イーライリリーの抗体薬併用、米当局が緊急使用許可
(CNN 2021.02.10 Wed posted at 13:25 JST)
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新型コロナの抗体療法にとりくむ米製薬大手イーライリリーのスタッフ/Eli Lilly

(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は9日、米製薬大手イーライリリーが開発した新型コロナウイルス感染症の新たな抗体療法について、緊急使用許可(EUA)を出した。
  同社の治療薬では、すでに人工的につくった抗体を薬として投与する「バムラニビマブ」のEUAが認められていた。新たに承認されたのは、これともうひとつの抗体薬「エテセビマブ」を併用する治療法だ。
  ライバルの米製薬大手リジェネロンはすでに、2種類の抗体を組み合わせた治療薬を売り出している。
  FDAはバムラニビマブとエテセビマブの併用について、軽症から中等症の成人と12歳以上で体重40キロ以上の小児で重症化リスクが高い場合の緊急使用を許可すると発表した。
  一部の研究では、バムラニビマブを単独で投与した場合、新型コロナウイルスの変異株には効かない可能性が指摘されていた。
  イーライリリーは先月26日、最終段階の臨床試験(治験)で、バムラニビマブとエテセビマブの併用により入院と死亡のリスクを70%抑える効果が確認されたと発表していた。よくある副作用としては、投与当日の吐き気が報告されているという。

東京 新型コロナ 21人死亡 434人感染確認 5日連続500人下回る
(NHK 2021年2月11日 22時10分)
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合衆国の製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルス感染症ワクチンをことさら急いで接種する必要はありません。厚生労働省は正式承認に向けて、今夜、専門部会を開いて特例承認の可否を審議するそうです。加えて、17日から安全性を調べる目的で同意を得た医師ら約2万人への先行接種を始める?ようです。このワクチンの危険性は十分承知でしょうし、わが国には必要ないことも分かっているでしょうから、高額商品をセールスする合衆国のビジネスマンのパワーと対峙することなく、のらりくらりとのんびり進めるのが、私たち日本の民衆の生命を守り、しいては日本の国益につながると考えています。


閑話休題(ソレハサテオキ)


先日、教養あるご婦人から「トランプは3月4日頃には大統領としてホワイトハウスに戻るのよ」と言われ、面食らってしまいました。合衆国の大統領は法文化された手続きによって決まるのでそのようなことは起こりえません、ファクトチェックが必要ですと伝えようとした刹那、彼女は「あなたは陰謀論の類だとおっしゃるかもしれないけど、たぶんそうなると私は信じているの」と追加。私に残された発言は、沈黙のみでした。

多彩な活躍をなさっているアーティストの増山麗奈さん(1976年12月生)がご自分の体験を通じて「陰謀論」について記されています。 白眉なエッセーです。ここにハーバー・ビジネス・オンラインから転載させていただきます。
アメリカ大統領選の「陰謀論」にハマってしまった私〜やらかした当事者が振り返る〜
(増山麗奈 2021.02.03 ハーバー・ビジネス・オンライン)

陰謀論は、サスペンス映画のように刺激的だった
1月20日、アメリカに新しくバイデン大統領が就任した。深夜にテレビで中継されるその映像を、私は複雑な思いで眺めていた。
「トランプがディープステート(世界を牛耳る闇の組織)をやっつけてくれる」
「今回の大統領選ではトランプが勝っていたのに、選挙に不正があった」
「バイデンの就任式に、選挙不正に関わった者たちの大量逮捕がある」

  そういった「陰謀論」を信じて期待をしていたからだ。
  実際には「大量逮捕」は起こらなかったし、「トランプが大統領専用機から全世界の電波をジャックして行われる」といわれていた緊急放送もなかった。睡眠時間を削りながら、深夜まで起きて情報を集めていた自分がむなしく、詐欺にあったような気持ちになった。
  マスクをしないで“蜜”になりながら支持者に囲まれ、自分の政権の成果を語るトランプ氏を見て、私の周りにもいるコロナ感染者の顔を思い出し、急激に冷めていくのを感じた。
  こういった集会がクラスターを発生させていたことが、アメリカの感染者が多い一つの理由ではないのか……。今年1月6日に議会を襲撃したトランプ支持者たちの行動は、アメリカだけでなく世界を二分した。5名の方が亡くなったことは特にショックだった。
  「ひょっとして、私は真実ではない情報をSNSなどで積極的に拡散し、暴力を肯定・拡散する側に回っていたのではないだろうか……」
  ふとそう思い、私は愕然とした。

  「Qアノン」と呼ばれる陰謀論グループは「長年世界を支配してきた小児性愛・人身売買組織を退治するヒーロー」としてトランプ氏を祀り上げてきた。トランプ氏が再選すれば「ディープステートや、世界にフェイクニュースを流していたマスコミが一掃される」という主張はサスペンス映画のように刺激的で、私もそれにハマってしまった者の1人だ。
  なぜ私はQアノン側の陰謀論に惹かれたのか。そして、それらの情報のどこが間違っていたのか。自戒の意味を込めて、検証してみたい。

「民主党のセレブが子どもたちを食い物にしている」というストーリー
  私は映画関係の仕事をしていて、映画への出資者とのつながりがある。ある野党大物政治家の政治資金を支援している投資家から、5年前に小児性愛・人食い風習についての写真を見せられたことがあった。子どもと思えるサイズの人体が、血だらけでパックに入っているような残酷な写真だった。
  「西麻布にある秘密クラブで、夜な夜な政治家と芸能界関係者が接待をしている。最も秘密な会合では人肉を食べる。若返りに効く」という、にわかには信じられない話だった。「そんなことはありえないことだろう」と数年間、誰にも言わず胸に秘めていた。
  その後、Qアノンが「民主党の政治家やセレブが子どもたちを食いものにしている」との主張を目にして、「あの時の話は本当だったのかもしれない」と思い始めた。

自分が「正しい」と思い込んだ主張の裏づけとなる情報しか見えなくなる怖さ
  一度ものごとを疑い始めると、人はその疑いを裏づけする情報ばかりを集め始めてしまう。YouTubeやSNSでのつながりも、似た意識を持った人たちが多く集まるようになってくる。私も、英語や日本語で関連記事や動画を調べるようになった。
  YouTubeはユーザーの視聴記録に合わせて似たような動画を「おすすめ動画」として次々に自動再生していく。それを見続けているうちに、寝る前に陰謀論関連の動画を見ることが習慣となった。それがちょっとした楽しみにもなっていた。
  ほとんどの動画や記事は憶測レベルのものだが、トルコの全国ネットテレビ局TGRTでもこの問題を報じていた。
  アメリカの政界とつながりのある資産家ジェフリー・エプスタインが、少女たちを性的搾取目的で人身取引していたことで逮捕・起訴された。アメリカ・ドイツ・アイルランド・日本など7か国でカトリック教会関係者が未成年への性暴力を起こし、有罪判決が下された。
  小児性愛犯罪が存在すること自体は、事実なのだ。その事実の断片の集積が、陰謀論までもが事実なのだと私に思い込ませるようになっていった。そして、陰謀論を否定するような主張や事実は「マスコミのフェイクニュースに踊らされている」ものとして、切り捨てていったのだ。

事実を織り交ぜて作られる、“誰かに都合の良い物語”に注意
  しかし、「トランプはたった一人で巨大な人身売買組織と立ち向かうヒーロー」という彼の支持者たちの主張は本当なのだろうか。
  アメリカの人身売買の検挙数は、「全米人身売買ホットライン」が作られた2015年から毎年増加し続けている。このホットライン制度を作ったのはオバマ政権であり、トランプ氏1人が行ったと断定するのは不自然だろう。
  ネット上では「子どもたちをトランプ大統領と米軍が救出した」という趣旨の動画が次々と公開されているが、映像は不明瞭で、いつどこで撮影されたものなのか判別できないものがほとんどだ。また、仮に政治家が関わる小児性愛グループがあったとして、その中に共和党の人間が参加せず、民主党の政治家しか関与していないということも考えにくい。
  少女たちに売春をさせていたエプスタイン氏は民主党のビル・クリントン氏と親交があったが、トランプ氏とも交流があったことをトランプ氏自身が認めている。
  よく考えれば「トランプは唯一無二の救世主」という主張は何の根拠もないことがわかるのだが、1人でインターネットの動画を深夜見ていて、周りのSNSに賛同者しかいなくなると、人は冷静さを失う。
  最初にショックを与えて外部と遮断させ、その恐怖から逃れたいという状況につけ込んで説得するというのは、カルト宗教組織やテロ組織でも用いられる洗脳の常套手段だ。実は、深夜1人でネットサーフィンをしていた私は、こうした洗脳を受けているのと同じ状態になっていたのだと思う。
  今、世界中でコロナ禍によって生活苦が広がっている。現実社会に不満を持つ人たちはかつてなく多い。そのような人たちが、ネットの中でスカッとする陰謀論――強力なリーダーが不愉快な者どもを一掃する――というストーリーにはまっていく危険性は、これまでよりもさらに高まっているのだろう。

「既存のマスコミが伝えない、この世界の真の姿を知っている」という優越感
  「Qアノンが提示したストーリーというのは、トランプを選挙で勝たせたかった陣営によって巧妙に作られた物語だったのではないか」
  私は今、そのように疑い始めている。トランプ支持層であるキリスト教右派は、妊娠中絶を批判するような性的な厳格さを重んじる傾向にある。そういう支持者たちにとって、“売春”“小児性愛”などは最も刺さりやすいパワーワードだ。そうした言葉をちりばめながら、トランプ氏のセクハラ疑惑やエプスタイン氏との関係など、触れてほしくない部分はぼかしている。よく練られたシナリオだ。
  「陰謀論」界隈からは、次から次へと新しい刺激や興奮を与える新ネタが登場する。「ディープステート関連」とされる謎めいた暗号や記号を解いていくのも、ゲーム感覚でのめりこんでしまう。「既存のメディアが伝えない、この世界の真の姿を知っている」といった歪んだ優越感に浸ることで、ますます現実世界と解離していく。

秘められたコンプレックスに、狡猾につけ入ってくるQアノン
  恥ずかしながら私も、その詐術にハマってしまったのだ。当たり前の矛盾に気がつかなかった理由の一つとして、私自身の“売れている芸術家に対してのコンプレックス”があったのではないかと自己分析している。
  Qアノンはレディー・ガガなど反トランプのセレブたちに、根拠も十分にないままに「小児性愛者」のレッテルを貼り、彼女たちが「いずれ逮捕される」と主張した。きらびやかで経済的にも大成功しているセレブたちが罰せられ、落ちぶれる姿を見てみたい――。そんな妬み・嫉みに、Qアノンは狡猾につけ入ったのだ。
  今回の例によらず、選挙の際に用いられる世論誘導のシナリオは“どの層”に“何が刺さるのか”がよく練られている例が多い。そうしたことに着目すると、今後の世の中での事象を分析するときに役立つだろう。

トランプ人気を後押ししたメディア不信
  アメリカだけでなく日本でもトランプ支持が広がった理由の一つには、おそらくマスメディアに対する不信感もあるのだろう。
  しかし、「そのような複合的な利権構造と戦うのはトランプ氏なのか?」というと、そこは大いに疑問だ。実際には、さまざまな自分のファミリービジネスにアメリカ大統領という世界最大の権力を利用して、利益を享受してきたのだから。
  「陰謀論劇場の視聴者」として誰かを安易にヒーローにして思考停止するのではなく、是々非々で事実を見極める大切さを今回のことで学んだ。
  その反省を活かし、情報ソースを確認する、公的機関が発表しているものなど信頼できる複数のデータと照らし合わせる、関連論文を読むなどの「ファクトチェックの基本」に立ち返っていくべきだろう。私もメディアで仕事をする者の端くれである。今後は、曇りのない目で事実を多方面から確認し、良い記事を書くことで信頼を回復していきたい。
<文/増山麗奈>
増山麗奈
ますやまれな●ユーラシア国際映画祭代表理事
※注)「ディープ・ステート(Deep state)」という言葉について説明します。この用語は合衆国の国家内国家(深奥国家)のことを指していて、軍産複合体(Military-industrial complex)を意味します。合衆国による世界支配(覇権運営)をつかさどる勢力(powers)と定義づけて良いと考えています。「合衆国政府」と重なっている部分もありますが、大統領を頂点とする合衆国政府の指揮系統とは別のところでMilitary-industrial complexの戦略が決定されています。秘密裏に決定し、秘密裏に動くintelligence organizations(諜報界)がMilitary-industrial complexを主導しているため、誰がMilitary-industrial complexの意思決定に携わっているのかはクリスタライズされることがありません。参考:Deep state in the United States
本ブログ『流れのままに』では、過去に1度、この言葉を使用したことがあります。
参考:「JFK Jr. ≻ ディープ・ステート」(2018年10月14日)(以上)


youtubeにアップされた対話を拝見しましょう。「Qアノン」とはbelief sysytemですが、宗教と似た構造は持ち合わせていないようです。信じる物事が事実(fact)が否かを自分の頭で判断することをスポイルして、信じる物語(ストーリー)を共有する者同士が集まっていることは分かります。「ディープ・ステート」は軍産複合体であり、合衆国による世界支配(覇権運営)をつかさどる勢力だと説明しきれていないところが興味深いと思いました。宗教組織のように、思想を代弁する者をプロデュースする頭のキレる裏方がいたのなら更なる説得力と影響力を持ったに違いありません。
ところで、36:24から増山麗奈さんが、「信じていた陰謀論から解き放たれたと言う当事者」として登場します。

トランプ元大統領のホテル、3月4日の宿泊料を約3倍に値上げ… 背景に「ソブリン・シチズン運動」?
(Joshua Zitser 2021/02/09 06:45@businessinsider japan)
  陰謀論を宣伝する集団「Qアノン」の支持者らは、トランプ元大統領が2021年3月4日にアメリカ大統領に就任すると信じている。
  これは1871年以降の大統領は皆、正統でないとする陰謀論に根差した考えだ。
  首都ワシントンD.C.にあるトランプ元大統領のホテルは、3月4日の宿泊料を値上げしているこの地域で唯一のホテルだとフォーブスが報じた。
  Qアノンの最も熱烈な支持者らは今でも、2020年のアメリカ大統領選挙で敗北したトランプ元大  統領がこれから大統領に就任すると信じている。

  彼らは2021年3月4日をトランプ元大統領が首都ワシントンD.C.でアメリカ大統領に就任し、政権に復帰する日として、カレンダーに印を付けている。
  そして、フォーブスによると、ホワイトハウスからわずか数ブロックの距離にあるトランプ・インターナショナル・ホテルは一部の部屋の3月3日と4日の宿泊料を約3倍に値上げしているという。

「ソブリン・シチズン運動」
  Qアノンの支持者らが3月4日をこれほど重視するのは、「ソブリン・シチズン運動(sovereign citizen movement)」という突拍子もない考えに根差しているからだ。
  これは、1871年に制定されたある法律が密かにアメリカを国家ではなく企業に変えたと信じ、それをもとにアメリカ人は一連の連邦法の支配下にはないとする考えだ。
  その結果、彼らはそれ以降に就任した大統領は全員、正統でないと見なしている。ソブリン・シチズン運動のメンバーたちは、ユリシーズ・グラント元大統領が最後の正統なアメリカ大統領だと信じている。
  そして、グラント元大統領が19世紀の他の大統領と同じく3月4日に就任したことから、ソブリン・シチズン運動では2021年3月4日に共和制が復活し、トランプ元大統領がアメリカ第19代大統領になると信じている。
  Viceによると、この幻想が、1月にバイデン大統領が就任したことを理解しようとするQアノンの熱烈な信奉者の間で勢いを増しているという。
  こうした中、3月4日はトランプ元大統領のワシントンD.C.のホテルにとって、マーケティングのチャンスとなっているようだ。
  フォーブスによると、3月のデラックスキングルームの宿泊料は通常、476〜596ドル(約5万〜6万3000円)だという。ところが今年は同じタイプの客室の宿泊料がほぼ3倍に値上がりしていて、3月3日と4日は1泊1331ドルだと同誌は報じた。
  1100 Pennsylvania newsletterによると、こうした宿泊料の値上がりはトランプ・インターナショナル・ホテルだけに見られるものだという。
  ホワイトハウス周辺の他の高級ホテルでは、3日と4日の宿泊料は通常通りのようだと、同メディアは伝えている。
  Insiderではこの件についてトランプ・インターナショナル・ホテルにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
  同ホテルの宿泊料の値上げが政治イベントと重なるのは、これが初めてではない。
  トランプ・インターナショナル・ホテルは1月5日と6日の宿泊料も大幅に値上げしていた。フォーブスによると、死亡者も出た連邦議会議事堂への乱入事件が起きた6日の夜は、一番安い部屋でも1泊8000ドルだったという。
  同ホテルの責任者は1月7日、連邦議会議事堂への乱入事件が起きた週の売り上げは「記録的」だったとツイートした。
[原文:Trump's DC hotel is hiking prices for March 4 - the day QAnon followers think the former president will be sworn in]
(翻訳、編集:山口佳美)

いやはや。

大きな笑顔の良き週末を。

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