米公民権運動の指導者、ジョン・ルイス下院議員が死去 80歳
(BBC 2020.07.18)
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ルイス下院議員は昨年末にステージ4のすい臓がんだと公表していた
  1960年代にアフリカ系アメリカ人の人権確立のために闘った公民権運動の闘士、ジョン・ルイス下院議員が17日、膵臓(すいぞう)がんのために亡くなった。80歳だった。
  ルイス議員は、マーティン・ルーサー・キング牧師たちと共に、米公民権運動で指導的な役割を果たした。雇用と自由を求めた1963年の歴史的なワシントン大行進でも、取りまとめに尽力した。
  1986年に民主党から南部ジョージア州選出の連邦下院議員に初当選して以来、17期連続で州都アトランタを含む地域を代表した。
  昨年12月には、ステージ4の膵臓がんの診断を受けたと公表。「自分は生まれてこの方ほとんど常に、何かしら闘っていた。自由のため、平等のため、基本的人権のため。そして今、これほどのものは初めてだという闘いに直面している」と当時、コメントしていた。
  公民権運動では、学生非暴力調整委員会(SNCC)の創設に関わり、1963年から1966年まで委員長を務めた。
  キング牧師が歴史的な「私には夢がある」演説をしたワシントン大行進の主催にも関わり、「アメリカよ、目を覚ませ」と演説した。ルイス議員の死去に伴い、ワシントン大行進で演説した公民権運動指導者は全員が故人となった。
  ルイス議員と同じ日には、同じく公民権運動指導者だったC・T・ヴィヴィアン牧師も95歳で亡くなった。ヴィヴィアン氏はルイス議員やキング牧師と親しく、人種隔離バスの運行に抗議する「フリーダム・ライド」運動の組織に関わり、後に南部キリスト教指導者会議(SCLC)の代表になった。
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1963年のワシントン大行進で演説するルイス議員
   民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長は、ウェブサイトとソーシャルメディアで、ルイス議員の死去について声明を出した。
  ペロシ議長はルイス議員について、「公民権運動の巨人で、その善良な人柄、信念と勇気がこの国を様変わりさせた」と称えた。さらに下院議員としては、「連邦議会の与野党を問わず、上下両院で敬愛されていた」としのんだ。
  「ジョン・ルイスは人生の一日一日をかけて、すべての人に自由と正義をもたらそうと取り組んだ」、「57年前のワシントン大行進で、リンカーン記念堂の前に立って宣言したように、『私たちの頭も魂も心も、全ての人に自由と正義が実現するまで、安穏とするわけにはいかない』のです」と、議長は書いた。
  「がんと闘った最後の日々でさえ、ジョンは力を振り絞り、若いアメリカ人が街にあふれ出て繰り広げた平和的抗議を訪れていた。あらゆる人種に正義をもたらすための、未完の闘いを継承する若者たちを訪問していた。なんて彼らしいことだろう」
  ルイス下院議員の訃報を受けて、人権団体の全米黒人地位向上協会(NAACP)は「非常に悲しい」とツイートした。
  「正義と平等と自由を求めた終生の取り組みは、この国と世界に消えない影響をもたらした」と、NAACPはルイス議員をたたえ、遺族に哀悼の意を示した。
  バラク・オバマ前大統領は声明で、ルイス議員とはオンラインのバーチャル・タウンホールで話をしたばかりだったと振り返った。黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警官に暴行され死亡した事件を機に開かれた集会で、ルイス議員は若い活動家たちの取り組みを称えていたという。
  「新世代が自由と平等のために立ち上がっている」ことをルイス議員は喜んでいたと、オバマ氏は書いた。
  「自分の残した業績がこれほど有意義な素晴らしい形で、次世代に受け継がれるのを、生きている間に目にできる人はそうはいない。ジョン・ルイスはそれができた」とオバマ氏は述べ、「そして彼のおかげで、私たちはこれからどうすれば良いのか、みんな承知している。指示をもらっているからだ。自分たちが愛するこの国が、その可能性を十分に実現できるようになるまで、自分たちはこの国を作り変えることができる。そう信じ続けるのだ」と呼びかけた。
(英語記事 John Lewis: Civil rights icon and congressman dies aged 80


閑話休題(ソレハサテオキ)




ヒップホップとかラップには、黒人への差別があることや黒人として苦労している話しが織り込まれています。私たちが音楽やファッションに何となくカッコよさを見いだしてマネしてみるの悪くはありませんが、風土(culture)と歴史(historical records)を勉強して、リスペクトする力も自己育成したいところです。

ラッパーは、”what's up, my nigga."という表現であいさつすることがあります。これは黒人がマイノリティで差別対象だった時代の「nigga」という言葉を互いに使うことでポジティブな意味に変えたという歴史的表現。昔、黒人が白人の奴隷としてproperty(資産・所有物)扱いされ、人権を持てなかった時代の侮蔑用語が「nigga」なのですから、他の人種から”what's up, my nigga."と言われると、きっと違和感を越えて、嫌悪感を持つに違いありません。音楽やファッションとしてのヒップホップやラップと共に、人類の歴史の一部である黒人の歴史を勉強し、リスペクトをもったうえで黒人のマネをするなら、今とは違ったカッコよさが醸成されるのではありませんか。目に見えるものや耳に聞こえるものの背景に隠れてしまっている風土(culture)と歴史(historical records)を知ることが大切。私たち日本の民衆は、他の民族の風土と歴史について、情熱(passion)を以って自己教育できると信じています。




トランプ氏とワシントン市長がデモ対応を巡り対立 道路を「黒人の命も重要だ」に改名
(東京新聞 2020年6月7日 07時18分)
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5日、米ワシントンで、路上に黄色の文字で描かれたスローガンを見るバウザー市長=ロイター・共同
  【ワシントン=岩田仲弘、金杉貴雄】米中西部ミネソタ州ミネアポリス市で黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)が白人警官(44)=免職、殺人容疑で訴追=に首を圧迫されて死亡した事件に対する抗議デモへの対応を巡り、トランプ米大統領と首都ワシントンのバウザー市長が対立している。バウザー氏は、連邦軍動員も辞さないトランプ氏を批判。ホワイトハウス近くでデモが強制排除された路上につながる通りの一部を、抗議運動の象徴となっている標語にちなみ「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も重要だ)・プラザ」と改名した。
  黒人女性市長のバウザー氏は五日、「米国では平和な集会を開き、政府に抗議し、変革を求めることができる」と語った。
  現場を訪れたグラフィックデザイナーのシャリファ・マクレイノルズさんは「この道はホワイトハウスに向かっている。差別撤廃に向けた政策転換もこの道に沿ってホワイトハウスに届いてほしい」と期待する。
  大学生ジャレマイア・スミスさんは「(黒人を差別する)警察を変えるような法律や失業対策などを実現しないと意味がない」と述べ、抜本的な改革の必要性を訴えた。
  通りの一部改名は、今回の黒人暴行死亡事件への抗議デモへの連帯と、ホワイトハウス近くの平和的なデモが強制排除されたことに抗議の意思を示すためで、路面には巨大な黄色の文字で標語が描かれた。
  バウザー氏は、連邦軍の動員など市内の「軍事化」には反対で、四日にはトランプ氏に連邦政府の執行機関と州兵の撤収も求めた。
  これに対し、ワシントンで州兵を指揮する権限を持つトランプ氏は五日、ツイッターで「バウザー氏は全く無能で、ワシントンのような重要な都市を運営する資格がない」と酷評した。



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