『Why Digital Matters?“なぜ”デジタルなのか』を今月初めに書店で購入し、読み始めた。本書133頁の記述は、春宵一刻値千金である。
 欧米企業の多くは、90年代から00年代に業務プロセスのERP(基幹業務システム)化、すなわち「インダストリー3.0」への移行を完了した上で、さらにインダストリー4.0に対応してビジネスモデルをバージョンアップしつつある。いっぽう日本企業の現状はといえば、グローバルに事業展開している大手企業でさえ、実質的に「インダストリー2.5」のレベルに留まっているケースも少なくない。
 もはや日本人社員の強い現場力に頼るのも限界に達しつつある。いまこそ日本企業をリードするあなたは、「働き方改革」といった実態のないキーワードに踊るのではなく、現実を見据えた施策に踏み出す必要がある。

005130[1]
四六 判( 304 頁)
ISBN: 9784833451307
2018年12月14日発売 / 1,728円(税込)

本書を紐解くことをお勧めします。


閑話休題(ソレハサテオキ)


「働き方改革」とかいった実態のないキーワードに踊らされている間に、わが日本の賃金は世界で大きく取り残されてしまった。労働生産性を上げることが賃金上昇の要諦である。多分、賃金を上げても生産性は上がらないだろう。昔インドで賃金を倍にしたら労働者が半分の時間しか働かなくなったという笑い話のような事実があったが、今の日本もそうなる可能性は否定できないだろう。賃金を上げるよりは、メルカリのようにエンジニアをバランスよく採用すること。そして、取締役会の参加メンバーの半数を理科系の人材エンジニアにするといった環境変化が必要だ。
賃金水準、世界に劣後 脱せるか「貧者のサイクル」
(日本経済新聞 電子版 2019/3/19 2:00)
日本の賃金が世界で大きく取り残されている。ここ数年は一律のベースアップが復活しているとはいえ、過去20年間の時給をみると日本は9%減り、主要国で唯一のマイナス。国際競争力の維持を理由に賃金を抑えてきたため、欧米に劣後した。低賃金を温存するから生産性の低い仕事の効率化が進まない。付加価値の高い仕事への転換も遅れ、賃金が上がらない。「貧者のサイクル」を抜け出せるか。
日経@最低賃金@20年間で自給低下は日本のみ
「頑張った人、成長し続ける人に報いたい」。トヨタ自動車は2019年の春季労使交渉で、ベア見直しを含めた賃金体系の再考を提案した。労使で協議を続ける。

新卒を一括採用し、終身雇用と年功序列で、昇進や昇格に極端な違いを出さない。トヨタはこんな日本的な人事・賃金の先導役になってきた。

ところが、電気自動車や自動運転技術などで米IT(情報技術)巨人がライバルとなり、競争環境は激変した。人工知能(AI)といった先端分野は人材の争奪戦になった。「生きるか死ぬかの戦いだ」(豊田章男社長)。危機感がトヨタを「脱ベア」に突き動かす。

デフレ不況と円高、過剰な設備と人――。1990年代後半から、製造業などは賃下げを含めた賃金抑制に動き、気がつけば日本の賃金は世界から大きく取り残された。

経済協力開発機構(OECD)は残業代を含めた民間部門の総収入について、働き手1人の1時間あたりの金額をはじいた。国際比較が可能な17年と97年と比べると20年間で日本は9%下落した。主要国で唯一のマイナスだ。英国は87%、米国は76%、フランスは66%、ドイツは55%も増えた。韓国は2.5倍。日本の平均年収は米国を3割も下回っている。
日経@20年間で自給低下は日本のみ
日本は金融危機に直面した97年をピークに減り始め、12年までに12%減。大企業は定期昇給などで1%台の賃上げを続けたが、非正規社員も増え、1人あたりの時給は減った。時給の最低水準を定めた「最低賃金」(最賃)はこの3年間で3%台の上げが続く。ただ、対象はパート労働者ら一部にとどまり、全体を押し上げるには至らない。

その背景には労働生産性(付加価値)の低迷がある。1人の働き手による1時間当たりの成果を示す生産性の上昇が賃上げには必要とされる。

長時間労働がはびこった日本はこの半世紀、先進7カ国のなかで最下位。OECDによると17年は47.5ドルと前年から1%程増えたが、加盟国36カ国で20位という低位置は変わらない。米国(72ドル)、ドイツ(69ドル)に水をあけられている。

なぜ生産性が上がらないのか。逆説的だが、日本の企業が賃上げに慎重な姿勢を続けてきたことが生産性の低迷を招いたとの見方がある。

「賃上げショックで生産性を一気に引き上げるべきだ」。国宝・重要文化財の修復を手がける小西美術工芸社のデービッド・アトキンソン社長はこう訴えている。

ゴールドマン・サックスの名物アナリストだった同氏による主張の根拠はこうだ。低賃金を温存するから生産性の低い仕事の自動化・効率化が実施されず、付加価値の高い仕事へのシフトが進まない。その結果、生産性が上がらずに賃金も上がらない。いわば貧者のサイクルに日本は陥っているというわけだ。

アトキンソン氏は最賃の毎年の上げ率を現在の3%台から5%台に加速させるべきだという。低生産性の象徴とされる中小企業に、省力化の設備投資や事業の変革を迫る起爆剤になるとみる。英国は99年に最賃を復活させて18年までに2倍超に上げた。低い失業率のまま生産性が高まった。

最賃の形で賃金を強制的に上げることが正しいかは議論が分かれる。ただ、世界的にみて劣る日本の生産性を上げていかないと国際競争に勝ち残れないのは間違いない。

賃金の変革に動き出す企業も出てきた。

フリマアプリのメルカリ。16年からエンジニアらの新卒採用を本格的に始めた。面接で候補者のインターン経験や学術論文などを含めて能力・技能を見極める。具体的な金額を役員に諮り、初任給を決める。最大で数百万円の差がつく。18年は70人あまりが入社した。

「賃上げなくして成長はない。ただしもうかるビジネスモデルがあってこそだ」。「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長は断言する。1月にベアと定昇で平均6.18%を賃上げした。18年は230店を純増。賃上げで事業を拡大する好循環につなげる。

働き手の意欲を高め、優れた人材を引きつける賃金の変革をテコに、付加価値の高い仕事にシフトしていく潮流をつくり出すことが不可欠だ。

最低賃金とは 地域間で200円以上の開き
(日本経済新聞 2019/3/19付)
▼最低賃金とは すべての企業が従業員に支払う最低限の時給。正社員だけでなく、パートやアルバイト、派遣社員らも対象だ。厚生労働省の審議会が毎年、都道府県を4ランクに分けて改定の目安額を示し、各地域が具体的な金額を決める。最低賃金を下回る賃金を払っていた企業には罰金が科される。最低限の生活を保障する狙いがあり、多くの国にこうした制度がある。
日経@近年の最低賃金

今の全国平均は874円。最高の東京都は985円、最も低い鹿児島県は761円で224円の開きがある。安倍政権は毎年3%程度引き上げ、全国平均1000円を目指している。現在の引き上げペースが続けば、2019年の改定で東京都が初めて1000円の大台を超える見通しだ。

一方、地域別に引き上げ目安を決める現在の手法が続けば、地域間格差は広がる。政府は4月の新たな在留資格で外国人労働者の受け入れを拡大するが、外国人材が賃金の高い都市部に集中し、地方の人手不足解消につながらないとの懸念もある。

マルタイナショナル(多国籍)のマーケットを目指す以上は、共通言語としての英語を、セールスとマーケティングや会計と法務のマネージメント部門での読み・書き・ソロバン・対話のコミュニケーションツールとして、日常語として定着させる必要がある。加えて、完成品メーカーとしての世界的な地位を奪回すること、現在は一流の素材メーカとしてB2B市場をてにしているがこれからは完成品メーカーとしてB2C市場を拡大すること、そしてフィンテック分野で最先端を行くことが欠かせない。これら4つの必要条件は、頭脳流出(brain drain)の流れを頭脳環流(brain circulation)へと替える要諦でもある。わが国を再興しようという氣骨が、新しい環境(場)を創り、人々を動かし、より良い世界創造の源流となる。


大きな笑顔で佳き春日を楽しみましょう♫