解雇を強行した。働き盛りの20〜40代の労働者とその家族は生活の基盤を失った。彼らは、今回の事件を喜ばない。
ルノーは1999年に66億ユーロ(約6,000億円)分の日産株を買ったのだが、この投資金額は既に回収済みだろう。加えて、自動車産業後進国のフランスにはないテクノロジーを獲得し、日産の世界販売チャンネルも手に入れた。しかし、ルノーの経営陣・フランス国の議会そして日産の経営陣・日本国の議会は、日産から解雇された8,000人以上の非正規労働者とその家族を除外したままである。10年近く前の話だが、何とかできないものだろうか。
みなさん、優しく仲良くやっていらっしゃいますね。
天皇陛下の大御心(おおみこころ)が、大御宝(おおみたから)である私たち日本の民衆に日本列島(おおみからだ)が何たるかを知(治)らしめてくださる。
両陛下、4月に伊勢神宮へ=退位・即位の皇室行事決まる−宮内庁
(時事通信 2018年11月20日 18時36分)
宮内庁は20日、大礼委員会の第2回会合を開き、天皇陛下の退位と皇太子さまの即位に関する皇室行事の日程を決めた。江戸時代後期以来約200年ぶりとなる退位に関する皇室行事を新設。来年4月末に退位を控えた天皇陛下は皇后さまと同3月に神武天皇陵(奈良県)を、同4月に伊勢神宮(三重県)と昭和天皇陵(東京都)を参拝される。
新天皇即位後の来年11月14、15日に開かれる大嘗祭の招待者数は、936人だった前回から絞り約700人とする。大嘗祭後の「大饗の儀」は新天皇、皇后の負担を考慮し、同16、18日と1日空けて実施する。
大嘗祭で使う大嘗宮は皇居・東御苑の本丸地区に造営するが、二の丸、三の丸地区の一般公開は続ける。
宮内庁は前回1990年の即位に関する皇室行事などを参考に、退位に関する皇室行事を新設した。今回の日程には入らなかったが、両陛下は前四代天皇陵のうち、昭和を除く孝明、明治、大正の各天皇陵を退位後に参拝する。 【時事通信社】
即位祝宴、4回に削減=パレード新車、トヨタで調整−政府式典委
(時事 2018/11/20-17:30)
政府は20日、来春の皇位継承に関する式典委員会(委員長・安倍晋三首相)の第2回会合を首相官邸で開き、皇太子さまの新天皇即位を披露する祝宴「饗宴の儀」を2019年10月に計4回開くことを決めた。招待者は前回から800人絞り込み、回数も前回の7回から減らして簡素化する。新天皇が祝賀パレードで使用する自動車は、国産オープンカーを新規購入する。発注先はトヨタ自動車とする方向で調整に入った。
新天皇即位を公に示す「即位礼正殿の儀」(19年10月22日)の参列者数は、前回と同規模の2500人程度とした。政府は式典関連費用を19年度予算案に盛り込む。
饗宴の儀は19年10月22日と同25日に着席形式、同29、31両日に立食形式でそれぞれ開く。
平成の代替わりに伴う前回の饗宴の儀は、1990年11月に4日連続で計7回、全て着席形式で行われた。今回の参列者は即位礼正殿の儀の参列者2500人に、外国の駐日大使の配偶者ら約100人を加えるにとどめる。
閑話休題(ソレハサテオキ)
東京地裁は21日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で19日に逮捕された日産自動車会長のカルロス・ゴーン氏(Carlos Ghosn:1954年3月生)と同社代表取締役・グレッグ・ケリー氏(Greg Kelly:1956年7月生)の勾留を認める決定をした。期間は30日まで。逮捕後に収容された東京・小菅の東京拘置所で引き続き勾留される。裁判所が延長を認めれば最長12月10日まで勾留可能。東京地検特捜部(前身はGHQ創設の「隠匿退蔵物資事件捜査部」)は、それまでに起訴の可否を判断する。
NATOの危険性を感じたドイツとフランスによる欧州軍の創設(=ドイツの核武装)、そして三菱モータース と三菱電機のチャイナ進出などを見ていくと、今後予見できるエマニュエル・マクロン大統領(Emmanuel Jean- Michel Frederic Macron:1977年12月生)の行動は日産と三菱モータースをフランスに所有させることだと見えてくる。加えて、三菱モータースの技術が「中国共産党の軍隊」といわれる中国人民解放軍へ流出する可能性も高まるだろう。これが合衆国の虎の尾を踏んだと思われる。出自が定かではないカルロス・ゴーン氏は、マクロン氏の罪を負って荒野に放たれたスケープゴート(scapegoat:贖罪(しょくざい)の山羊)の役割を果たした。「日産」(日本産業)の企業価値(Net Present Value)をフランスのルノーに持って行かれる直前で、日本と利害が一致する合衆国が救いの手を差し伸べたのかもしれない。
「欧州軍」創設、メルケル独首相も同調
(afp 2018年11月14日 12:32発信地:ストラスブール/フランス)
【11月14日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は13日、欧州議会(European Parliament)で演説し、「私たちはいつの日か、真の欧州軍を創設するという構想に取り組まなくてはならない」と訴えた。米国に頼らない欧州軍をめぐっては、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が創設を提唱したことにドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が反発。メルケル氏はマクロン氏に同調し、トランプの批判に反論した形だ。
メルケル氏は演説の中で、欧州の将来のあり方について自身の見解を披露。欧州軍の構想については、北大西洋条約機構(NATO)の下での欧州と米国の協力と両立できるとの認識を示しながらも「欧州を守るには欧州自体が強くなるしかない」と強調した。
また、欧州の防衛・安全保障政策の中核を担う機関として、昨年提案した「欧州安全保障理事会(European Security Council)」の設立も改めて呼び掛けた。各国が交代で議長国を担当する仕組みとしている。
トランプ大統領はマクロン氏による欧州軍創設案を「非常に侮辱的」と批判。13日にもツイッター(Twitter)で「フランスのためになるのか」などと再びこき下ろした。
米政府は欧州軍によりNATOの結束が薄れかねないと懸念している。(c)AFP/Marie JULIEN
中国でエンジン現地生産開始及び研究開発拠点の拡大
(三菱モータース 2018年10月16日)
三菱自動車は16日、広州汽車集団、三菱商事、三菱自動車による車両生産・販売合弁会社である広汽三菱汽車有限公司(以下、広汽三菱)が、湖南省・長沙市の新エンジン工場で4B4エンジンと4J1エンジンの生産を開始したほか、2020年に完成予定の研究開発センターの起工式を執り行ったことを発表しました。
年間生産能力20万基(標準稼働ベース)を有する新エンジン工場では、中国で発売する新型SUV『エクリプス クロス』に搭載する、環境性能の高い1.5Lダウンサイジング直噴ガソリンターボエンジン(4B4エンジン)を、日本以外の国で初めて生産します。さらに現地生産を行っているSUV『アウトランダー』に搭載する4J1エンジンも国産化します。
三菱自動車は世界最大の市場である中国においてエンジンを国産化することでコスト競争力を高めると共に、更なる市場競争力の強化を図ります。新工場では従業員の新規雇用のほか、部品の現地調達などに伴う現地部品メーカーへの経済波及効果も見込まれます。
三菱自動車は現地の販売網・販売力の強化に取り組みながら当社のSUVブランドを強化するため、『エクリプス クロス』を今秋に市場投入し商品ラインナップの拡充を図ります。また、競争激化並びに環境規制が厳しくなる中国において、テストコースを含む敷地面積41ヘクタールを有する新設研究開発センターへ移転拡大することを長沙市と合意しました。開発面においても現地の市場ニーズに合った技術開発機能を強化し、中国事業を拡大してまいります。
【 広汽三菱汽車有限公司の概要 】 2018年9月末現在
設立/営業開始 : 2012年9月25日
所在地 : 中国 湖南省 長沙市
資本金 : 19.47億元 (広州汽車:50%、三菱自動車:30%、三菱商事:20%)
主要役員 : 董事長 (会長) 陳 茂善
総経理 (社長) 葛城 慎輔
車体工場生産能力 : 27万台/年
エンジン工場生産能力 : 20万基/年
敷地面積 : 101ヘクタール
従業員数 : 約4,100名
販売会社数 : 331社
生産車種 : 三菱自動車ブランド 『ASX(日本名:RVR)』、『アウトランダー』
広州汽車ブランド 『祺智(チーツー)』、『祺智EV』
中国・機械工業儀器儀表綜合技術経済研究所と戦略的パートナーシップを締結
e-F@ctoryにより、「中国製造2025」の実現に貢献
(三菱電機 2018年7月6日FA No.1811)
三菱電機株式会社は、中国の当社グループ会社の三菱電機(中国)有限公司と三菱電機自動化(中国)有限公司が、中国政府直轄の研究所である機械工業儀器儀表綜合技術経済研究所(北京市、以下ITEI※1)と、「中国製造2025」の実現に向けた協力関係を強化するため、智能製造の標準化推進に関する戦略的パートナーシップを7月9日に締結しますのでお知らせします。なお、同日、ITEIでパートナーシップ締結の調印式を行います。
※1 Instrumentation Technology and Economy Institute, P.R. CHINA
戦略的パートナーシップ締結の狙いと今後の展開
中国政府は、2015年に製造強国を目指すロードマップ「中国製造2025」を公布し、その中の一つの具体的施策として「2015年智能製造特別プロジェクト」を発表しました。ITEIが同プロジェクトを推進する中、当社グループはITEI内にe-F@ctory※2コンセプトに基づいた智能製造モデルラインを2017年に構築し、中国政府関係者や中国企業などに視察いただいています。
今回、「中国製造2025」の実現に向けた協力関係をさらに強化するため、智能製造の標準化推進に関する戦略的パートナーシップを締結します。
今後は、引き続き当社の最新の製品や技術を提供することで、同モデルラインにてエッジコンピューティング・AI(人工知能)など先端技術の智能製造への適用を共同で検証するとともに、標準化を進め、中国の製造業の智能化拡大を支援します。
※2 FA技術とIT技術を活用し、開発・生産・保守の全般にわたるトータルコストを削減するFA統合ソリューション
ITEI智能製造モデルラインの概要
所在地: 北京市亦庄経済開発区涼水河二街8号、大族企業湾14号棟
展示内容: 来場者記念品(フォトフレーム)を製造する加工・組立・物流の完全自動化ライン
・来場者の入力仕様に基づいて、自動でフォトフレームを製造
・異なる製品を同一ラインで製造する変種変量生産(マス・カスタマイゼーション)や各工程の生産履歴を自動で記録するトレーサビリティーシステムを搭載
三菱電機、見えない「日産・三菱自連合」の損得勘定
2020年度に向け戦略説明会
(日経 2016/5/23 16:12)
三菱電機は23日、2020年度(2021年3月期)に向けた経営戦略の説明会を開いた。「堅い会社」と知られる企業らしく、これからも堅実路線で成長を目指すが、読み切れない事態が起きている。自動車機器の主要顧客でもある三菱自動車が日産自動車の傘下に入る影響だ。
「新しいアライアンスがどういう調達方針をとるかわからないので、コメントのしようがない」
三菱電機の柵山正樹社長が23日の説明会の席上で語った「アライアンス」とは、三菱電機自身の提携戦略の話ではない。同じ三菱グループで、自動車機器事業の主要顧客でもある三菱自動車と日産自動車の提携である。
三菱自動車は三菱電機の自動車機器事業の主要顧客の1社だ。しかし、三菱自動車は燃費データの不正問題が発覚してからというもの、問題となった軽自動車の生産を停止している。今期は機器を提供する三菱電機も影響を免れず、足元では業績を圧迫するに違いない。
ただ、中長期でみればプラスに働く可能性もある。日産・三菱自動車連合が誕生すれば、三菱自動車とのつながりを通じて三菱電機も対日産へのシェアを高められる可能性が生まれるからだ。
一方、三菱自動車の再建で主導権を握る日産は日立製作所との関係が深く、多くの自動車部品の提供を受けている。逆に、日産・三菱自動車連合が「日立シフト」に動けば、三菱電機にとってはおもしろい話ではない。いまのところ、日産・三菱自動車連合誕生による損得勘定は読み切れない。
三菱電機は23日の経営戦略説明会で、遅くとも2021年3月期には売上高営業利益率を今期見通しの6.1%から8%以上に引き上げる方針を改めて示した。足元では円高や中国経済の減速が業績を押し下げるが、2014年に示した中期目標を変えなかった。
この目標を達成するには、自動車機器事業がけん引することが不可欠だ。もちろん、日産・三菱自動車連合の誕生の影響は織り込まれていない。コストに厳しい日産のカルロス・ゴーン社長の目にかなう品質と価格で機器を提供できれば、三菱電機にとっては大きな好機になるはずだ。(相模真記)
そうそう、ロシアとの親和関係も合衆国の国益にそぐわなかったようです。
ロシア経済にも日ロ協業にも影を落とすカルロス・ゴーン逮捕
(auヘッドライン 11/21 17:30)
ロシアのペテルブルグに設立された日産工場のオープニングセレモニーで、ロシアのプーチン首相(当時)と握手するゴーン容疑者(左)=ロイター
ルノー=日産アライアンスのロシアビジネス
11月19日に日産自動車のカルロス・ゴーン会長が逮捕されるという衝撃の出来事がありました。ルノー=日産=三菱アライアンスの今後のあり方は、ロシア経済、そして日ロ経済関係にもじわりと影響することになるはずですので、この問題を取り上げてみたいと思います。
2000年代にロシアで外国車の販売ブームが起きると、外資系メーカーは相次いでロシアでの現地生産に踏み切りました。ルノーはモスクワ市の工場で2005年から本格的な生産に着手し、日産はサンクトペテルブルグに完成した自社工場で2009年から生産を開始しました。日産のペテルブルグ工場は、アライアンスとしての戦略というよりも、日産独自の決定という色彩が濃かったように思います。
その一方でルノーは、「ラーダ」ブランドで知られるロシア地場自動車メーカーのAvtoVAZ(アフトワズ)に触手を伸ばしました。衰退の続くロシアの地場自動車産業にあって、AvtoVAZは最後の砦とも言うべき存在でした。そのAvtoVAZの株式の25%を、ルノーは2008年に購入したのです。
さらに、2012年には、ここに日産も加わって、ルノー=日産アライアンスがAvtoVAZを事実上買収することになりました。AvtoVAZの株の74.5%を保有するAlliance Rostec Autoという合弁企業が設立され、アライアンス側がその67.1%を引き受けて(うち日産が17.0%)、残りの32.9%をロシア側のロステク社が保持するというものでした(取引が完了したのはしばらく後であり、また出資比率はその後微妙に変わった)。
かくして、ルノー=日産アライアンスは、ロシアではルノー=日産=AvtoVAZアライアンスになりました。AvtoVAZは品質や商品ラインナップでは見劣りするメーカーであり、何ゆえにルノー=日産側はその買収に踏み切ったのでしょうか? ずばり言えば、AvtoVAZがロシア市場で握っているシェアが魅力だったからでしょう。斜陽化しているとはいえ、低価格を武器に、AvtoVAZはいまだにロシア市場でトップの販売台数を誇っています。
AvtoVAZを加えたことで(2016年には三菱自動車も加わった)、下の図に見るとおり、アライアンスは現在、ロシア市場で3分の1強のシェアを確保しています。少なくとも規模の面では、AvtoVAZ買収の効果は絶大だったことが分かります。ルノーの新興国戦略は、プラットフォームを共通化した低価格車を大量生産・大量販売することにあると考えられ、「規模」という魅力を持つAvtoVAZの買収はその戦略に適ったものだったのでしょう。
ロシア最大の企業城下町に乗り込む
ルノー=日産アライアンスのパートナーになったロステク社というのは、ロシアの国営機械メーカー・軍需企業を束ねる国策会社です。そのロステクと手を組むというのは、ロシアの産業政策に全面的にコミットすることを意味します。ちなみに、ロステクのチェメゾフ社長はプーチン氏の旧友として知られています。
さらに言えば、2008年のリーマンショックでダメージを受けたロシアでは、一連の企業城下町において経済・社会情勢が不安定化し、不穏な空気が漂っていました。実は、AvtoVAZの工場のあるサマラ州トリヤッチ市は、ロシア最大の企業城下町であり、トリヤッチ救済はロシアにとって喫緊の課題になっていました。その企業の経営を引き受けるということは、外国企業による単なる現地生産プロジェクトを超えた、遠大なミッションです。
このような思い切った投資は、やはりカルロス・ゴーン氏という大胆不敵な経営者が主導したからこそ、実現したと言えます。ゴーン氏は2013年から2016年にかけてAvtoVAZの会長も兼務しました。ゴーン氏は、ここロシアの地でも得意のコストカットを断行し、「ゴーンはあのAvtoVAZすらも変えた」と言われたものです。
2018年8月のモスクワ・モーターショーにおけるAvtoVAZの展示(撮影:服部倫卓、以下同様)
日産も、ルノーの戦略に合わせて、新たな形態の現地生産に踏み切りました。上述のように、日産にはサンクトペテルブルグの自社工場があるのですが、新型セダンのアルメーラをAvtoVAZで生産することになったのです。新アルメーラは、ルノー=日産アライアンス共通のB0プラットフォームを採用しつつ、ロシアの道路および気候条件を考慮して特別に開発されたモデルとされていました。2012年のモスクワ・モーターショーにおいて、鳴り物入りで発表されました。
AvtoVAZでのアルメーラ生産立ち上げに向けて、最盛期には数百人の日本人技術者がトリヤッチに乗り込んで作業に当たったと聞いています。その努力が実り、2012年12月にアルメーラの生産開始にこぎ着けた時の様子は、報道で目にして、個人的に強く印象に残っています。万歳三唱を唱える日本人技術者たちの表情は、達成感と安堵感に溢れていました。すでにサンクトペテルブルグで自社工場を建設した実績のある日産でしたが、ロシア地場自動車産業の牙城たるトリヤッチに乗り込んでの生産立ち上げには、また違った苦労があったのでしょう。
2012年に発表された日産アルメーラ
すでに始まっている退却戦
しかし、「ロシアにおける国民車」の座を狙っているとも言われたアルメーラですが、結論から言うとロシア市場に充分に浸透するには至りませんでした。ライバルの韓国車に比べ、コストパフォーマンスで劣るという評価を市場から下されてしまったようで、販売不振が続きました。日産はこの10月17日、ついにAvtoVAZでのアルメーラの生産を打ち切りました。
ちなみに、ルノー=日産アライアンスの新興国戦略の一環として、かつて存在した日産のブランド「ダットサン」が2013年に復活し、ロシアでもAvtoVAZでダットサン・ブランドの廉価車が生産されています。ただ、AvtoVAZの独自ブランドであるラーダとの棲み分けが上手く行っておらず、こちらの方も先行きが不透明になっています。
また、上述のとおり、日産はルノーとともに、AvtoVAZを保有するAlliance Rostec Autoに出資していましたけれど、2017年9月に日産はこの時点での持ち株9.15%をルノーに売却し、日産とAvtoVAZの直接的な資本関係はなくなりました。
おそらく、日産は今後、AvtoVAZ等のロシア地場工場での生産からはフェードアウトし、サンクトペテルブルグの自社工場をより一層重視するようになるのではないでしょうか。ペテルブルグ工場で生産されているのは、アルメーラのような大衆車ではなく、利幅の大きいSUVです。
このように、日産がルノーのロシア戦略とは距離を置き、独自色を強める傾向は、ここ1年ほど目立ってきたのですけれど、今回のゴーン氏の逮捕で、それがより一層進むかもしれません。ただ、日産という会社の利益にとっては、悪いことではないような気がします。ここ数年のロシアでは、日産と言えば低価格車というイメージが定着し、ブランド価値が下がってしまったきらいもあるからです。今後はSUVを軸に、そのあたりを立て直していくことになるでしょう(むろん、ロシアのSUV販売市場もまた厳しく、それとて茨の道ですが)。
良しくも悪しくも、ゴーン氏の進めたロシアビジネスは、日系企業のやり方とはかなり違うものでした。日産にしても、ゴーン氏に強く背中を押されなければ、AvtoVAZに乗り込んで、そこで戦略的製品を生産するようなことは、決してなかったでしょう。ゴーン氏の剛腕により、期せずして、最も本格的な日ロ産業協力プロジェクトが誕生しました。しかし、その製品は思うようにロシア市場に受け入れられずに生産が打ち切られ、その矢先に起きたのが今回のゴーン氏逮捕事件だったのです。
ロシア最大の企業城下町、トリヤッチのAvtoVAZ社
(追記)
以下、https://www.fnn.jp/posts/00406028CXより転載。
(前略)
日産やゴーン容疑者を20年にわたり取材している井上久男氏は、「元々ゴーン容疑者の考え方は、(経営統合ではなく)同盟という考え方で、人材や技術を持ち寄って、競争力の強い同盟関係を築くのが提携の狙いだった。でもフランス政府は、今の状態だと、いずれ日産はルノーから逃げていくのではないかと見ていた」と話した。
井上氏によると、経営統合には否定的だったというゴーン容疑者。
それが、なぜ。
井上氏は「ゴーン容疑者のルノーCEO(最高経営責任者)の任期が、2018年2月で終わるはずだった。再任はないだろうと言われていた。その時に、フランスのマクロン大統領が、ゴーン容疑者に再任する条件として、日産とルノーの関係を不可逆的なものに(経営統合)すること(を示した)。(ゴーン容疑者は)ルノーのCEOとして残りたかったので、フランス政府が示した条件をのんだとわたしは見ている」と話した。
20日、フランスの駐日大使が東京拘置所を訪れ、ゴーン容疑者と面会。
ゴーン容疑者が大使との面会を求めたということだが、具体的なやり取りの内容についてはわかっていない。(後略)
ゴーン氏の弁護人を務めるのは、大鶴基成弁護士(1955年3月生)。フランス大使館の人選ミスだろう。彼は東京地方検察庁次席検事の時に、小沢一郎氏の陸山会事件で独善的な悪意ある指揮を執った人物。部下の田代政弘氏(1967年1月生)らと共謀し、虚偽の捜査報告書を検審に提出し、小沢氏の起訴相当議決をさせた。検察庁が原告そして被告側に検察庁OBが弁護人として付くという構図は過去にも見受けられる。
有価証券報告書の虚偽記載(金融商品取引法違反)は、投資家の判断に影響する悪質な犯罪。経営者に関する重要事実だから、上場企業に1億円以上の役員報酬の個別開示を義務付けている。1990年代末に倒産寸前の日産を立て直し、株主(投資家)に貢献した彼に欧米基準の報酬が支払われて何が問題なのだろうか。もはや日産は民族系ではなく、外資系なのだ。誰が、彼の高額役員報酬の隠匿を主導したかが争点となるだろう。今後ゴーン氏は強靭な弁護団を編成して、日本国の法律に限定することなく、各国の法律の枠組みを使って守勢に立つこともあるだろう。
ゴーン氏は日産の社長だった2009年2月から、国内工場などで働く8,000人以上の非正規労働者の大量解雇を強行した。働き盛りの20〜40代の労働者とその家族は生活の基盤を失った。彼らは、今回の事件を喜ばない。
ルノーは1999年に66億ユーロ(約6,000億円)分の日産株を買ったのだが、この投資金額は既に回収済みだろう。加えて、自動車産業後進国のフランスにはないテクノロジーを獲得し、日産の世界販売チャンネルも手に入れた。しかし、ルノーの経営陣・フランス国の議会そして日産の経営陣・日本国の議会は、日産から解雇された8,000人以上の非正規労働者とその家族を除外したままである。10年近く前の話だが、何とかできないものだろうか。
(以上)
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