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テニス全豪オープン 車いす女子決勝 上地は2年ぶり優勝ならず
(NHK 2019年1月26日 14時25分)
テニスの四大大会、全豪オープン車いすの部は、女子シングルスの決勝が行われ、上地結衣選手はオランダの選手に敗れ、2年ぶりの優勝はなりませんでした。
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車いすテニスの女子シングルスで、世界ランキング2位の上地選手は、全豪オープンの決勝に3年連続で進み、世界ランキング1位のオランダのディーデ・デフロート選手と対戦しました。

上地選手はパワーを持ち味とするデフロート選手を崩すことができず、第1セットを0ー6、第2セットを2−6で失い、セットカウント0対2のストレートで敗れ、2年ぶりの優勝はなりませんでした。

上地選手は去年、四大大会のうち、3つの大会で決勝に進み、すべてデフロート選手と対戦し、全仏オープンでは優勝したものの、全豪オープンと全米オープンは敗れました。

上地選手にとって、デフロート選手の攻略が、来年に控える東京パラリンピックの金メダル獲得に向け、大きなカギとなりそうです。

一方、男子シングルス、世界ランキング1位の国枝慎吾選手は、24日の準決勝で敗れ2連覇を逃しました。


閑話休題(ソレハサテオキ)

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テニス 大坂なおみ 粘りと勝負強さ光る
(NHK 2019年1月28日 1時22分)
テニスの四大大会、全豪オープンで大坂なおみ選手は初めての優勝を果たし、大会後の世界ランキングで、男女を通じてアジアで初めてシングルスで1位となることが確定しました。高速サーブや力強いストロークが印象的な21歳を全豪オープン優勝に導いたものは、貪欲に進化を求め、手に入れた粘りと勝負強さでした。

大坂選手のテニスは、昨シーズン、それまでと大きく変わりました。

力強いサーブやショットに頼ったパワーテニスから、ラリーを続けて攻撃のチャンスを待つ「我慢のテニス」を身につけて、全米オープンで日本テニス界初めてとなる四大大会のシングルス優勝という快挙を成し遂げました。

その後、シーズンオフに入った大坂選手はさらに粘り強いプレーを求め、ラケットを握る時間を減らしてジムで過ごす時間を増やすなど、下半身の強化に多くの時間を割きました。

午前6時すぎから3キロから5キロの早朝ランニングに取り組んだほか、下半身の筋力アップに力を入れ、「レッグプレス」と呼ばれる特殊な器具を使ったトレーニングでは、300キロを超えるおもりを両足の力で押し上げられるようになりました。

そして、臨んだ今シーズン最初の四大大会、全豪オープン。ともに強打が持ち味の準決勝で対戦したカロリーナ・プリシュコバ選手、決勝の相手、ペトラ・クビトバ選手の力強いストロークで大きく左右に振られた場面でも、鍛えた下半身がぶれることはなく、大坂選手は粘り強く食い下がってポイントを重ねました。

今大会、大坂選手のラリーでの勝率は去年と比べて大幅に上がり、5本以上のラリーでの勝率は、1試合平均で去年の32%から54%へと大きく向上しました。

そして、ラリーで相手を上回ったことは、大坂選手の精神面にもプラスの影響を及ぼしました。

大坂選手は優勝の要因の1つとしてストローク戦で相手を上回れたことを挙げ、それがプレーの自信につながり、これまでは精神的に崩れてしまうような局面でも踏みとどまれるメンタルの安定にもつながったと振り返っています。

さらに、進化を見せたのは得意のサーブです。サーブは、オフの期間に技術面でただ1つ変化を加えたもので、トスを上げる際に左手を下から弧を描くように上げるフォームから、安定性を高めるためまっすぐ上げるフォームに変えたほか、コースや球種のバリエーションを増やす練習に取り組みました。

そして、今大会は勝負どころで、そのサーブの強さが光りました。

大坂選手が自身のサービスゲームで相手にブレークポイントを握られた場面でのファーストサーブの成功率は、去年の大会の平均46%から57%へと向上しています。決勝でも、ブレークポイントまであと1ポイントとなった場面で、自身大会最速の時速192キロのサーブでサービスエースを奪う勝負どころでの強さを見せて試合の流れを引き寄せました。

さらに、ファーストサーブが入らなかった場合でも、練習してきたセカンドサーブのコースや球種の工夫が効果を発揮しました。大坂選手がセカンドサーブを軸にポイントを奪った割合は、平均で去年の42%から今大会は49%に上昇。決勝でもブレークポイントを握られた場面で、縦回転をかけた高く跳ねるセカンドサーブでピンチをしのぎました。

サーシャ・バジンコーチが「成功をつかんでも満足しない貪欲さが強み」と評価する大坂選手。全豪オープン優勝後に新たな目標として掲げたのは、四大大会第2戦、赤土のクレーコートで行われる「全仏オープンの優勝」です。

シーズン最初の四大大会でこれまでのトレーニングに確かな手応えをつかんだ大坂選手が、全仏オープンでどのような戦いを見せてくれるのか期待が高まります。


大きな笑顔の佳き一週間を。


(追記)
パイオニア上場廃止へ 臨時総会、ファンド傘下で再建目指す
(日本経済新聞 夕刊2019/1/25付)
 パイオニアは25日午前、アジア企業に出資するファンドのベアリング・プライベート・エクイティ・アジアの出資受け入れを問う臨時株主総会を開いた。総会で出資受け入れが決まれば、パイオニアはベアリングの完全子会社となり上場廃止となる見通し。パイオニアはカーエレクトロニクス事業で開発費の増加などから経営危機に陥り、出資先を募っていた。(関連記事総合面に)
 総会ではベアリングによる520億円の第三者割当増資による出資のほか、すでにベアリングが融資している250億円の債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)などを諮る。
 パイオニアはカーナビゲーションシステムなどのカーエレクトロニクス事業に特化してきた。しかし、自動車メーカー向けの製品での開発費増加を受け、事業の採算が悪化。単独での経営再建が困難となり、スポンサーを探していた。
 ベアリングによる完全子会社化にあたっては、既存株主に対し1株あたり66.1円を支払うとしている。

パイオニアが経営悪化した理由は? 香港ファンドが500〜600億円を出資して筆頭株主に
カーナビ専業で生き残りをかけるも裏目に

(安藤健二 Huffington Post 2018年09月12日 13時43分 JST | 更新 2018年09月12日 13時43分 JST )
(前略)
■カーナビ専業にシフトするも裏目に
 1980年代にはオーディオ部門が低迷したため、国内では「カロッツェリア」のブランド名を使ってカーナビ事業に参入。高品質の映像と音を記録できるレーザーディスクや、大型のプラズマテレビに注力した。
 しかし、レーザーディスクは通信式カラオケの台頭で減速。プラズマテレビも大型液晶の普及で売上げが伸び悩んだ。家庭用オーディオも携帯型の音楽プレーヤー登場で存在感が低下した。
 こうした中で、パイオニアは2010年にテレビ事業から撤退した。世界シェア1位だったDJ機器事業も、2014年にアメリカのファンドに売却。創業から手がけるオーディオ事業も売却して、2015年に音響機器メーカーのオンキヨーと経営統合された。
 これらは、全て経営資源をカーナビ事業に集中させる戦略だったが裏目に出ることになった。
 ニュースイッチによると、GPSを搭載したスマートフォンの普及で、車に後付けする市販向けのカーナビ需要が減少傾向になった。
 その上、自動車メーカー各社もスマートフォンとカーナビの連携機能といったコネクテッド機能の採用で車の付加価値を高める戦略にかじを切った。パイオニアは度重なる仕様変更への対応に追われることになり、小谷進会長によると「莫大な開発費を費やさざるを得なくなった」という。(後略)

Raynor Michael E. The Strategy Paradox. Crown Business, 2007.(『戦略のパラドックス』翔泳社)で言及されていたのは、「選択と集中(Concentration in Core Competence)」よろしく特定分野に特化した企業は収益性が高いと言われるが「生存バイアス(Survivorship Bias:生存者偏向)」によるものだということです。つまり、サヴァイヴァーである成功企業のみがフォーカスされているに過ぎないのです。企業経営の調査研究は、マーケットから退場した企業を対象にしないものです。集中特化によって成功した企業がある一方で、多くの運営が成り立たなくなった企業があるはずです。しかしながら、経営破綻してしまった企業は調査対象から捨象されます。結果、特定分野に特化して生存した企業のデータのみが収集されるのです。パイオニアは目先の利益(今売れているもの)に魔釣られて調和を失い、カーナビ事業に特化したことで、Core Competence(競合他社に真似できない核となる能力)があった既存のResearch & Development (研究開発)を捨象(リストラ)してしまったのでした。研究開発部門の人財に対するLove & Harmonyを企業価値として認めることができなくなってしまった日本メーカー崩壊・消滅の縮図です。本当に、もったいない。(以上)