2001年9月11日に発生した合衆国同時多発テロ事件の標的となったワールドトレードセンターには東京銀行があり、ニューヨーク大学の後輩のU氏はそこで働いていた。当日彼は無事避難できたが、複数名の上司・同僚が帰らぬ人となった。その後、一人食事をしている時や寝床に就くときになると、彼らの笑顔が目に浮かんでは消えた。食べることができない、眠れない日々が続いたのだ。事件から2年後、日本のテレビ局から回想番組を作りたいので匿名で当時のことを話してほしいとオファーがあった。やっと食事ができて、安眠を手したというのに、彼は再び上司・同僚のことを想いださざるを得なかった。テレビ局のインタヴューに応えるべきか否か彼は悩んだ。「僕は、どうしたらいいですか」と電話で相談を受けたので、「悩むということは、あなたの本心が嫌がっているのだから、インタヴューは断った方が良いでしょう」と伝えた。自然(じねん)、彼は胆識を以ってオファーを断った。後日、「断って、良かったです。氣持ちが楽になりました。ありがとうございます」と報せがあった。めでたし、めでたし。
被災地はストーリーの素材じゃない。東日本大震災の報道に、蒲鉾本舗高政が苦言を呈す理由
宮城県女川町の老舗かまぼこ店。「作られたストーリーを演じる人を探している」と指摘
(小笠原遥 Haruka Ogasawara @The Huffington Post Japan
2019年03月11日 15時50分 JST | 更新 2019年03月11日 18時35分 JST )
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時事通信社@東日本大震災の津波で、根元からなぎ倒された状態のまま、震災遺構として保存されている宮城県警の旧女川交番=2017年9月1日、宮城県女川町

 宮城県女川町にある老舗かまぼこ店「蒲鉾本舗 高政」が3月9日、公式Twitterで震災報道の過剰な演出に苦言を呈した。マスコミの取材手法について「勝手な構成にしないでね」として、「たくさん取材依頼が来るが、今年は8割以上お断りした」と綴った。
 この投稿は11日午後3時現在で1万3000回以上もリツイートされている。
3.11に向けて毎年2-3月はたくさん取材依頼が来るが、今年は8割以上お断りした。
まだまだ道半ば系、震災を忘れないで系、困ってます系、こんなはずでは系。
「女川で私はそう思って無いです。取材受けてもいいけど、勝手な構成にしないでね。ナレーションでどうにかするのも無」
大体いなくなる(・ε・
— 蒲鉾本舗高政 (@takamasa_net) March 9, 2019

それと、局の報道部じゃなく外注に多いかなあ。
「親が死んでいてこういうことやっている女子高生(女子中学生)いませんか?」
「3.11関連なんですが、何かネタ無いですか?」
てのも無くならない。

知っててもあなたに教えるわけないじゃない( ͡° ͜ʖ ͡°)
— 蒲鉾本舗高政 (@takamasa_net) March 9, 2019

私が取材を受けて震災で亡くなった祖父に仏壇で線香をあげるシーンも、朝の日課の時間とかではなく、頼まれて
「ではーカメラ回すんでー線香あげてくださーい」
でした。
やったけどさ、なんかねえ(・A・)
今放送されている人達もそうなのかと思うと、身につまされる。
普段の姿を演出。僕らは素材。 https://t.co/ImPxgiPhUx
— 蒲鉾本舗高政 (@takamasa_net) March 9, 2019

 どんな思いで、このツイートを発信したのか。
 株式会社 高政の代表取締役社長・高橋正樹さんにインタビューした。

━━今年から取材を8割以上お断りしたとありました。その理由を教えてください。
 Twitterにも書いたんですが、「3.11」に向けて毎年多くの取材を受けてきました。数にすると、8年で500回以上受けてきた。
 その中で、取材の趣旨が年々『本質とズレてきている』と感じるようになったんです。

━━高橋さんが思う本質って、どういうことですか?
 なんだか最近の報道って、「とりあえず忘れない」「とりあえず風化させない」になっていませんか?と思うんです。
 忘れないことが『目的』になってしまっている。
 「忘れない」というのはあくまで前提であって、その上でなにをしていけるかが重要なはずです。なのに、報道する側は忘れないためにストーリーを作ってしまう。
 あの震災で多くの人の命が失われたということを忘れない事だけが、伝え続けることの本質だと思うんです。

━━報道する側の演出面に言及していました。具体的に何を感じていますか?
  『被災地の素材化』が著しいなと感じます。
 震災直後は、伝えるべき内容が沢山あったのでしょう。
 しかし震災から2年を過ぎた頃から、テレビ局さんの取材を受ける度に「悲しい話を探している」「ネタ探しが大変なのかな」と思うことが増えていきました。
 宮城県の女川町は、他の被災地と比べると比較的復興は進んでいる町なんです。
 それでも、震災から何年というタイミングの直前にこの町に来て、無理やりネガティブな物語を探そうとするメディアもある。「作られたストーリーを演じる人を探している」といった感じで。
 一部の発言だけを切り取って演出されたり、正直、失礼な取材がたくさんありました。
 地元の放送局などはまだ伝えきれていない側面を継続的に取材しているメディアもあって感謝しています。  全てのメディアが当てはまるわけではないんです。
 ただ、「僕らは(ストーリーを演じる)素材じゃないんだよ」って言いたいですね。
――――――――――――
 メディアが取材する際の過剰な演出や、取材を受ける側を単なる「素材」として見ている現状に疑問を呈したこのツイート。
 震災から8年を迎えた今、報道をする側の姿勢が改めて問われているのかもしれない。


閑話休題(それはさておき)


 震災から8年を迎えました。氣持ちを新たにして、今上陛下のあの日のメッセージを受け取り戴きましょう。私たち民衆は一人ひとりが、神の代理である「大御心(おおみこころ)」としての天皇陛下の「大御宝(おおみたから)」です。人間由来の権力を持ったに過ぎない国内外の勢力が、大御心と大御宝そして大御體(おおみからだ:日本)を自由に支配することは神(公)に認められるはずがありません。加えて、件の勢力の台頭を許すような私たちであってはいけません。
 この世に生を受け生き続けるからには、毎日が学びであり、一生懸命に努力することが必要です。みなさん、己が靈格をたかめようではありませんか。それは、自己の成長を導く原因と結果となります。魔釣りあげられることなく上昇する智慧でもあります。
東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば(平成23年3月16日)
 この度の東北地方太平洋沖地震は,マグニチュード9.0という例を見ない規模の巨大地震であり,被災地の悲惨な状況に深く心を痛めています。地震や津波による死者の数は日を追って増加し,犠牲者が何人になるのかも分かりません。一人でも多くの人の無事が確認されることを願っています。また,現在,原子力発電所の状況が予断を許さぬものであることを深く案じ,関係者の尽力により事態の更なる悪化が回避されることを切に願っています。
 現在,国を挙げての救援活動が進められていますが,厳しい寒さの中で,多くの人々が,食糧,飲料水,燃料などの不足により,極めて苦しい避難生活を余儀なくされています。その速やかな救済のために全力を挙げることにより,被災者の状況が少しでも好転し,人々の復興への希望につながっていくことを心から願わずにはいられません。そして,何にも増して,この大災害を生き抜き,被災者としての自らを励ましつつ,これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれています。
 自衛隊,警察,消防,海上保安庁を始めとする国や地方自治体の人々,諸外国から救援のために来日した人々,国内の様々な救援組織に属する人々が,余震の続く危険な状況の中で,日夜救援活動を進めている努力に感謝し,その労を深くねぎらいたく思います。
 今回,世界各国の元首から相次いでお見舞いの電報が届き,その多くに各国国民の気持ちが被災者と共にあるとの言葉が添えられていました。これを被災地の人々にお伝えします。
 海外においては,この深い悲しみの中で,日本人が,取り乱すことなく助け合い,秩序ある対応を示していることに触れた論調も多いと聞いています。これからも皆が相携え,いたわり合って,この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています。
 被災者のこれからの苦難の日々を,私たち皆が,様々な形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を捨てることなく,身体(からだ)を大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよう,また,国民一人びとりが,被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ,被災者と共にそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています。



東京新聞写真部 @tokyoshashinbu ・ 3月10日
福島県 #双葉町 の #帰還困難区域 に入りました。双葉南小は東日本大震災発生当時のまま残っています。子どもたちはランドセルを置いて上履きのまま避難しました。また、町内の中間貯蔵施設には放射性廃棄物を入れたフレコンバッグが並んでいます。
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原発賠償基準/中間指針の見直しの議論を
(河北新報社 社説 2019年02月14日木曜日)
 被災地の声は果たして理解されているのか。あまりに素っ気ない国の対応に、被災者は大きく落胆したはずだ。
 東京電力福島第1原発事故の賠償指針を定める原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)の会合が先月下旬に開かれた。現行基準の「中間指針」について、見直しへの言及があるかどうか、被災者らは注視していた。
 ところが、見直しを求める福島県などの要望は紹介されたものの、議論されることはなかった。鎌田薫会長(早稲田大総長)が「直ちに見直しが必要とは考えてない」と述べただけで、あっさりと次の議題に移ってしまった。
 本当に「必要なし」と言い切っていいのかどうか。被災者が向き合う現実は厳しい。
 東電への賠償を求めて原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てられた和解仲介手続き(ADR)が相次いで打ち切られている。昨年は計252件。このうち40件は住民の申し立てに基づく和解案を、東電が拒否していたために打ち切りになった。
 福島県浪江町のADRには1万5313人が参加。福島市渡利地区は3107人、同県川俣町小綱木地区は566人に上る。大勢の住民がADRで精神的な損害に対する慰謝料増額などを認められながら涙をのむ結果となった。
 問題は、東電が中間指針を盾にしている点だ。慰謝料増額などについて「中間指針と乖離(かいり)している」などと繰り返してきた。
 こうした主張がまかり通る現状でいいのかどうか。福島県などが中間指針の適時適切な見直しを、県弁護士会が早急な見直しを原賠審に求めているのもこのためだ。
 東電による和解案拒否を理由にした住民ADRの打ち切りは2017年まではなかった。昨年になって一気に出たのは紛争解決センターが「このままではらちが明かない」と考え、法廷の場に進むかどうか、住民側に委ねる必要があると判断したためだ。
 だが、集団提訴に踏み切ったのは現段階で浪江町のケースのみ。訴訟が長期にわたることなどから、請求を諦める例が増える恐れがある。
 原発事故被災者の迅速で適正な救済を目的としたADRが、中間指針という壁を前に機能不全とも言える状況に陥っている。その中間指針は原発事故のあった11年8月に策定されて以降、1〜4次の「追補」が加わっただけで本格的に改定されていない。
 中間指針を超える賠償は既に、複数の地裁判決で認められている。原賠審の鎌田会長は「(控訴審が続いており)判決は確定しておらず、改定の議論が熟していない」と言うが、議論そのものを否定する理由はどこにもない。
 原発事故から間もなく8年を迎える。中間指針が被災者救済を妨げる結果になっていないか、最低でも検討することが必要だろう。

3.11から8年 “トモダチ作戦”で被曝した米兵23人が癌に 米連邦地裁は米兵の訴訟を却下 
(飯塚真紀子 3/10(日) 10:42)
 東日本大震災と福島第一原発事故から、まもなく8年。
 福島第一で汚染水処理問題が続く中、カリフォルニア州サンディエゴでは、2つの集団訴訟が却下の憂き目にあっていた。
 3月4日(米国時間)、サンディエゴにある連邦地方裁判所が、「トモダチ作戦」の名の下、被災地の救援活動に従事した420名を超える米兵たちが被曝により健康被害を受けたとして、東京電力と原子炉を設計したジェネラル・エレクトリック社(GE)に対して起こしていた2つの集団訴訟を却下したのだ。
 1件目の提訴は2012年、2件目は2017年に起きており、それぞれ、医療費など1ビリオンドル以上の損害賠償を求めていた。
 当時、米兵たちは、サンディエゴを基地にしている空母ロナルド・レーガン号に乗船し、韓国に向かっていたが、大地震により津波が発生したため、福島沖から被災地に救援物資を運ぶなどの活動に従事することとなった。
 しかし、米兵たちは、津波がメルトダウンを引き起こしたことや太平洋に放射性雲が広がっていることは知らされていなかった。また、原発事故後最初の一週間は、放射線防護のない状態で、船上で活動した者もいた。
 救援活動にあたった米兵の中には、甲状腺癌、胆嚢癌、脳腫瘍などの癌を発症し、亡くなった者もいるという。また、直腸出血、頭痛、脱毛などの症状が現れたりした者や先天性欠損症のある胎児を身ごもった女性もいるという。

不倫・隠し子問題で失脚したエドワーズ氏が弁護
 そんな米兵たちの弁護を担当しているのは、元上院議員のジョン・エドワーズ氏をはじめとする弁護士たち。エドワーズ氏は、2004年の大統領選に出馬したジョン・ケリー民主党大統領候補が副大統領候補に指名した“民主党のホープ”だった。乳がんと戦っていた妻と二人三脚で歩んできたことでも知られていたが、2008年の大統領予備選の最中に不倫と隠し子問題が発覚、政治家としては失脚した。エドワーズ氏は、その後、弁護士としての活動に復帰、現在、娘のケイト・エドワーズさんらと米兵たちの弁護にあたっている。
 米兵たちの訴えに対し、東京電力側の弁護士は、米兵たちが受けた被曝量はごくわずかで、救援活動に従事した7万人の米兵中300〜400人が健康被害を受けるほどではないと主張。救援活動中の被曝と健康被害に因果関係を認めていない。
 しかし、ケイトさんは因果関係があると主張、2017年11月、弁護士が購読している裁判所ニュースサービスのインタビューで、こう訴えている。

「なぜ、若く、健康で、鍛えられた人々が癌になるの? 甲状腺の問題を抱えているの? 偶然だとは思えない。外的要因がなければ起こり得ないこと。彼らはみな福島で被曝するという同じ体験をしているのよ」

 ケイトさんによると、原告のうち23人が癌に罹患しており、彼らの多くは20代初めに福島の救援活動に従事していたという。また、乗船していた米兵の中には手足を自由に動かせなくなったり、背部に問題を抱えていたり、視力を喪失したりなどの変性疾患を抱えている者もいるという。
 米兵の子供や胎児にも影響が見られるようだ。ある米兵の子供は、生後26ヶ月の時、脳腫瘍と脊椎癌で亡くなり、ある女性米兵は妊娠中に先天性欠損症のある胎児を宿していることがわかり堕胎を選んだという。
 米兵たちが受けた被曝量もごくわずかではないかもしれない。筆者が訳した『封印された「放射能」の恐怖』(講談社刊)の著者クリス・バズビー博士は、事故後、米国エネルギー省が各地で測定した線量データを入手していたが、それによると、福島から500キロも離れた太平洋上の船上でも、大量のヨウ素とセシウムが測定されていた。

日本の司法制度では公正な裁判が受けられない
 審理では、司法権が日米どちらの管轄になるのかが焦点となった。東京電力もGEも、訴訟は日本の管轄下にあると主張。
 しかし、エドワーズ氏は、米兵たちの視点から物事を見るべきだとして、以下のように訴えた。

「彼らはアメリカの海兵隊員であり、アメリカに仕えているアメリカの従業員で、同盟国である日本の政府(東電の株の大半を所有している)のリクエストでアメリカの船に乗船して海外の海に送り出された。海外の洋上で、アメリカの船に乗船しているということはアメリカの国土にいるということだ。原告の大半はサンディエゴをベースにしており、GEはサンノゼの本社で原子炉を設計したので、訴訟はカリフォルニア州で行われるべきだ。彼ら(東電やGE)は日本でなら訴えを消し去ることができると思い、日本での訴訟を望んでいるのだ。それが彼らの戦略だ」

 米兵たちは、日本の司法制度では、公正な裁判を受けられないと感じているという。日本の被災者や遺族が十分な慰謝料を得られていないからだ。
 また、裁判が日本で行われる場合、日本の原子力損害賠償法では、責任が追求されるのは原発を運営していた東京電力で、原子炉を製造したGEに対しては責任が追求されず、GEに対する訴訟は却下されるという。
 “フェアウィンズ・アソシエイツ”のチーフエンジニアを務める原子炉専門家アーニー・ガンダーセン氏も、GEに対する訴訟については、

「格納容器の設計、津波の高さの想定、原発の海抜の高さなど、福島第一原発事故の致命傷となったものは、“メイド・イン・アメリカ”なのです。ゆえに、GEはアメリカで訴えられるべきです」

と主張していた(詳しくは、福島原発事故の被害者団体がGEに対して“500ミリオンドルの集団訴訟” ボストンの連邦裁に提訴をお読み下さい)。

米兵の日本渡航は困難
 しかし結果的に、判事は、原告にとって日本で訴訟を起こす方がカリフォルニア州で訴訟を起こすより難しいことは認めつつも、原告は日本で訴訟を起こし、日本の法律が採用されるべきだと判断したのだ。
 日本で訴訟する場合、米兵たちは日本に渡航しなくてはならない。日本にいる弁護士を雇い、医療記録を和訳するなどの作業をする必要もある。また、健康上の理由から、日本への渡航が困難な者も少なくないだろう。何より、訴えが却下されたことで、原告側から望みが失われてしまったのではないか。
 弁護士団の一人、ポール・ガーナー弁護士は、3月6日(米国時間)、今回却下されたことについて「正義というものを信じられないほど茶番にしている」と憤り、

「病気になったり死んだりしているアメリカの人道主義者たちが、日本で意味のある賠償を得られるというのは作り話だ。我々は、クライアントたちがアメリカの司法制度下で賠償を得られるよう、さらなる手段を講じるつもりだ」

と控訴する構えを見せている。

 被曝した米兵たちの闘いはこれからも続く。

参照: 流れのままに「Operation Tomodachi(ともだち作戦)」2011年03月14日

(追記)
【独自】「お金ならなんぼでもある」除染で“利益率”5割超…“国民負担”3兆円の闇
(FNNプライム 3/12(火) 12:24配信)
役員報酬77億円…従業員100人の除染会社
 福島第一原発の爆発事故から3月12日で8年…
放射性物質を取り除く除染作業は今も続いているが、一部の除染事業の不透明な実態をFNNは報道してきた。
【独自】「お金ならなんぼでもある」除染で“利益率”5割超…“国民負担”3兆円の闇
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 今回、福島県にある除染会社の、売上に対する利益率が継続的に5割を超える極めて高い利益率だったことが新たに分かった。
 これまでに約3兆円が投じられた除染費用が大幅に減らせていた可能性が浮上している。

会社幹部「お金ならなんぼでもある」
 福島県いわき市にある従業員およそ100人の除染会社。
 除染や関連工事を大手ゼネコン清水建設から請け負い巨額の利益を得ていた。
 今回、福島県への情報公開請求で、この会社の粗利益が2014年からの3年間で142億円に上り、売上に対する利益率がいずれの年も5割を超えていたことが新たに分かった。
 さらに関係者への取材で代表ら役員8人の役員報酬が3年間で77億円に上り、粗利益の半分以上を占めていたことも分かった。
 役員報酬の水準は、規模が100倍の売上高1兆円以上の大企業の社長でも1億円程度に留まっていて、異例の高額となっている。

この除染会社で働いていた作業員:
(会社幹部は)お金ならなんぼでもあると言ってましたから。幹部数名は高級車を買ってもらってましたから。

元請け幹部と結びつき独占的に1次下請け受注
 この極めて高い利益率のカラクリは…
 関係者によると、この会社は、元請けの清水建設の幹部との結びつきを強めることなどで独占的に1次下請けに入っていたとみられる。
  除染工事は一般的に元請けから繰り返し下請けに出され、各会社が利益を抜いていく。
 しかし、この会社は下請けへの発言力を背景に下請けの階層を減らし、末端が受け取るレベルの金額を2次の下請けに支払うことなどで、利益を独占したとみられる。

この除染会社で働いていた作業員:
 元請けさんと仲がいいから会社はなんぼでも人(作業員)が入れられると。(2次下請けに出す)一日の単価が安いですね。(他社と比べて)少なくとも5000円は違いますね。

除染を主導する環境省「法令に従い適切」
 原発事故からこれまでに投じられた除染費用は2兆8000億円。
それぞれの事業で実態にあった費用の算出が行われていれば大幅に減らせた可能性がある。
 しかし、件の除染会社は取材に応じていない。
また、除染を主導する環境省は「法令に従い適切に発注している」とコメントしている。

 原発事故から8年…

 3兆円に上る除染費用のうち、いったいいくらが実際に使われ、いくらが業者のフトコロに入ったのか?
 国民が負担するからこそ検証が必要だ。(プライムニュース デイズ)

参考: 流れのままに「ツケを将来へ負わせない」(2013年8月29日)