昨日、長年にわたるリチウムイオン電池(lithium-ion batteries)の研究で、吉野彰博士(よしの あきら:1948年1月生)がノーベル賞を受賞されました。おめでとうございます🎶

12月10日から冬のスウェーデンで、忙しい1週間を過ごされることになる博士が、その後は十分な休養をとられ、自らが望まれているような、地球環境問題解決への貢献に向けた、静かな研究生活に戻ることができることを願っています。
The Nobel Prize in Chemistry 2019
Akira Yoshino
Facts

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Akira Yoshino
The Nobel Prize in Chemistry 2019

Born: 1948, Suita, Japan

Affiliation at the time of the award: Asahi Kasei Corporation, Tokyo, Japan, Meijo University, Nagoya, Japan

Prize motivation: "for the development of lithium-ion batteries."

Prize share: 1/3 ( John B. Goodenough; M. Stanley Whittingham; Akira Yoshino)
Ill. Niklas Elmehed. c Nobel Media.


閑話休題(それはさておき)


環境分野のノーベル賞を目指した『ブループラネット賞』というのがあります。リオデジャネイロで開催された地球サミット(環境と開発に関する国際連合会議)が開催された1992年に公益財団法人 旭硝子財団が創設。地球環境問題の解決に向けて著しい貢献をした個人、組織に対して毎年2件贈られています。『環境危機時計R』による広報活動も行っています。賞も時計も、環境問題解決に貢献する人や活動にスポットを当て、環境に関する調査発表を行うことで、私たち地球で暮す人々の環境に対する意識を高めることを目標にしています。
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https://www.af-info.or.jp/questionnaire/clock.htmlより引用。

1997年12月、第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議:COP3)で同月11日に作成された、気候変動枠組条約に関する議定書で、先進国による温室効果ガス削減目標を定める「京都議定書(Kyoto Protocol to the United Nations Framework Convention on Climate Change)」が採択されました。しかしながら、経済発展をおこなう以上、多量の二酸化炭素を排出せねばならないと考えられたため発展途上国の自発的参加が見送られました。いわゆる、「環境の南北問題」です。対象国は先進国のみでしたから、世界トップ2の人口大国である中華人民共和国とインドは、温室効果ガス削減の数値目標を一切負わずに済む立場であり続けました。音頭をとっていた合衆国も経済最優先の立場から受け入れを拒否、ロシア連邦も受け入れの判断を見送りました。効力を発行するには京都議定書25条で定められた条件である二酸化炭素排出量上位国が批准することが必要でしたから、発効が先送りされました。わが日本は、日本では2002年5月31日に国会で承認され、2002年6月4日に国際連合に受諾書を寄託。2004年、ロシア連邦が批准したことで、2005年2月16日に議定書が発効します。日本は、2005年1月26日に公布及び告示(平成17年条約第1号及び外務省告示第58号)、同年2月16日から効力発生しています。(参考:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/treaty_020413.html

2014年の『ブループラネット賞』受賞者ハーマン・デイリー博士(Herman Edward Daly:1938年7月生)は、経済学に、環境、地域社会、生活の質、倫理性といった要素を盛り込み、エコロジカル経済学(ecological economics)の礎を築いた方です。この経済学は1970年代以降に登場した新しい学問運動であり、新古典派経済学から派生した環境経済学(environmental economics)とは本質的に異なります。彼はヴァンダービルト大学(Vanderbilt University)のDoctoral students(博士課程の学生)として、著作「The Entropy Law and the Economic Process」で知られたジョージェスク=レーゲン博士(Nicholas Georgescu-Roegen:1906年2月~1994年10月)の指導を受けています。

デイリー博士が1970年代に提唱した「Herman Daly's 3 Principles of Sustainable Development (持続可能な発展にかかる3つの原則)」は、以下3点です。
(1)再生可能な資源の消費速度は、その再生速度を上回ってはならない。
(2)再生不可能資源の消費速度は、それに代わりうる持続可能な再生可能資源が開発されるペースを上回ってはならない。
(3)汚染の排出量は、環境の吸収量を上回ってはならない。

これらの原則は、再生可能資源(森林など)に代表される自然資本の機能は、基本的に人工資本では代替できないという「強い持続可能性」の考え方に基づいています。自然資本をしっかりと確保することを事始めとし、その上で人工資本や人的資本(などの経済)を適切に構築(ドライブ)してこそ、私たちの幸せが約束されるという思想ですが、the Global Ethical Trilemmaを解決する必要条件として私たちがプラネタリズム(planetarism)の教養を身に着けたいところです。
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https://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/c29b80fe728a0b54cb5ede5b3caa10fdより引用。

江戸時代の陽明学者・熊沢蕃山(1619~1691年9月)が言及した「万物一体」「草木国土悉皆成仏」という考え方は、人として優しい人格を形成し、プラネタリズム(planetarism)の世界の扉を開いてくれます。
万物一体とは、天地万物みな太虚の一気より生じたるゆえに、仁者は、一木一草をも、その時なく、その理なくては切らず候。いわんや飛潜動走のもの鳥獣虫魚おや。草木にても強き日照りなどにしぼむを見ては、我が心もしほるるごとし。雨露の恵みを得て青やかに栄えぬるを見ては、我が心も喜ばし。これ万物一体のしるしなり。(『集義和書』より)

大きな笑顔の佳き10月をお過ごしください♬
流れのままに